★★★★★
ビタミンEは大きくトコフェロールとトコトリエノールに分けられます。
出典元
ビタミンE
一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所
ビタミンEの構造はクロマン環とフィチル側鎖から成り立っています。
側鎖が 単結合のみがトコフェロールで、二重結合が3つあるのがトコトリエノールです。
クロマン環の構造の違いによって、各々 α、β、γ、δ-体があります。
つまるところ、ビタミンEとは、4つのトコフェロールと4つのトコトリエノールのことです。
α-トコフェロール | α-トコトリエノール |
β-トコフェロール | β-トコトリエノール |
γ-トコフェロール | γ-トコトリエノール |
δ-トコフェロール | δ-トコトリエノール |
この8種類のビタミンE同族体を総称して「ビタミンE」です。
ただ、一般的にビタミンEと言えば、基本 α-トコフェロールのみのことを指します。
というのも、体内に存在するビタミンE同族体の大部分がα-トコフェロールだからです。←この理由はα-TTPにあります。
一般的にビタミン E とのみ表示されている場合には,α-トコフェロールのことを指すことが多い.その理由は,生体内には α-トコフェロールを選択的に輸送するタンパク質(alpha tocopherol transfer protein:αTTP)が存在するためである
引用元
トコトリエノールが生体内の様々な代謝に及ぼす影響について
PDFページ 1/4
J-STAGE
α-TTPは肝臓に存在するビタミンE特異的輸送タンパク質です。肝臓に取り込まれたビタミンEを再び血中へ放出する機能を果たしています。
α-TTPとの親和性はα-トコフェロールが一番高いです。
α-トコフェロールの親和性を100とすると、γ-トコフェロールは9、α-トコトリエノールは12ほどです。
α-TTPは優先的にα-トコフェロールと結合するので、「体内に存在するビタミンE同族体の大部分がα-トコフェロール」です。
ビタミンEはリポタンパク質と結合して血中を循環しています。
そのメカニズムは次です。
- 体内に取り込まれたビタミンEはリポタンパク質(←キロミクロン)と結合し、リンパを経て血中を循環します。
- キロミクロンはキロミクロンレムナントとして肝臓に取り込まれます。
- 取り込まれたビタミンEは、肝臓で合成されるリポタンパク質(←超低密度リポタンパク質VLDL)に組み込まれ、再び血中へと放出され、末梢組織に運搬されます。
α-TTPは、肝臓(肝細胞)に存在するビタミンE特異的輸送タンパク質で、「再び血中へと放出」する機能を果たします。
ビタミンEは、抗酸化(過酸化脂質生成抑制)・抗不妊・血流改善・免疫賦活 などの作用があることで有名です。
これらは、特に断らない限り、α-トコフェロールのもつ作用だと捉えてください。
ということで、「ビタミンEと言えば、基本 α-トコフェロール」です。
近年になり、α-トコフェロール以外の同族体も「ビタミンEとして【十分に】機能する」ことが判明しています。
特に、トコトリエノールは、ビタミンEというよりはイチ機能性成分として注目されるようになっています。
※ここでのトコトリエノールは4つのトコトリエノール同族体まとめてです。
食事摂取基準の検討会では、トコトリエノールは、食事摂取基準上でのビタミンEではないと位置付けられておりますので、トコトリエノールは機能性表示食品制度の対象であると理解しているということを、このビタミン、ミネラルに入る前に確認させていただきました。
引用元
機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会 第6回議事録
PDFDページ 10/34
消費者庁
トコトリエノールの機能として Na利尿作用、コレストロール低下作用、メラニン合成阻害作用、動脈硬化抑制作用、血管新生抑制作用、神経細胞保護作用があることが報告されています。
その後,トコトリエノールの機能として動脈硬化抑制作用,細胞増殖抑制作用 や血管新生抑制作用,神経細胞保護作用などが次々と報告されている.
引用元
トコトリエノールの代謝とその調節
PDFページ 2/2
J-STAGE
抗酸化作用に関しては、α-トコフェロールより強く、
一説ではα-トコフェロールの約50倍あるとされています。
スーパービタミンEの異名を持ちます。
そうであるにも関わらず、トコトリエノールはトコフェロールよりも高い抗酸化効果を発揮したり,トコフェロールにはない効果を発揮するとの報告が散在する.
引用元
トコトリエノールが生体内の様々な代謝に及ぼす影響について
PDFページ 1/4
J-STAGE
- α-トコフェロールにない作用を有する
- α-トコフェロールより抗酸化力が強い
ということで、トコトリエノールはビタミンE(α-トコフェロール)サプリと別に取っておくべき成分といえます。
トコトリエノールの供給源となるのはパーム油、米ぬか油、アナトーシードなどです。
パーム油由来には4種類のトコトリエノール同族体すべてが相当量含まれています。
他の供給源には欠けているもの(含まれていてもごくわずかなもの)があります。
パーム原油はトコトリエノール含量が高いことに加え、α-、β-、γ-およびδ-トコトリエノールの全種類を相当量含んでいます。一方、他の商業的なトコトリエノール供給源ついては、4 種類すべてのトコトリエノール異性体を含んだ複合体とは言えません(ある一定のトコトリエノール異性体が含まれていないか、含まれていてもごく僅かな量で構成されています)。
引用元
ビタミン E としてのトコトリエノールの研究を先導する EVNol SupraBio™
PDFページ 5/12
光洋商会
トコトリエノールの効果の研究報告の大多数がパーム油由来のトコトリエノールを用いて行われてきたとのことです。
トコトリエノールの有効性については、血圧低下、コレステロール低下、頚動脈狭窄、高脂血症、抗ガン、メラニン合成阻害活性による美白などの作用が報告されている。こうした研究論文のほとんどがパーム油由来のトコトリエノールによるもので、パーム油はとくに高い機能性が期待されるδ-トコトリエノールを多く含むとされる。
引用元
トコトリエノール
JAFRA:日本食品機能研究会
トコトリエノールの効果をできる限り得たいと考えたら、パーム油由来のものを選ぶのが無難といえます。
このサプリは、ExcelVite社の登録商標EVNol SupraBio ←パーム由来のトコトリエノール・トコフェロール複合体 です。
EVNol SupraBioの特徴は次です。
- 従来型トコトリエノール(パーム油抽出物)と比べ、個々のトコトリエノールの吸収率を平均250%向上させている。
- 市場に存在するトコトリエノール・トコフェロール複合体の中で唯一、実際のヒト組織分布研究がある。
トコトリノールは吸収率が低いです。ゆえに生物学的利用能が低いです。
EVNol SupraBioはトコトリエノールの欠点を克服するために開発された次世代型のトコトリエノールといえます。
さて、この商品を購入する際に、成分表示の見方にご注意ください。
iHerbでのJarrow FormulasのToco-Sorbの粒あたりの成分表示は次です。
ビタミンE(d-アルファトコフェロール) (EVNol SupraBio™(エヴァノールスープラバイオ)パームトコトリエノール – トコフェロール複合体由来) |
13mg(19 IU) |
パームトコトリエノール – トコフェロール複合体 (EVNol SupraBio™(エヴァノールスープラバイオ)) |
375mg |
トコトリエノール (d-アルファ、d-ベータ、d-ガンマ、d-デルタ) |
57mg |
この記載内容だと3つが別々に含まていることになります、もといなると思います。
EVNol SupraBioが375mgで、それとは別にビタミンE(α-トコフェロール)が13mg、EVNol SupraBioの以外のトコトリエノールが57mg含まれているといった感じです。
で、これまったくの誤解です。
Amazonで確認すると、そうではなくEVNol SupraBio 375mg中にトコトリエノールが57mg、ビタミンE(α-トコフェロール)が13mg含まれているといった内容です。
出典元
Jarrow Formulas Toco-Sorb トコソーブ トコトリエノールとビタミンEミックス ソフトジェル60粒
Amazon.co.jp
そもそも EVNol SupraBio 375mgという数字は、他のEVNol SupraBio配合商品と比較する上で、すごい邪魔となっています。
というのも他のEVNol SupraBio配合商品のだいたいは、EVNol SupraBioの総量を記載していません。
EVNol SupraBioに含まれているビタミンE(d-α-トコフェロール)とトコトリエノール複合体の量のみの記載となっています。
たとえば、Doctor’s Bestのこちらの商品
この商品のiHerbでの粒あたりの成分表示は次です。
トコトリエノール-トコフェロール複合体(EVNol SupraBio®[エヴァノールスープラバイオ])(レッドパーム油[アブラヤシ]含有成分:) | ||
ビタミンE(d-α-トコフェロール) | 13.4mg(20IU) | |
d-混合トコトリエノール(d-アルファ、d-ベータ、d-ガンマ、d-デルタトコトリエノール) | 50mg |
375mgという数字もあるせいか、一見すると、Jarrow FormulasのToco-Sorbのほうがものすごい多いような気がしますが、
EVNol SupraBioに含まれているビタミンE(d-α-トコフェロール)とトコトリエノール複合体の量はそこまで変わらないです。
ここで言いたかったのは、このことをちゃんと理解した上で買いましょうです。
なんやかんやで、Jarrow FormulasのToco-Sorbはコスパに優れた商品です。
iHerbでの【1粒あたりの単価】は、レビュー作成時では、Doctor’s Bestのが約30円、Jarrow FormulasのToco-Sorbのが約33円です。
【1粒あたりの単価】はDoctor’s Bestに分がありますが、Jarrow FormulasのToco-Sorbのほうが1粒あたりのトコトリエノール複合体の量が7mg多いです。
【1円あたりの配合量】はDoctor’s Bestのが1.67mg(50mg÷30円)、Jarrow FormulasのToco-Sorbのが1.72mg(57mg÷33円)です。
ということで、トコトリエノールを求めている方にとって、有力な選択肢の1つとなる商品です。
参照一覧
トコトリエノールが生体内の様々な代謝に及ぼす影響について
J-STAGE
トコトリエノールの代謝とその調節
J-STAGE
ビタミン E 特異的輸送タンパク質 α-TTP による体内ビタミン E レベルの制御
公益社団法人日本生化学会
ビタミンE
一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所
トコトリエノール
一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所
ビタミンEとは?
公益社団法人ビタミン・バイオファクター協会
ビタミン E としてのトコトリエノールの研究を先導する EVNol SupraBio™
光洋商会
EVNol SupraBio™(エヴァノール・スープラバイオ)
光洋商会
EVNol SupraBio™
ExcelVite
.
※レビューの内容について
→個人の見解です。