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L-カルニチンは長鎖脂肪酸をミトコンドリア内に運搬する役割を果たします。
それゆえ、「脂肪を燃焼させる」において絶対に不足させてはならない成分です。
ダイエットを成功させるならば、意識して取るように、なるべくならサプリで取るようにしてください。
さて、L-カルニチンのサプリの原料は主に3つあります。
カルニチンサプリには、アセチルL-カルニチンもあります。今回はL-カルニチンのみにフォーカスしています。
L-カルニチンそのものの結晶粉末(フリー体)、L-カルニチンフマル酸塩、L-カルニチンL-酒石酸塩の3つです。
そのうち主流は、L-カルニチンフマル酸塩 と L-カルニチンL-酒石酸塩となっています。
この2つの違いについて軽く説明します。
※このレビューでは、酒石酸塩の前の「L 」がついていたり ついていなかったりします(紹介する商品の成分表示や引用元の都合で)。気にしないでください。
まず前提として、L-カルニチンは吸湿性が高いです。それゆえ、安定性が低い物質です。
フマル酸および酒石酸を配合することで、吸湿性の高さが改善されています。
ということで、
両者とも【L-カルニチンの吸湿性を押さえ、安定化させている】です。
そのうえで、
L-カルニチンL-酒石酸塩 は L-カルニチンフマル酸塩 と比べて L-カルニチンを多く含有しています。
L-カルニチンL-酒石酸塩 中にはL-カルニチンが66.7~70.7% 含まれる
条件(粒あたりの量・粒数・価格)が同じぐらいであれば、約10%多い L-カルニチンL-酒石酸塩を選ぶべきです。
ただ同条件というケースは稀です。
基本、L-カルニチンフマル酸塩の場合は総量とカルニチンの量で、
L-カルニチンL-酒石酸塩は総量のみで成分表示されています。
具体例を出します。
今回レビューしたこちらの商品の 1粒あたりの成分表示は次です。
L-カルニチンフマレート(収量500 mgのL-カルニチン) 855 mg
.
L-カルニチン酒石酸塩 500mg
L-カルニチンフマル酸塩の場合は総量(855mg)を記載し、かつ カルニチンの含有量(500mg)も記載しています。
L-カルニチン酒石酸塩の場合は総量(500mg)のみの記載です。このうちの66.7~70.7%がカルニチンの量となります。
「500mg」という数値にフォーカスすると、
L-カルニチンフマル酸塩のほうはカルニチンの量で、
L-カルニチン酒石酸塩のほうは総量です。
カルニチンの量で比較する場合は、単位を合わせて比較する必要があります。
それでは、先ほどの2つの商品をカルニチンの量で比較してみましょう。
◆前者(Doctor’s Best L-カルニチンフマル酸) は
総量855mg カルニチンの量 500mg/粒 60粒入りで約1820円
◆後者(EVLution Nutrition, L-カルニチン500) は
総量500mg カルニチンの量 350mg/粒 120粒入りで約1890円
※カルニチンの量70%と推定
ということで、同じ値段ぐらいでも前者のほうが含有量が多く・・
って粒数が2倍違うじゃん!!
そうなると・・・
アレっ 後者のほうがお得なような・・・
お得なような・・・ではなく間違いなくお得ですよね~
予定では「L-カルニチンフマル酸塩のほうがお得ですよ!」
で着地するはずだったんですけど・・・
・・・・・
・・・・・
え~と
どうにかこうにか、L-カルニチンフマル酸塩 > L-カルニチン酒石酸塩 にもっていきたいので、
とりあえず、L-カルニチンフマル酸塩の良いところ(L-カルニチン酒石酸塩の悪いところ)を探してみました。
①酒石酸って悪いやつ?
酒石酸って下痢作用がある みたいなんです。
その作用により胃腸での不快な副作用を引き起こす可能性がある みたいなんです。
フマル酸は、飲料およびベーキングパウダーの調製における、その下痢作用により胃腸にて不快な副作用を引き起こす可能性のある酒石酸、ならびに果汁飲料におけるクエン酸の両方の代替品として使用される。
引用元
特許公報(B2)_フマル酸のカルニチンおよびアミノ酸との複塩ならびにその塩を含有する食品補助剤、栄養補助剤および薬剤
NBDC
フマル酸の場合は胃腸での不快な副作用がない みたいなんです。
L−カルニチン酸フマル酸塩は、事実、極めて安定しており、胃腸での副作用を誘発することもなく、さらにL−カルニチンの吸湿性を解決するために開発された非吸湿性の塩でもある、L−カルニチン酒石酸の湿気耐性特性よりもさらに優れた特性を示す。
引用元
特許公報(B2)_フマル酸のカルニチンおよびアミノ酸との複塩ならびにその塩を含有する食品補助剤、栄養補助剤および薬剤
NBDC
※「みたい」って表現しているのは、自身は L-カルニチン酒石酸塩をとって腹が痛くなったことがないからです。
原料が L-カルニチン酒石酸塩の L-カルニチンサプリを取っていて、胃腸に不快感を感じたら L-カルニチンフマル酸塩に代えてみるのも一つの手です。
もしかしたら(胃の不快感の原因が L-カルニチン酒石酸塩によるものであったら)改善される可能性があります。
ちなみに、まったく真逆の情報 (酒石酸は腸内環境を整える)もあります。
酒石酸は体内での吸収が悪いため腸まで届き、腸内細菌群のバランスを整えます。それによってビフィズス菌をはじめとする善玉菌が増え、腸内環境が整うというわけです。
引用元
白ワインは低糖質 しかも赤より殺菌効果が強力だった
NIKKEI STYLE
②フマル酸はクエン酸回路の中間体
フマル酸ってクエン酸回路の中間体です。
iHerbの商品説明を読むと、L-カルニチンフマル酸塩ってフマル酸の供給にもなるっぽいです。
Fumarate is a naturally occurring compound in the body. Fumarate serves as an intermediate in the Krebs cycle, a key energy-producing process that takes place in mitochondria.
引用元
Doctor’s Best, Biosintカルニチン配合 L-カルニチンフマル酸、855 mg、植物性カプセル 60粒
iHerb.com
であるならば、エネルギー代謝を促進させるので、L-カルニチンフマル酸塩のほうは脂肪燃焼効果がさらに高まると思われます。
ちなみに、体内に酒石酸が多量に存在するとクエン酸回路は機能しなくなる(酒石酸はリンゴ酸によく似た構造をもっているためリンゴ酸の生成を阻害する)みたいです。
この著書「おなかのカビが病気の原因だった」にそのような内容の記載があります←プレビューできる部分に記載あり。
③BiosintのHPのコメントにて
このDoctor’s Best L-カルニチンフマル酸 の原料は Biosintです。
BiosintのHPを覗いたら L-カルニチンフマル酸塩とL-カルニチン酒石酸塩 について次のようにコメントしていました。
L-Carnitine Fumarate
This is the most stable and bioavailable of all carnitine salts. It contains about 58% of active ingredient and is particularly suitable for the formulation of gel capsules, tablets and soluble granulate sachets.L-Carnitine Tartrate
The product contains about 68.7% of active ingredient. It is a highly stable salt, ideal for tablets, capsules and sachet formulations requiring a high concentration of active ingredient.引用元
NUTRACEUTICAL BIOSINT CARNITINES TM
BiosintSpA
【This is the most stable and bioavailable of all carnitine salts.】
これは、すべてのカルニチン塩の中で最も安定していて生物学的に利用可能です。
このコメントより 生物学的利用能の点において
L-カルニチンフマル酸塩 > L-カルニチン酒石酸塩 でいいのかな~って気がします。。
今回レビューした商品は、L-カルニチンフマル酸塩を原料としているL-カルニチンサプリのうち、iHerbの中でコスパNo.1です(たぶん)。
ということで、これが最も総合力の高い L-カルニチンサプリ だと勝手に思っています。
参照一覧
製品案内 L-カルニチン
ILS
ダイエット成分のカルニチン、ヒットの兆し ゼリー飲料、ペット飲料、サプリなどが幅広く登場
日経メディカル
公開特許公報(A)_カルニチン含有製剤
NBDC
特許公報(B2)_フマル酸のカルニチンおよびアミノ酸との複塩ならびにその塩を含有する食品補助剤、栄養補助剤および薬剤
NBDC
NUTRACEUTICAL BIOSINT CARNITINES TM
BiosintSpA
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※レビューの内容について
→個人の見解です。