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ケルセチンは食品中には配糖体として存在しています。
配糖体について軽く説明します。
糖と糖以外の化合物が結合した物質を配糖体といいます。
フラボノイドの多くは、植物体内では水酸基に糖がグルコシド結合した配糖体として存在しています。
結合する糖の種類、結合する位置、数によって、それだけ配糖体の種類が存在します。
ケルセチンもしかりです。
ケルセチン配糖体も数種類存在し、主要なものには
- ケルセチン-3,4-ジグルコシド(Q3,4’G)
- ケルセチン-3-グルコシド(Q3G・イソケルシトリン)
- ケルセチン-4’-グルコシド(Q4’G)
- ケルセチン-3-ルチノシド(ルチン)
などがあります。
出典元
植物由来の黄色色素ケルセチン配糖体の抗変異原性
農研機構
配糖体の種類は 含有食品によります。
先にあげた主要な配糖体は 以下の食品に多く含まれています。
◆タマネギ
ケルセチン-3,4-ジグルコシド(Q3,4’G)
ケルセチン-4’-グルコシド(Q4’G)
◆ブロッコリー 果実
ケルセチン-3-グルコシド(Q3G・イソケルシトリン)
◆そば
ケルセチン-3-ルチノシド(ルチン)
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配糖体から糖が外れたものをアグリコンといいます。
ケルセチンの生理機能の本体は、基本 「ケルセチンアグリコン」にあります。
ケルセチンは「配糖体」として体内に取り入れられ、腸で糖が外され「アグリコン」となり細胞内に吸収されます、ないしは「抱合体」になり血中を巡回します。
出典元
ケルセチン配糖体で健康の維持・増進に寄与する
サントリーグローバルイノベーションセンター
サントリーグループ
それより、抗酸化作用や抗炎症作用や血管機能改善効果や中性脂肪低減効果などを発揮します。
というわけで、ここでは、次のように考えてください。
【ケルセチンとはケルセチンアグリコンのこと、ケルセチンの有する生理機能の効力はアグリコンの量と比例する】
※あくまでもここではです。ケルセチンはちょっと複雑です。
ケルセチンのサプリについての話に移ります。
サプリの原料が「ケルセチン」表記は、おおかたケルセチン二水和物です。
また、一般的にケルセチンに水が結合した水和物(最も一般的には1−2水和物)も知られているがこの水和物も本発明のケルセチンに含まれてもよい。また、本発明のケルセチンには前述の配糖体およびケルセチンに水が結合した水和物ともに含まれてもよい。
出典元
公開特許公報(A)_ケルセチン含有抽出物の製造方法
国立研究開発法人科学技術振興機構
記載がなくとも おおかたケルセチン二水和物です ※だと思います。
今回レビューしたOptimized Quercetinの原料は、
最適化されたケルセチン食品ブレンド 500mgです。
そのうちケルセチンの供給量が 250mgとなっています。
実際の成分表示はこちらです。
Optimized Quercetin Food Blend
(supplying 250 mg quercetin) [quercetin dihydrate, buckwheat (sprout), apple polyphenol extract (fruit), onion extract (bulb)]500 mg 引用元
Life Extension, 最適化済みケルセチン、250 mg、ベジタリアン用カプセル60錠
iHerb.com
(supplying 250 mg quercetin) [quercetin dihydrate, buckwheat (sprout), apple polyphenol extract (fruit), onion extract (bulb)]
を訳すとこんな感じです。
ケルセチン250mgの供給 [ケルセチン二水和物、そば(もやし)、リンゴポリフェノール抽出物(果物)、タマネギ抽出物(球根)]
成分表示だとケルセチンは250mgしか含まれていないことになります。
最適化されたケルセチン食品ブレンドの500mgのうち残りの250mgはいったいなんなのよ~といった感じですが、恐らく
そば(もやし)、リンゴポリフェノール抽出物(果物)、タマネギ抽出物(球根)に含まれているケルセチン以外のフラボノイド・その他もろもろのことだと思います。
というのも商品説明(パッケージ前面)に
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と、でかでかと書かれているからです。
ということで、このOptimized Quercetinは 厳密には食品ベースのバイオフラボノイド複合体(そのうち半分がケルセチン)サプリということになります。
さて、このサプリの購入目的は何かとなると 当然ですが、「ケルセチン」の摂取になると思います。
商品名が「最適化されたケルセチン」だからです。
ただ、先に述べたように1粒あたりのケルセチンの含有量は250mgです。
ケルセチンサプリは普通に500mg/粒が売っています。そんななか、250mgはかなり少ない部類に入ります。
500mgが含まれているこの商品↑の原料はケルセチン二水和物のみです(たぶん)。
一方で、Optimized Quercetinにはケルセチン二水和物+そばに含まれるケルセチン配糖体・リンゴに含まれるケルセチン配糖体・タマネギに含まれるケルセチン配糖体とさまざまな種類のケルセチンが含まれています。
ケルセチンを二水和物のみならず、さまざまな種類の配糖体から補給できる点は、素晴らしいと思います。
が、如何せん含有量が少なすぎます。
それでいて値段がかなり高いんです。
先ほどのNatural Factorsの商品と比較して、1個当たりの単価は倍近くあります。
繰り返しになりますが、ここでは【ケルセチンとはケルセチンアグリコンのこと、ケルセチンの有する生理機能の効力はアグリコンの量と比例する】という考えです。
このサプリ Optimized Quercetinは「含有量が少ない分、アグリコンが少ない。それゆえケルセチンの生理機能の効力は(含有量が多いものに)劣る。価格は高いくせに!!」と捉えることができなくもありません。
ということで、この商品は、純粋なケルセチンサプリとして評価するとちょっとアレです。
ケルセチンに重きを置くなら、
含有量が多い、かつ純度や吸収率が高いもの(高めるように製造されているもの)↓や
含有量が多い、かつ吸収率を高める成分ブロメラインが一緒に配合されている↓もの
を選択するのがベターだと思います。
ちなみに、どちらもOptimized Quercetinに比べて1個当たりの単価はぜんぜん安いです。
なんかすごい辛辣なレビューになってしまいました。
ただ、これは この商品をケルセチンサプリと捉えた場合の評価です。
この商品を【バイオフラボノイド複合サプリ】と捉えるとまた違った評価になると思います。
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※レビューの内容について
→個人の見解です。