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CLAは、リノール酸の異性体で、炭素鎖中で共役二重結合を持つもの の総称をいいます。
総称のこと(28種類あるとされています)ですが、CLAは基本 9c,11t-CLAと10t,12c-CLA の二つを指しています。
CLAサプリは、サフラワーなどリノール酸を多く含む油をアルカリ異性化し、生成されたものです。
9c,11t-CLAと10t,12c-CLAが同程度 含まれています。
一般に研究用およびサプリメントとして市販されている共役リノール酸は,リノール酸をアルカリ共役化することにより生成されており,主な異性体として9シス11トランス型CLAと10トランス12シス型CLAをほぼ等量の割合で含んでいる.
引用元
共役リノール酸の抗肥満・抗高脂血症作用とその機序
PDFページ 1/3
一般社団法人日本肥満学会
9c,11t-CLAと10t,12c-CLAは生理作用が異なります。
CLAをサプリで取ればどちらの生理作用も得ることができます。
ここでは、一緒くたにして「CLA」として話をすすめていきます。
※後に、一緒くたは一旦は解除されます。
いきなり9c,11t-CLAとか10t,12c-CLAとか、わけがわからないかもしれません。
CLAについてのアレコレ、こちらにまとめています ➡ CLA 抗肥満作用
よろしければ、ご覧ください。
CLAには抗肥満作用があることで、非常に有名です。
CLAの抗肥満作用はこの3つの働き【①脂肪分解酵素の活性化】【②蓄積脂肪の燃焼】【③余剰な脂肪を取り込む酵素の阻害】によりもたらされます。
3つについてさらっと説明します。
①脂肪分解酵素の活性化
「HSL(ホルモン感受性リパーゼ)」は中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する酵素です。
HSLによって分解されて生じた脂肪酸が血中に放出され、それがミトコンドリア内に運搬され、そこで燃焼される←このことを脂肪燃焼といいます。
つまるところ「HSLを活性化させる」ことが脂肪燃焼の始まりとなります。
活性化されるのは空腹時や運動時です。
空腹時や運動時に脂肪動員ホルモン(アドレナリン・グルカゴン・成長ホルモンなど)が分泌されるとHSLが活性化されます。
CLAにはHSLを活性させる働きがあります。
すなわち、CLAは脂肪を細かくするリパーゼを活性化する役目を果たしています。(ホルモン感受性リパーゼの活性化)
引用元
CLAとは?
CLA 共役リノール酸のチカラ
日清オイリオ
②蓄積脂肪の燃焼
脂肪酸(長鎖脂肪酸)がミトコンドリア内で燃焼される=ATPに変換される過程は
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です。
→β酸化に進むにはミトコンドリア内に運ばれる必要があります。
ただし、脂肪酸はそのまま(脂肪酸アシルCoA)ではミトコンドリアの内膜を通過することができません。
一時的にカルニチンと結合し、脂肪酸アシルカルニチンになることでミトコンドリア内膜を通過する=ミトコンドリア内に入ることができます。
脂肪酸アシルCoAから脂肪酸アシルカルニチンへ変換する反応を触媒する酵素は、ミトコンドリア外膜に存在するCPT-1です。
アシルCoAとカルニチンをアシルカルニチンに変換する酵素です。ミトコンドリアにおけるβ酸化の律速酵素となっています。
この酵素の活性が高まると脂肪酸のミトコンドリアへの輸送が促進されます=脂肪燃焼が進む ことになります。
CLAはCPT-1の発現を増やす働きがあります。
体脂肪が減少する一因として,CLA摂取により脂肪組織および筋肉でカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)活性の増加が観察されている。CPTはミトコンドリアでの脂肪酸β酸化の指標であり,CLAは脂肪酸燃焼活性を高めると考えられる。
引用元
共役リノール酸の機能と代謝
PDFページ 4/9
J-STAGE
③余剰な脂肪を取り込む酵素の阻害
LPL(リポ蛋白リパーゼ)は筋肉などの毛細血管内皮細胞表面に存在し、血液中の中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセリンに分解する酵素です。
また,吸収された脂肪分はカイロミクロンに取り込まれ,脂肪細胞から分泌され血管内皮に存在する LPLの働きで中性脂肪は遊離脂肪酸(FFA)とグリセロール(Gly)に分解される.脂肪組織は,グリセロキナーゼ(GlyK)活性が乏しく Gly を利用できず,FFA とグルコースを中性脂肪に変換し貯蔵する.
出典元
1.脂肪組織由来ホルモンによるエネルギー代謝調節
PDFページ 1/4
J-STAGE
LPLとHSL、この2つは同じ「脂肪を分解する酵素」ですが、意味合いが違います。
- LPLは【血液中の中性脂肪を分解して】脂肪細胞内に取り込む👈体脂肪として溜める要素が強くなっています。
- HSLは【体脂肪を分解して】脂肪細胞外に放出させる👈脂肪を分解してエネルギーとして利用する要素が強くなっています。
CLAにはLPLを阻害する働きがあります。脂肪細胞への脂肪(脂肪酸)の取り込みを抑制します。
CLAは食欲抑制による脂肪摂取量の減少、リポタンパク質リパーゼ活性の抑制を介する吸収された脂肪の末梢組織への取り込みの抑制、ホルモン感受性リパーゼ活性の上昇を介する体脂肪の動員促進、そして肝臓での脂肪酸の燃焼促進によって積極約に体脂肪を減少させるとみなされている。
引用元
共役型リノール酸と食品中の機能性成分との相乗作用による肥満防止
乳の学術連合
以上、CLAの抗肥満作用でした。
この成分をとれば、痩せるなんてものは絶対に存在しません。
ただし、
「この成分をとって、暴飲暴食をしなければ、太らない」ものが、
「この成分をとって、暴飲暴食をせず、運動をすれば、痩せる」 ってものがあります。
それが
CLA!!
※話の展開上、太らない、痩せると断言でしちゃっていますが、可能性が高いぐらいに捉えてください。
肥満を気にしているかたは、ぜひともCLAをサプリで摂取することをおススメします。
その際は必ずカルニチンとセットで取るようにしてください。
理由は先に説明した②蓄積脂肪の燃焼 にあります。
カルニチンが脂肪酸と結合することで、燃焼の場所ミトコンドリアに入ることできます。
カルニチン+脂肪酸👈この反応を触媒する酵素を活性させるのがCLAです。
サプリでと強調した理由を説明します。
日本人がCLAの有する生理作用を得るには1日2300mgの長期摂取が必要との研究報告があります。
以上より,日本人は1日 2 .3 g のCLAサプリメントを長期摂取することで有益な生理作用を得ることができると考えられた
引用元
日本人の共役リノール酸摂取量に関する考察
PDFページ 6/6
J-STAGE
一方、日本人が1日の食事からCLAを摂取している量は約37.5mgとされています。
2300mgにはほど遠い数値となっております。
以上より,日本人は 1 日当たりおよそ 37.5 mg の CLA(9c, 11t-18:2)を摂取していることが明らかとなった.
引用元
日本人の共役リノール酸摂取量に関する考察
PDFページ 6/6
J-STAGE
約200mg/日という説もありますが、いずれにしても2300mgには、とうてい及ばない数値です。
なんでこれしか取れていないかというと、食品に含まれている量が少ないからです。
CLAは牛乳やチーズといった乳製品に含まれているのですが、含まれている量はごくわずかです。
乳製品を好んで食べている欧米人ですらCLAの摂取量は約400mg/日程度とされています。
さらにいうと、食品からだと10t,12c-CLAがほとんど取れません。
食事中に含まれる CLA は 9c,11t-18 : 2であり,10t, 12c-18 : 2 は検出されなかった.
引用元
日本人の共役リノール酸摂取量に関する考察
PDFページ 3/6
J-STAGE
CLAの生理作用って異性体により異なっています。
抗肥満作用は同じ「CLA」でも10t,12c-CLAにあるやつです。
本研究において、CLAが示す抗高脂血症および抗肥満作用は10t,12c-CLA異性体の作用によるものであることを示し、高血圧症の予防改善作用をもつことをはじめて明らかにした。
引用元
共役リノール酸の栄養生理機能に関する研究
KAKEN
すでにCLA異性体の違いによる生理作用の違いについても報告されており,10t,12c型は抗がん作用,抗肥満作用,抗糖尿病作用を,9c,11t型は抗がん作用をもつことが示唆されている。
引用元
共役リノール酸の新規栄養生理機能
PDFページ 1/5
J-STAGE
つまるところ、さっき説明した「CLAの抗肥満作用」を得るにはサプリからじゃないとダメってことです。
CLAには関して継続して摂取することがナンボです。
それゆえ、コスパに優れている商品を選ぶことが大事です。
この商品はiHerbで販売されているCLAの中で、1粒あたりの単価が安い部類に入る商品です。
参照一覧
CLA 共役リノール酸のチカラ
日清オイリオ
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※レビューの内容について
→個人の見解です。