TVで取り上げられた栄養成分について語るシリーズ第5回目です。
第5回目の題名は「診療所 中性脂肪の改善にAMPキナーゼを活性させる」です。
「主治医が見つかる診療所 最新!中性脂肪の真実 血液&血管を劇的改善SP(2017年8月28日放送)」で取り上げられたAMPキナーゼについて語っていきます。
なおこのシリーズの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
→TVで取り上げられた栄養成分について語る サンプルバージョン
放送内容をさらっとまとめる
放送日 2017年 8月28日
放送局 テレビ東京系列
番組HP 主治医が見つかる診療所
放送内容
中性脂肪を改善すれば血液が若返り肥満予防や美肌効果が期待できる。
「中性脂肪」に焦点を当て、中性脂肪を減らす方法を紹介する
中性脂肪を減らすための方法として次の2つが紹介されました。
①AMPキナーゼという物質を活性させる
②EPAやDHAが豊富に含まれるサバの水煮缶を食べる
今回は①AMPキナーゼという物質を活性させるの内容について語っていきます。
AMPキナーゼ部分の内容を簡単にまとめる
放送では「中性脂肪を減らす」のに役立つ物質として「AMPキナーゼ」が紹介されていました。
内容を簡単にまとめると以下のようになります。
- 中性脂肪の増加は肥満・動脈硬化の原因になる
- 中性脂肪の改善に役立つのが「AMPキナーゼ」という酵素
- AMPキナーゼを活性化させれば中性脂肪が減る
筋肉を使うことで活性化するので運動をしましょう
目玉はなんといっても「AMPキナーゼを活性化させれば中性脂肪が減る」この一文に限ります。
ということで今回はなぜAMPキナーゼを活性化されば中性脂肪が減るのかこのメカニズムについて解説していきたいと思います。
解説するにあたり内容をちょっと改変したいと思います。
- 中性脂肪について【中性脂肪の増加は肥満&動脈硬化の原因】
- 中性脂肪を減らすについて【脂肪燃焼のメカニズム】
- AMPキナーゼについて【AMPキナーゼを活性化させれば中性脂肪は減る】
筋肉を使うことで活性化するので運動をしましょう
①~③を1章~3章とし順に説明していきます。
とにかく最終的に
「AMPキナーゼを活性化させれば中性脂肪が減る」→筋肉を使うことで活性化するので運動をしましょう
という結末にもっていきたいと思います。
1章 中性脂肪について【中性脂肪の増加は肥満&動脈硬化の原因】
まずはじめに 脂質
中性脂肪を説明する前に
まずはおおもとである脂質を説明します。
いうまでもありませんが3大の残りの2つは「糖質」「たんぱく質」です。
じゃあなぜこの3つが「3大」栄養素と呼ばれるのか?
答えは1つ
生命を維持するため
身体活動を行うための
で、脂質ってそれ1つではありません。
脂質って
4つの脂質を簡単にまとめると以下になります。
- 脂肪酸
身体活動や生命維持に必要なエネルギー源となるものです。 - 中性脂肪
脂肪のことです。脂肪細胞に蓄えられ、必要に応じてエネルギーとして利用されます。必要な場合とは体内に糖質が枯渇しているときで、その場合 脂肪酸(遊離脂肪酸)とモノグリセリドに分解されます。
分解されてできた遊離脂肪酸がエネルギーとして使用されます。 - コレストロール
細胞膜、ホルモン、胆汁酸の構成材料となるものです。 - リン脂質
細胞膜や脳・神経組織の構成材料となるものです。リポたんぱく質の構成成分でもあります。水と油どちらにもなじみやすい性質をもっています。
中性脂肪の役割
脂質のうちエネルギー源となるのが脂肪酸です。
中性脂肪は、そのエネルギーを貯めておく貯金箱のような役割をしています。
中性脂肪はエネルギー源の脂肪酸を貯蔵するだけはなく、
(寒いときに)体温を一定に保ったり
(外部の衝撃から)内臓を守ったり
する役割もしています。
「中性脂肪」と聞くとなにかとマイナスイメージが浮かぶかもしれませんが
ただし
という言葉を付け足す必要があります。
中性脂肪は脂質の取り過ぎ&糖質の取り過ぎ&アルコールの取り過ぎにより増えてしまいます。
増えてしまうと肥満を招き、動脈硬化を引き起こします。
糖質の取り過ぎで中性脂肪が増える理由
→エネルギーとして使用されなかった糖質は中性脂肪に合成されるから
アルコールの取り過ぎで中性脂肪が増える理由
→中性脂肪の合成をすすめる働きをするから
中性脂肪が増える→肥満&動脈硬化のWパンチ
主なエネルギー源である糖質・脂質が取り、
それが【エネルギーとして使われずに】余剰になったときに中性脂肪が増えていきます。
体内の中性脂肪が【エネルギーとして使われていかなければ】皮下や内臓周辺に中性脂肪としてどんどん蓄積されます。
皮下や内臓周辺に脂肪が蓄積・・
つまり皮下脂肪や内臓脂肪が増えます。
ということで
また中性脂肪が増えるとHDLコレストロールを減らしLDLコレストロールを増やすことになります。
血液中にLDLが増えることは動脈硬化を進行させることになります。
プラークと呼ばれるこぶが形成されやすくなり、血管の内側が細くなって、血液がスムーズに流れにくくなるからです。
今回の放送の題名は「中性脂肪を改善して体をキレイに若々しく。血液&血管 改善スペシャル!」で
内容の要旨は「中性脂肪を改善すれば血液が若返り肥満予防や美肌効果が期待できる」となっていました。
一見すると中性脂肪を「血液の若さ」とか「美肌」に結びつけているので新鮮な感じがしますが、
単に「中性脂肪が増えると肥満を招き、血管が老化(=動脈硬化が進行)する」を裏返しにして言っているにすぎません。
この裏返しつまりこういうことです。
中性脂肪を減らすことができれば肥満予防・改善になり、血管が若返り美肌効果が期待できる
血管の若返り→美肌効果って少し無理やり感があるかもしれません。
これはつぎのように深読みする必要があります。
「肌の細胞に必要なものを運ぶ&不要なものを回収するのが血液なので、その流れをよくすることは美肌につながる」
この章のまとめ
- 中性脂肪はエネルギーの貯蔵(+他)の役割があり体に必要なもの
- ただし増えすぎると肥満を招き、血管を老化させる
- 減らせば体をキレイにし若々しさを保てる
診療所 中性脂肪の改善にAMPキナーゼを活性させる その2に続く