マンガン
16種類ある必須ミネラルの1種
そのうち9種類ある微量ミネラルの1種
マンガンとは
マンガンについて
- ミネラル(無機質)には代謝を促進したり、生理機能を維持する働きがあります。
- ミネラルは100種類以上存在するとされています。
- そのうち生命維持のために不可欠なミネラルを必須ミネラルといいます。必須ミネラルは16種類あります。
- 必須ミネラルのうち1日に必要とされる摂取量が100㎎以上のミネラルを主要ミネラル、100㎎未満のミネラルを微量ミネラルと分類します。主要ミネラルは7種類、微量ミネラルは9種類です。
- マンガンは微量ミネラルに分類されます。
-
体内に存在するマンガンの量は約12~20㎎と言われています。
-
マンガンは体内に広く分布しています。骨・肝臓・膵臓・腎臓・毛髪といった組織および臓器に多く存在しています。中でもミトコンドリア内に多く存在しています。
- マンガンは生体内では酵素を活性化する働きをしたり、酵素の構成成分として機能しています。そのため数多くの酵素反応に関与しています。
- マンガンは酸化還元酵素、加水分解酵素、脱水素酵素などといった酵素の「活性化」に関わっています。
- マンガンを「構成成分」としている酵素としてアルギナーゼ・ピルビン酸カルボキシラーゼ・グリコシルトランスフェラーゼ・マンガンスーパーオキシドジスムターゼ(MnSOD)の4つが有名です。
- マンガンの主な生理作用は糖代謝、脂質代謝、抗酸化作用、骨の形成などです。
マンガンの補足
- 食事より摂取されたマンガンは胃酸によって2価イオンとなります。
- その後、腸管細胞の酸化機構で3価イオンとなって吸収されます。
- 吸収されたマンガンは門脈を経由して肝臓に運ばれ、胆汁から腸管に分泌され、そのほとんどが糞便中に排泄されます。 なので体内のマンガン量は「胆汁排泄」によって調節されていると考えられています。
- マンガンの吸収は鉄と競合します。
摂取量について
◆目安量
4㎎/日(成人男性)
3.5㎎/日(成人女性)
◆耐用上限量
11㎎/日(成人)
by 日本人の食事摂取基準(2015年版) 厚生労働省
◆不足や欠乏症
- 骨代謝異常
- 糖・脂質の代謝低下
- 生殖機能の低下
- 血糖値の上昇
- 運動失調
など
◆取り過ぎや過剰症
- 疲労
- 精神障害
- 中枢神経系障害
- 生殖機能の低下
- 免疫力の低下
など
マンガンの効果・効能
マンガンの効果・効能 4つ厳選
- 抗酸化作用(by Mn-SOD)
- 尿素の生成(by アルギナーゼ)
- 糖新生に関与(by ピルビン酸カルボキシラーゼ)
- ムコ多糖類の合成(by グリコシルトランスフェラーゼ)
そのうち2つを詳しく
①抗酸化作用
生体内で生じる活性酸素「スーパーオキシド」の約90%はミトコンドリアで発生しているとされています。
スーパーオキシドは酸素に電子が1個加わった最も一般的な活性酸素です。
生成されたスーパーオキシドは、酵素的あるいは非酵素的に還元を受け より反応性の高い活性酸素種となります。
電子伝達の際に、複合体Ⅰや複合体Ⅲから漏れ出した電子によって、酸素分子が一電子還元され「スーパーオキシド」が生じます。
この際、スーパーオキシドを中和する酵素がSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)です。SODはスーパーオキシドを不均化して過酸化水素と酸素に変えます。
女子社員が活躍するほうのSODさ
SODはその活性中心金属の種類によって3つに大別できます。銅亜鉛SOD(Cu、Zn-SOD)、マンガンSOD(Mn-SOD)、鉄SOD (Fe-SOD)の3つです。
人には3種類のSODが存在します。SOD1とSOD2とSOD3です。細胞質に存在するのがSOD1で、ミトコンドリアに存在するのがSOD2です。SOD3は細胞外に存在します。
SOD1とSOD3は銅・亜鉛を活性中心としてSOD2はマンガンを活性中心としています。
意味わからないんだけど・・・
SOD1≒銅亜鉛SODのこと SOD2≒マンガンSODのことで
SOD3は細胞外液に または膜に結合した形で存在しているものなんだ!
このコピペでもみてくれ
SODには金属コファクターと局在の違いに基づいて4種類のSODがあります。
- マンガンSOD (MnSOD、(訳注:SOD2)):主に全ての好気性のミトコンドリアマトリックスに存在
- 銅/亜鉛SOD (Cu/ZnSOD、(訳注:SOD1)):主に真核細胞の細胞質に存在
- 鉄SOD (FeSOD):主に原核生物の細胞質ゾル、葉緑体、ミトコンドリアに存在
- 細胞外液または膜に結合したSOD (ECSOD、(訳注:SOD3)):哺乳類で見出されている
引用元
特集:SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)
コスモバイオ(株)
SODは、ミトコンドリアで発生する活性酸素に対する第一防御ラインを担う重要な抗酸化酵素です。
うちミトコンドリアの膜間腔側に発生したスーパーオキシドはSOD1が、マトリックス側に発生したスーパーオキシドはSOD2がその中和に働くとされています。
SOD1の活性中心に銅と亜鉛が、SOD2の活性中心にマンガンが必要です。
マンガンは亜鉛・銅とともに一番最初に発生する活性酸素に立ち向かう重要な抗酸化ミネラルです。
参照
ミトコンドリア呼吸鎖(電子伝達系)複合体と活性酸素種
東邦大学
過酸化水素も活性酸素の1種でしょ!?
まさかのウォーカー
(そこはガンマンでしょ!?)
②尿素の生成
アミノ酸は主にたんぱく質の合成に使われます。
アミノ酸の供給が過剰となったときにアミノ酸は異化によってエネルギーとして利用されます。
アミノ酸は生体に必要な窒素源(窒素Nを含むアミノ基【₋NH₂】が含まれている)となっています。エネルギー産生において重要な代謝経路であるTCA回路では窒素を代謝できないためアミノ基【₋NH₂】を除去する必要があります。
尿素と何の関係もないじゃない!!
アミノ酸の異化は窒素代謝(アミノ基【₋NH₂】の除去)と炭素骨格代謝(炭素骨格の分解)の順で進められます。
窒素代謝においてアミノ酸はアミノ基転移反応によりグルタミン酸になり、そのグルタミン酸が酸化的脱アミノ酸反応を受けα-ケトグルタル酸とアンモニアを生成します。
となると・・・
生じたアンモニアは有害であり、ただちに二酸化炭素と結合しカルバモイルリン酸となり肝臓の尿素回路のオルニチンに組み込まれ無害な尿素に変えられます。
尿素回路(オルニチン回路)
①アンモニア+二酸化炭素&ATP→カルバモイルリン酸
②カルバモイルリン酸+オルニチン→シルトリン→アルギニノコハク酸→アルギニン→オルニチン+尿素
シトルリンは、アスパラギン酸と結合しアルギニコハク酸に変化します。
そしてアルギニコハク酸がフマル酸を放出してアルギニンに変化し、アルギニンが加水分解され尿素とオルニチンになります。このオルニチンは尿素回路で再利用されます。
※尿素回路は②の出発点のオルニチンと終点のオルニチンがつながってクルクルと回転しているとイメージをしてください。簡略すると →オルニチン→シトルリン→アルギニン→ という順に回転しているサイクルです。
さてこの代謝サイクルの最終段階【アルギニン→オルニチン+尿素】はアルギニンを加水分解してオルニチンと尿素を生成する反応です。
この反応を触媒する酵素がアルギナーゼです。
アルギナーゼの活性にマンガンが必要です。
ところでこのアルギナーゼの説明文みて
アルギナーゼ I (肝臓型アルギナーゼ、L-アルギニンウレアヒドロラーゼ、L-アルギニンアミジノヒドロラーゼ)は、アルギニンをオルニチンと尿素に変換する加水分解酵素です。オルニチンは、コラーゲン合成に重要なアミノ酸であるプロリン、および、細胞増殖と分化に重要な役割を果たすポリアミンの前駆体です。
アルギナーゼには、アルギナーゼ I と II の2種類が存在し、それぞれ異なる遺伝子によってコードされています。アルギナーゼ I と II は同様の酵素活性を示しますが、等電点(pI)および免疫反応性が異なります。
ヒトアルギナーゼ I (肝臓型アルギナーゼ)は、血中を循環する 35 kD のタンパク質で、ホモ三量体を形成しています。肝臓型アルギナーゼは、哺乳動物の肝臓に最も多く発現していますが、赤血球、乳腺、腎臓のような肝臓以外の組織にも発現が見られます。引用元
商品情報 アルギナーゼ I ELISA キット
コスモバイオ(株)
「それだけでない」ってこと!!
こんどはこれ見て
アルギナーゼはアルギニンをオルニチンと尿素に加水分解する尿素サイクル中の酵素であり、脊椎動物の肝臓、腎臓などをはじめ生物界に広く分布している。
ヒト皮膚においてもその存在は古くから知られており、表皮細胞の増殖に関連したポリアミン生合成やプロリン生合成のためのオルニチン供給酵素として知られている。
特許文献1においてはこのアルギナーゼの皮膚中での生理機能を皮膚の天然保湿因子(NMF)成分である“尿素”の産生に関連づけており、特定の生薬エキスとして“木通”の抽出エキスが皮膚中のアルギナーゼ活性を調節して皮膚に継続的に保湿効果を与えることが報告されている。
引用元
公開特許公報(A)_アルギナーゼ活性促進剤およびそれを含有する皮膚外用剤
NBDC バイオサイエンスデータベースセンター
国立研究開発法人科学技術振興機構
なぜならアルギナーゼの活性にマンガンが必須だからさ
かあちゃん 感動した?
ここでは「アルギナーゼ(肝以外に局在しているのも含む)の活性にはマンガンが必要である」で話を進めていきます。
どんだけコピペしてんだ?
最初のほうに書いたやつも コピペだし
コツンじゃ~
お前もおまけにコツンじゃ~
マンガンの働き分析【見た目編】
合計 38.5/60点薄毛
6.5点
「薄毛」改善 に関わるマンガンの働きは主に次です。
- 糖代謝に関与
糖化とは「体内に余った糖質がたんぱく質とくっつきたんぱく質が変性すること、そして体内に糖化したたんぱく質 AGEs(終末糖化産物)が生成されること」をいいます。髪のケラチンたんぱく質が余剰な糖質と結びつくと髪の毛のコシやツヤが失われます。
またAGEsが頭皮に蓄積すると毛乳頭細胞や毛母細胞の働きが衰え薄毛につながります。マンガンは正常な糖代謝に関わるミネラルです。
- ビオチン
サプリのマンガンの紹介文にはよく「体内のビオチンの働きをサポートする」と書かれています。
例えばこちらをご覧ください。マンガンはビオチンやビタミンB1、ビタミンCが体内でパワーを発揮できるようにサポートしてくれる大切な成分です。
マンガンは髪の毛や骨をサポートしてくれると言われています。
積極的に摂取して健康的な毎日のサポートにお役立て下さい!引用元
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理由は補酵素としてビオチンを必要とする酵素「ピルビン酸カルボキシラーゼ」の補助因子としてマンガンが必要だからだと思われます。ピルビン酸カルボキシラーゼは糖新生の際に働く酵素です。なので薄毛予防にはあまり関わりはありません。
ただ「糖新生におけるビオチンの働きを手助けする」ことは「体内での他・作用において ビオチンが有効に働くのを手助けする」と捉えることができます。ビオチンといえば薄毛予防になる成分(ビオチン 糖新生では薄毛項目で10点)です。
ケラチンの合成→毛髪の形成 やDNAの合成→毛母細胞の細胞分裂 に深く関与しているからです。
ビオチンの働きを助けるマンガンが「ビオチンの薄毛予防効果」に何かしら貢献していると考えることもできなくはありません。
白髪
6点
「白髪」予防 に関わるマンガンの働きは主に次です。
- 活性酸素
黒髪のもととなるメラニンは頭皮の毛包内にある色素細胞(メラノサイト)でチロシンとチロシナーゼ酵素が結びつくことで生まれます。
この色素細胞の「働きが衰える」または「数が減る」ことは白髪につながります。色素細胞は色素幹細胞(色素細胞から少し離れたバルジ領域に存在している)から作られています。
毛母細胞に隣に色素細胞が存在しています。
バルジ領域は皮脂腺の下あたりにあります。
活性酸素は色素細胞のもととなる色素幹細胞にダメージを与えます。ダメージを受けた色素幹細胞は十分な色素細胞を生み出すことができなくなります。その結果、毛母への色素細胞の供給が少なくなり→メラニンが少なくなり→白髪が発生するといった流れをたどることになります。
マンガンは一番最初に発生する活性酸素「スーパーオキシド」の除去に働く「SOD」の構成成分です。
抗酸化サプリ やすらぎ生活【機能性表示食品】ストレスによる疲労感の減少に SOD 活性酸素の除去サポート参照
白髪を増やさない 血流アップ&抗酸化【日経ヘルス19年2月号】
日経doors HP
美肌
6点
「美肌」作り に関わるマンガンの働きは主に次です。
- アルギナーゼ
アルギナーゼは尿素回路の最後でアルギニンをオルニチンと尿素に加水分解する酵素です。皮膚にもアルギナーゼは存在しており、肌における①オルニチンの供給や②尿素の生成に関連するとされています。
①オルニチンオルニチンはポリアミンとプロリンの生合成に関わります。
◆ポリアミン
ポリアミンは細胞内に存在し細胞の分化・増殖に重要な役割を果たします。詳しくはこちら→ポリアミン 核酸の合成促進
◆プロリン
プロリンおよびヒドロキシプロリン(プロリンが水酸化された化合物)はコラーゲン組成の約1/5を占めます。プロリンはコラーゲンの合成を促進&コラーゲンの構造を安定させます。詳しくはこちら→プロリン コラーゲンの合成促進
②尿素尿素はNMFの構成成分です。NMFは人間がもともともっている皮膚の保湿成分で角質細胞内においてケラチンとともに存在しています。角質層において体内の水分を逃さない役割(肌の保湿機能)や外的刺激から肌を守る役割(肌のバリア機能)を果たしています。そのため角質層のNMFが減少すると乾燥肌になりやすくなります。
アルギナーゼの活性にマンガンが必要です。なので美肌づくりにも貢献するといえそうです。
※マンガンは皮膚のアルギナーゼの活性に関係ないかもしれません。
参照
公開特許
公開特許公報(A)_アルギナーゼ活性促進剤およびそれを含有する皮膚外用剤
出願番号: 2011060950 - 抗糖化
糖化により体内のあらゆる組織がダメージを受けます。
とくに肌の真皮がダメージを受けるといってもいいかもしれません。
※真皮層を拡大したイラストです。ひし形の線部分がコラーゲン。真皮の主成分となっているのがコラーゲン繊維です。真皮の乾燥重量のうち約7割はコラーゲンで占められています。
コラーゲン繊維は架橋によって分子間がつながっていますが、糖化されるとこの架橋が無秩序かつ過剰に形成されるようになります。通常は「コラーゲン架橋」ですが、無秩序かつ過剰に形成された架橋は「悪玉架橋(AGEs架橋)」と呼ばれます。
悪玉架橋ができるとラーゲン繊維のしなやかさが失われ、ハリ・弾力が低下してしまいます。イコール肌の老化です。
若々しい肌を保つうえで「抗糖化」はとても重要です。抗糖化の基本は「糖代謝を正常にする」ことです。
マンガンはインスリンの生成に関与しています。「正常な糖代謝」に必要なミネラルです。
美白
6点
「美白」ケア に関わるマンガンの働きは主に次です。
- アルギナーゼ
(株)ファンケルの研究により「アルギナーゼ1」が、紫外線からの酸化ストレスによる皮膚のバリア機能の低下を防ぎ、炎症を抑制することが判明しています。ファンケルのプレスリリースの一部を抜粋します。
ARG1(アルギナーゼ 1):
シミの原因となる活性酸素の発生を抑え、メラニン産生が起こらないようにバランスを調整し、シミを防ぐ力があるタンパク質。身体の炎症時に増加し、正常化させる機能を持つ。引用元
酸化ストレスによるバリア機能の低下と炎症の抑制に「アルギナーゼ 1」の関与を発見
FANCLアルギナーゼ1は尿素回路に関わるアルギナーゼのことです。
アルギナーゼの活性にマンガンが必要です。
シミを防ぐたんぱく質「ARG1(アルギナーゼ 1)」にはマンガンの存在も重要だと考えられます。※マンガンは皮膚のアルギナーゼに関係ないかもしれません。
- 抗糖化
肌に透明感がなくなり、黄色くくすむ現象を黄くずみと言います。黄くずみの原因となるのは「糖化」です。糖化が黄くずみの原因となる理由糖化により生成されるAGEsは茶褐色の物質です。そのためAGEsが肌の内側に蓄積すると肌が黄色くくすむようになります。
糖代謝に関わるマンガンは糖化による黄くずみの予防が期待できます。
筋肉
6.5点
「筋肉」増強 に関わるマンガンの働きは主に次です。
- インスリン
効率的に筋肥大させるためには、たんぱく質の同化作用を有するアナボリックホルモンの分泌を促進させることが大事となります。代表的なアナボリックホルモンはテストステロン・成長ホルモン・インスリンです。どれも重要なアナボリックホルモンですが、あえて順位をつけると一番はインスリンといえるかもしれません。
理由 その1インスリンが分泌されると骨格筋においてグリコーゲン合成酵素が活性化され筋グリコーゲンの合成が高まります。この筋グリコーゲンはワークアウト中のエネルギー源として利用されます。
筋グリコーゲンレベルが低い状態だとパフォーマンスレベルの低下につながります。
Tarzan特別編集 ≪新装版≫足りないヒトの……タンパク質チャージ術!理由 その2インスリンが分泌されると筋たんぱく質の合成に必要なアミノ酸(BCAA)の取り込みを増やしたんぱく質の合成を促進
させます。
筋肥大のためによく筋トレ後に【たんぱく質+糖質】の摂取が勧められているのは、糖質をとることで、インスリンが分泌され筋たんぱく質の合成が高まるからです。マンガンはインスリンの生成に関わります。
脂肪
7.5点
「脂肪」減少 に関わるマンガンの働きは主に次です。
- 糖・脂質の代謝
マンガンは糖・脂質の代謝に関与しています。なので不足すると糖・脂質代謝の低下につながります。エネルギーに代謝されなかった糖質・脂質は中性脂肪として体に蓄えられます。
マンガンの働き分析【中身編】
合計 47.5/60点
身体
9点
「身体」の構成材料 に関わるマンガンの働きは主に次です。
- 骨
マンガンはカルシウムとリンとともに骨の石灰化に働きます。 - 軟骨
軟骨マトリックスの主成分「プロテオグリカン」は糖にたんぱく質が結合した糖たんぱく質の一種です。
コンドロイチン硫酸、デルタマン硫酸、ヘパラン硫酸などグリコサミノグリカンと呼ばれる「糖鎖」がコアたんぱく質に共有結合してできます。
糖鎖の合成には糖転移酵素(グリコシルトランスフェラーゼ)が必要です。この酵素はマンガン含有酵素です。 - 血液凝固
マンガンは血液凝固因子の1つプロトロンビンの合成を助けます。 - DNAの合成
DNAの複製には必ずDNAの合成が伴います。DNAの合成に関わる酵素の補酵素としてマンガンは働きます。 - 脂肪酸・コレストロールの合成
マンガンは脂肪酸・コレストロールの合成に関与します。これらは細胞膜やホルモンの原料です。
エネ
8.5点
「エネルギー」生成 に関わるマンガンの働きは主に次です。
- ピルビン酸カルボキシラーゼ
ピルビン酸カルボキシナーゼは、糖新生においてピルビン酸をオキサロ酢酸に変換する反応を触媒します。糖新生糖質制限などを行ない血糖値を維持するだけの糖質が体内にない時に、人間の身体はアミノ酸、脂肪、乳酸などからグルコースを作り出し、エネルギーとして利用することが出来ます。このことを糖新生といいます。
この酵素はミトコンドリア内に存在するビオチン結合たんぱく質です。なのビオチンが不足していると上手く機能せず、糖代謝が正常に行われなくなります。
この酵素はマンガンを構成成分としています。それゆえにマンガンが不足することも糖代謝に支障をきたします。
バイオシトレート マンガン 50mg 60粒 [海外直送品]マンガンサプリの商品紹介欄で「マンガンはビオチンの働きをサポートする」「ビオチンが有効に働くにはマンガンが必要」と記載されていることがありますが、理由はこのピルビン酸カルボキシラーゼにあります。
病気
8点
「病気」予防 に関わるマンガンの働きは主に次です。
- 糖尿病
糖尿病は血糖を細胞に取り込むインスリンが働かなくなることで引き起こされる病気です。
マンガンはインスリンの合成に関与しています。マンガン不足は糖尿病を引き起こします。 - 骨粗鬆症
マンガンはカルシウムとリンとともに骨の石灰化に働きます。マンガン不足は骨粗鬆症を引き起こします。 - 動脈硬化
血液中のLDLコレストロールが酸化されると酸化LDLに変わり血管壁に沈着します。そうなると血管の内側は細くなって動脈硬化を引き起こします。マンガンは活性酸素を除去する抗酸化酵素「SOD」の構成成分です。動脈硬化予防に貢献する成分です。
体質
7点
「体質」改善 に関わるマンガンの働きは主に次です。
- 疲労
疲労物質の一つアンモニアは、尿素サイクルにて無毒な尿素に変換されます。アルギナーゼは尿素サイクルを構成する酵素の一つです。アルギニンを加水分解しオルニチンと尿素を生成する反応を触媒します。マンガンはアルギナーゼの活性発現に必須の構成要素です。
- 骨
マンガンはカルシウムとリンとともに骨の石灰化に働きます。マンガンは骨の健康に貢献しているミネラルの1つです。 - 関節
マンガンは関節の結合組織の合成に関与しています。 - 消化
マンガンは消化酵素を活性化させます。消化を助ける働きをします。
精力
8点
「精力」増進&「性機能」向上 に関わるマンガンの働きは主に次です。
- 性ホルモンの合成
マンガンは性ホルモンの合成に関わります。マンガンの不足は生殖機能低下につながります。 - 妊娠中のうつ
愛媛大学が主導する共同研究チームにより「妊娠中のマンガン摂取が、妊娠中うつ症状の有症率低下と関連している」ことが判明しています。参照
マンガン摂取が妊娠中のうつ症状の予防を示唆する研究成果を発表
プレスリリース 愛媛大学
健脳
7.5点
「脳」の健康 に関わるマンガンの働きは主に次です。
- グルタミン酸合成酵素
こちらの引用文をご覧ください。なお文中のGSはグルタミン酸合成酵素のことです。脳のGSはグルタミン酸の代謝調節、アンモニアの解毒・同化、神経伝達物質によるシグナルの終結と再生に関与している。GSは脳の中で、主にアストロサイトに見つかる。アストロサイトは余剰のアンモニアとグルタミン酸を取り込み、神経を興奮毒性から保護する。
引用元
グルタミンシンテターゼ
ウィキペディア脳内のマンガンの約8割はアストロサイトにあるグルタミン合成酵素に含まれています。マンガンは神経機能の維持に貢献するミネラルです。
参照
マンガン Mn 微量元素各論 「生命と微量元素」講座<荒川泰昭>
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30日分の価格 約140円
1日あたりの価格 約4.6円
※価格は記事作成時のものです。価格が変動する可能性があります。
マンガンは、必須微量ミネラルで体内の多くの主要な機能に関与しています。エネルギーの生成、正常な骨の形成と発達、そしてコラーゲン、プロトロンビン、尿素、ムコ多糖、脂肪酸やタンパク質のような多くの必要不可欠な細胞生化学物質の合成に役割を果たしています。さらに、マンガンは、体内の主な抗酸化保護制御の1つスーパーオキシドディスムターゼの共同因子です。マンガンは特にアミノ酸と結合(キレート化)しミネラル値を維持し同化作用を強化します。
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※価格は記事作成時のものです。価格が変動する可能性があります。
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マンガンのまとめ
分析【見た目編】38.5点
分析【中身編】47.5点
マンガン SODの構成成分 参照一覧
6. 2. 4.マンガン(Mn) 厚生労働省 PDF
微量元素の働きと1日の摂取量 健康長寿ネット 公益財団法人長寿科学振興財団 HP
マンガン解説 「健康食品」の安全性・有効性情報 国立健康・栄養研究所 HP
(1)発見の歴史と微量栄養素としてのマンガン(バイオファクター研究のブレークスルー:「マンガン」)
J-STAGE
生体中の微量元素の役割 J-STAGE