オルニチンの評価 S
オルニチン
遊離アミノ酸の1種
遊離アミノ酸とは、たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸に含まれないアミノ酸のことを言います。
遊離状態で細胞内・血液中など、いたる所に存在しているアミノ酸のことを言います。
オルニチンは遊離アミノ酸です。
経口摂取されたオルチニンは腸で吸収され、血液中を循環した後に肝臓・腎臓・筋肉などの組織に移行します。
体内で合成 可
オルニチンは尿素回路やクレアチン経路を構成する成分です。それらの代謝過程で生成されます。
尿素回路は後ほど 効果・効能欄で詳しく説明します。
尿素回路においてのオルニチンの生合成を一言でいえば、アルギニンからアルギナーゼの作用により合成されるです。
クレアチン経路は次の代謝経路です。 ①アルギニン+グリシン ②グアニジノ酢酸+S-アデノシルメチオニン ①腎臓でアルギニンとグリシンを原料に、酵素【グリシンアミジノトランスフェラーゼ】の作用によりグアニジノ酢酸を生成されます。この反応でオルニチンが生成されます。 ②肝臓でグアニジノ酢酸+ S-アデノシルメチオニンを原料に、酵素【グアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ】の作用によりクレアチンが生成されます。 オルニチンの主な生理機能は の4つです。 これら生理機能をもつオルニチンを摂取することで などの効果を得ることができます。 次の効果・効能では①尿素回路の活性と③ポリアミンの合成に関与について説明します。 アミノ酸は主に体たんぱく質の合成に使われます。
→ グアニジノ酢酸+オルニチン
→ クレアチン+S-アデニルホモシステインオルニチンの働き
オルニチンの効果・効能
尿素回路の活性
たんぱく質(アミノ酸)の供給が過剰となった時や糖質が枯渇している状態(激しい運動時や絶食時)にアミノ酸は異化によってエネルギー源として利用されます。
アミノ酸が分解される際に、有害なアンモニアが生じます。
生じたアンモニアは、尿素回路に組み込まれ無害な尿素に変えられ排出されます。
尿素回路の流れは次です。
出典元
運動中のセカンドウインド促進のための骨格筋代謝産物の除去に対するアミノ酸摂取効果
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
尿素回路は肝細胞のミトコンドリアと細胞質(上のイラスト 空白部分)にまたがって存在しています。オルニチンとシトルリンはミトコンドリア内膜にある特異的な輸送担体を介してミトコンドリアと細胞質を移動できます。
肝細胞 ミトコンドリアのマトリックス内で
- ①アンモニア+二酸化炭素(+ATP)→カルバモイルリン酸
アンモニアと二酸化炭素が反応し、カルバモイルリン酸が生成される。
この反応を触媒する酵素はカルバモイルリン酸シンテターゼⅠ。 - ②カルバモイルリン酸+オルニチン→シルトリン
カルバモイルリン酸とオルニチンが反応し、シトルリンが生成される。
この反応を触媒する酵素はオルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ。
肝細胞 細胞質に移動
- ③シトルリン+アスパラギン酸(+ATP)→アルギニノコハク酸
シトルリンがアスパラギン酸と反応し、アルギノコハク酸が生成される。
この反応を触媒する酵素はアルギ二ノコハク酸シンテターゼ。 - ④アルギニノコハク酸→アルギニン(+フマル酸)
アルギノコハク酸が切断され、アルギニンとフマル酸が生成される。
この反応を触媒する酵素はアルギニノコハク酸リアーゼ。なおフマル酸はリンゴ酸になって糖新生に利用される。 - ⑤アルギニン→オルニチン+尿素
アルギニンが加水分解され、オルニチンと尿素が生成される。オルニチンはミトコンドリアに入り尿素回路で再利用される。尿素は肝臓から腎臓に運ばれ尿として排出される。この反応を触媒する酵素はアルギナーゼ。
.
簡略すると尿素回路は →オルニチン→シトルリン→アルギニン→ という順に回転しているサイクルです。
ご存知の通り、アンモニアはエネルギー産生を阻害する疲労物質です。
尿素回路が円滑に回らなければ、アンモニアは体内で増え、疲労が蓄積します。
特に中枢性疲労(脳が中心となって感じる疲労)の原因となります。
逆に言うと 尿素回路が円滑に回れば、疲労の蓄積を防ぐことができるといえます。
尿素回路を活性化させる成分は、構成成分である3つのアミノ酸【オルニチン・シトルリン・アルギニン】です。
オルニチンを摂取することで、肝臓にある尿素回路が活性化され、アンモニアの解毒が亢進され、疲労回復効果を得ることができます。
出発物質となっているオルニチンは特に重要と言っていいかもしれません。尿素回路の別名がオルニチン回路であることからもそう思います。
ポリアミンの合成に関与
ポリアミンは細胞内で主にRNAと結合しその立体構造を変化させることで、たんぱく質の合成を翻訳レベルで促進しています。ポリアミンを一言でいうと「細胞分裂や細胞増殖に必要不可欠な物質」や「細胞の新陳代謝を正常に行うための必須の成分」です。なので体内におけるポリアミンの増加は若さや健康の維持に、減少は老化や病気の促進につながるといえます。
体内には20種類以上のポリアミンが存在しています。代表的なポリアミンはプトレスシン・スペルミジン・スペルミンです。
ポリアミンはアルギニンを原料に2つの経路から生成されます。
図 2. ポリアミンの合成経路出典元
オリザポリアミン
製品案内 オリザ油化(株)
- アルギニン→オルニチン (アルギナーゼの働きが必要)
- オルニチン→プトレスシン (オルニチンデカルボキシラーゼの働きが必要)
- プトレスシン→スペルミジン(スペルミジンシンターゼの働きが必要)
- スペルミジン→スペルミン (スペルミンシンターゼの働きが必要)
※プトレスシン→スペルミジン、スペルジミン→スペルミンの代謝ではもう一つの基質が必要となります。それが脱炭酸化SAM(S-アデノシルメチオニン)です。脱炭酸化SAMはメチオニン→S-アデノシルメチオニン→という流れで作られます。
※ポリアミンの生成経路はもっと複雑です。かなり簡略しています。
ご覧の通り
1つはオルニチンを介する経路で、もう1つはアグマチンを介する経路です。
ということで、オルニチンはプトレスシンの基質としてポリアミンの合成に関与しています。
先ほど「ポリアミンの増加は若さや健康の維持に、減少は老化や病気の促進につながる」と述べました。
ここでのまとめは
.
です。
と、ここで終われれば、ベストなのですが、残念なお知らせが2つあります。
残念なお知らせ その1
もう一度出典元の代謝経路をご覧ください。
オルニチンを介した経路はアルギニン→オルニチン→プトレスシン→スペルミジン→スペルミンといった流れとなっています。
オルニチンより先の各代謝を触媒する酵素は次になります。番号は代謝順です。
- オルニチンデカルボキシラーゼ オルニチン→プトレスシン
- スペルミジンシンターゼ プトレスシン→スペルミジン
- スペルミンシンターゼ スペルミジン→スペルミン
残念ながら①~③の酵素の活性は加齢とともに低下します。
とくに②スペルミジンシンターゼと③スペルミンシンターゼは高齢になると著しく低下するとされています。
なので高齢者がオルニチンが取ることで合成できるポリアミンは、基本「プトレスシン」までと考えたほうがよいと思われます。
ODC 活性は適切な刺激があると活性化されるが,加齢とともに低下したスペルミジンおよびスペルミン合成酵素を活性化させる刺激などは不明である.すなわち,アルギニンやオルニチンを高齢者や高齢の哺乳類に投与するとジアミンであるプトレスシンまでは合成されるが,ポリアミンの合成が刺激されるわけではない
引用元
高ポリアミン食による哺乳類のアンチエイジング
J-STAGE
そもそもオルニチンを摂取して合成されるプトレスシンすらも そう多くは期待できないと思います。
著しくは低下せずともオルニチンデカルボキシラーゼの活性も加齢とともに減るからです。
残念なお知らせ その2
先ほどポリアミンは20種類以上あり、代表的なポリアミンはプトレスシン・スペルミジン・スペルミンといいました。
そもそもなぜこれらがポリアミンと呼ばれるのかというと、分子中に複数のアミン(NH₂)が含まれているために「polyamine」です。
※poly (ギリシャ語で複数の意味)
出典元
オリザポリアミン
製品案内 オリザ油化(株)
プトレスシンには2個、スペルミジンには3個、スペルミンには4個のアミンが存在します。
ポリアミンの定義は今でこそ2個以上のアミン基になっていますが、もともとは3個以上もつものです。
なのでアミンが2個のプトレスシンは、ジアミン(ジは2個の意味)と呼ばれ、ポリアミンと区別されることもあります。
つまるところプトレスシンは他2つと比べ「ポリアミン」としての生理活性があまり期待できないといえます。
ポリアミンには、主として「プトレッシン」、「スペルミジン」、「スペルミン」の3種類が存在します。 これらは、プトレッシン→スペルミジン→スペルミンの順に生体内で合成され、また逆の経路で分解されます。一方、活性の強さはその逆で、スペルミン→スペルミジン→プトレッシンの順番になります。
ポリアミンについて
ビフィズス菌LKM512
メイトー 協同乳業(株)
ポリアミン(プトレスシン)を増やせるだけでも万々歳と考えてください
ということで 改めてここでのまとめをすると
.
です。
番外編 ポリアミンについてもう少し
納豆に多く含まれるポリアミン
ポリアミンの特徴として分子量が200程度と非常に小さいことが挙げられます。
なので 食べ物中のポリアミンを摂取すると、分解されることなく腸へ届きそのままの形で吸収され、体内の臓器や組織へ行き届きます。特にスペルミンとスペルミジンは、ほとんどがそのままの分子の形で体内に吸収されます。なぜなら体内でスペルミンとスペルミジンを分解する酵素が存在していないからです。
プトレスシンを分解する酵素は存在します。そのため食品中のプトレスシンは一度分解されて、体内で再び合成される過程を経ています。プトレスシンに再合成されるのは摂取したプトレスシンの3割程度とされています。
ちなみにポリアミンを多く含んでいる食べ物は発酵食品です。
発酵食品の中でも納豆がポリアミンの供給源としてベストだと思います。
丸大豆納豆で平均7.0μg/g、ひきわり納豆では16.2μg/gの量のポリアミン(プトレスシン)が含まれています。
丸大豆納豆で平均56.1μg/g、ひきわり納豆では75.2μg/gの量のポリアミン(スペルミジン)が含まれています。
丸大豆納豆で平均10.3μg/g、ひきわり納豆では9.4μg/gの量のポリアミン(スペルミン)が含まれています。
参照した研究年報には味噌中の含有量の記載もありますが、スペルミジンとスペルミンにおいてはその差が歴然としています。
実験によっても納豆がポリアミンを増やすことが証明されています。
健康な成人男性に平均納豆50g~100g(1~2パック)を1カ月間摂取続けてもらったところ、その1カ月後(2カ月後)被験者ほぼ全員の血中のポリアミン濃度が上がった。
参照
アンチエイジングの本命=高ポリアミン食
全国納豆協同組合連合会 納豆PRセンター
腸内細菌により作られるポリアミン
腸管内で複数の腸内細菌の代謝経路を経由してポリアミン(プトレスシン)が生成されます。
ポリアミンは複数の腸内細菌の代謝経路を経由して生成されます。
生成メカニズムは少し複雑なのですが、
簡略すると【アルギニンからアグマチンを経由してプトレスシンを生合成】する代謝経路となります。
この代謝経路はビフィズス菌などの酸生成菌が生成する「酢酸」や「乳酸」などにより作動されます。
アルギニンにビフィズス菌などの善玉菌を投与すると腸内のポリアミン濃度が高まるとのことです。
出典元
ビフィズス菌LKM512とアルギニンでおなかで増えるポリアミン
メイトー協同乳業(株)
「ビフィズス菌LKM512」が腸内で作る酸(酢酸・乳酸)が刺激となり、大腸菌などの一部の腸内常在菌が身を守るため、腸に届いた「アルギニン」を利用して耐酸性システムを発動します。その際に副産物として「アグマチン」が菌体外に放出されます。
アグマチンは主要な腸内常在菌であるフェカリス菌にとっては有用な物質で、取り込まれてエネルギー産生に利用されます。その結果、副産物としてポリアミンの一種である「プトレッシン」が放出されるのです。引用元
ビフィズス菌LKM512とアルギニンでおなかで増えるポリアミン
メイトー協同乳業(株)
上の腸内細菌の話は、大腸腸管に棲息している腸内細菌のことです。
通常のアルギニンサプリのそのほとんどは大腸に到着する前に小腸で吸収されます。
ポリアミンを増やす目的でアルギニンサプリを取るのならば大腸まで送達するタイプがベストです。
大腸まで届くタイプのアルギニンサプリが2020年5月20日にBABY&MEより販売されています。
1)腸まで届くアルギニン
4層構造の特殊コーティング(特許第6435179号)で腸まで届くアルギニンタブレットです。アルギニンを腸まで届けることでポリアミンがつくられることが、協同乳業と理化学研究所の研究グループによって見出されています(特許第5881801号)。アルギニンCDTはこれらの特許を使用し、サプリメントとしてお届けできるようになりました。新製品「アルギニンCDT」販売開始しました
BABY&ME
株式会社パートナーズ
ポリアミンを増やすには・・・結論
②食品に含まれているポリアミン
③大腸の腸内細菌でアルギニン→アグマチンを介して生成されるポリアミン
加齢とともに酵素が不活性するので①からは減少します。
②や③からの供給が重要となります。
③は【ビフィズス菌LKM512など+大腸まで届くアルギニン】といった条件がつきます。
ということで
結論が納豆って・・・
びよ~ん
ぽろり~ん
オルニチンのサプリメントによくあるキャッチフレーズ集
- お酒をよく飲むかたにおすすめ
- シジミに多く含まれる肝臓に良い成分
- 成長ホルモンに関与
- 若々しくありたいかたにおすすめ
- 筋肉トレーニングをしている方やダイエットをしている方の味方
オルニチンの摂取量、不足、過剰
食品会社やサプリメーカーが設定している目安摂取量です。
ここで逆の視点で考えます。補給しないとどうなるかです。
暴飲暴食や激しい運動などにより体内にアンモニアが蓄積されると、肝臓での解毒に多量のオルニチンを要します。オルニチンが足りないとアンモニアの処理がスムーズにいかなくなります。その結果、疲労が溜まります。
加齢とともに肝機能が低下すると(暴飲暴食や激しい運動などをしなくとも)同様の結果を招きます。
ということで、オルニチンの補給は常に意識すべきといえます。
オルニチンの豆知識
シジミ100gあたりにオルニチンは10~15㎎含まれています。100gの目安は35個です。
ちなみにシジミを冷凍保存するとオルニチンの含有量は8倍UPするとのことです。
オルニチンの睡眠改善効果はグリシンより強力とされています。が、短い時間に限定されている&摂取量が多すぎると逆効果という欠点もあります。
また,健康アミノ酸として市販されているオルニチン(ornithine) も,経口投与でマウスのノンレム睡眠を増加させる.その効果は,睡眠改善 サプリメントとして市販されているグリシン(glycine, 商品名グリナ)よりも強力だが,服用後の比較的短い時間に限定され,用量を増加すると逆に睡眠を阻害する.
引用元
睡眠の調節メカニズムと睡眠 を制御する食品成分
J-STAGE
オルニチンと相性の良い栄養成分
・アルギニン
・シトルリン
・リジン
オルニチンのレーダーチャート解説
- 6
このカテゴリーに効果があることで有名。即効性があったり、継続して摂取することで効果を感じる - 5
このカテゴリーに効果があることで有名。継続して摂取することでなんとなく効果を感じる - 4
このカテゴリーに効果があるといわれている。効果が得られることを期待して飲んでいる - 3.5
このカテゴリーに効果があるといわれているが、個人的に摂取目的としていない - 3
このカテゴリーになんらかの効果があるもの - 2
このカテゴリーとはあまり関係ないと思われる - 1
このカテゴリーとは関係ないと思われる
※4以上が摂取目的となっているカテゴリー
オルニチン総合評価 S 17.5
5つのカテゴリーのうち、評価が高い上位3つのカテゴリーを足したものです。「B~SS」でつけています。
SS 18点
S 16点以上
A+ 14点以上
A 12点以上
B+ 10点以上
B 9点以下
髪(薄毛)評価5
ポリアミンは細胞の分化・増殖において重要な役割を担っている物質です。細胞分裂が盛んな毛根の細胞(毛母細胞・毛乳頭細胞)にもたくさん存在しており、その細胞分裂を促進させる働きをします。オルニチンはポリアミンの前駆体です。
肌(美肌)評価5
オルニチンは次の理由より、美肌づくりに貢献します。
- 肌細胞の新陳代謝
オルニチンは細胞分裂を活発にさせる「成長ホルモン」の分泌を促す働きをします。また細胞内に存在し細胞の分化・増殖に重要な役割を果たす「ポリアミン」の前駆体でもあります。
なので、肌の細胞の新陳代謝にも貢献している成分といえます。事実、オルニチン摂取がシワやかさつきの改善になることが研究により確認されています。 - プロリンの合成に関与
プロリンおよびヒドロキシプロリンはコラーゲンの合成の促進させる・コラーゲンの構造を安定させる・コラーゲンを修復させる働きもします。
ヒドロキシプロリン コラーゲンのポリペプチド鎖にプロリンとして組み込まれた後に 酵素プロリンヒドロキシラーゼにより水酸化されたのがヒドロキシプロリン。プロリンは肝臓や小腸においてオルニチンから生合成されます。
つまるところオルニチンはコラーゲンの合成に関わる成分といえます。
体型(ダイエット)評価5.5
オルニチンは次の理由から、ダイエット効果が高い成分と言えます。
- 脂肪分解酵素を活性化(by 成長ホルモンの分泌促進)
運動時や空腹時=体内に糖質が不足している時に脂肪は分解されます。脂肪細胞内にある脂肪分解酵素の働きにより脂肪が脂肪酸とグリセリンに分解されます。この脂肪酸が燃焼されることが「脂肪が減っていく」ことになります。脂肪分解酵素は脂肪からエネルギーを必要とするときに「脂肪動員ホルモン」が分泌されると活性されます。
脂肪動員ホルモンの一つが成長ホルモンです。成長ホルモンが分泌されると脂肪分解酵素が活性され脂肪の分解が促進されます。
オルニチンは成長ホルモンの分泌を促す働きがあります。 -
脂肪分解酵素を活性化(by プロリンの合成)
上記で脂肪動員ホルモンを分泌させることが脂肪分解酵素を活性化させると述べました。アミノ酸の中にも脂肪分解酵素を活性させる働きをもつものがあります。それはアルギニン・アラニン・リジン・プロリンの4つです。オルニチンは体内のプロリン合成において重要な基質となります。
体力(普段)評価6
疲労物質のアンモニアは、尿素回路にて無毒な尿素に変換されます。オルニチンは尿素回路の構成成分です。オルニチンを摂取することでアンモニアの分解が亢進され、疲労回復効果を得ることができます。
またストレス軽減効果も期待できます。オルニチンにコルチゾール分泌量の上昇を抑制する働きがあるからです。
副腎皮質から分泌されるホルモンの一つコルチゾールはストレスを受けた時に分泌量が増えます。そのため「ストレスホルモン」の異名をもちます。実験によりオルニチンには唾液中のコルチゾールの量を抑えることが判明されています。
津田教授の実験では「TSST」と呼ばれるストレステストの後、ストレスを感じると分泌される唾液中のホルモン物質「コルチゾール」の量を調査した。結果として、オルニチンを摂取していたグループの方が、プラセボ(偽薬)を摂取したグループよりも分泌量をおさえられたという。
引用元
オルニチンに「ストレス軽減効果」あり 睡眠改善の可能性も
J-CASTトレンド
(株)ジェイ・キャスト
その他(成長ホルモン)評価6
成長ホルモンが分泌されると次の作用を得ることができます。
- たんぱく質合成が促される
- 細胞分裂が促進される
- 糖質・脂質の代謝が促進される
そのため成長ホルモンの分泌を促進する成分を取ることで筋肉増強・薄毛予防・肌質改善・ダイエットなどさまざまな美容・健康効果が期待できます。オルチニンはそのうちの一つです。
オルニチンを摂取することで成長ホルモンの分泌が促進されることが研究により証明されています。
オルニチン 参照一覧
オルニチン J-STAGE
オルニチン研究会 協和発酵バイオ(株)
高ポリアミン食による哺乳類のアンチエイジング J-STAGE
ポリアミンの生理機能解析とその濃度調節機序 J-STAGE
用語解説 J-STAGE
必須アミノ酸, 非必須アミノ酸 その二つを分けるもの J-STAGE
褥瘡 J-STAGE
運動中のセカンドウインド促進のための骨格筋代謝産物の除去に対するアミノ酸摂取効果 KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
アルギニンの機能特性とエナジー系食品の利用効果 味の素ヘルシーサプライ(株)
協和発酵バイオの健康成分研究所 協和発酵バイオ(株)