アルギニンの評価 SS
アルギニン
たんぱく質
たんぱく質は5大栄養素の1つです。
そのうち糖質・脂質とともに生命維持&身体活動に必須の3大栄養素と呼ばれています。
たんぱく質は筋肉、臓器、皮膚、骨、髪、血液などの材料となっています。
アミノ酸
摂取したたんぱく質は、消化・分解されてペプチドに、さらにアミノ酸まで分解された後に吸収されます。
【人間の体を構成するたんぱく質=体たんぱく質】は主に20種類のアミノ酸が数十~数百個以上結合し、複雑に組み合わさることで作られます。
組み合わせが違うため、たんぱく質の形・性質・働きが異なっています。
たんぱく質(アミノ酸)は体たんぱく質以外にもホルモン、酵素、抗体などの材料にもなります。
またたんぱく質(アミノ酸)の供給が過剰となったときには、エネルギーとして利用されます or 脂肪として蓄積します。
アルギニンは非必須アミノ酸
たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸は、9種類の必須アミノ酸と11種類の非必須アミノ酸に分けられています。
必須アミノ酸(9種類)
ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、バリン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン
非必須アミノ酸(11種類)
アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、システイン、プロリン、セリン、チロシン
.
必須アミノ酸は体内で合成することができません。食事などから摂取する必要があります。
非必須アミノ酸は体内で合成することができます。主に解糖系やクエン酸回路の中間体より合成されます。
アルギニンは非必須アミノ酸に分類されます。
子供にとっては必須アミノ酸
アルギニンはクエン酸回路の中間体「α-ケトグルタル酸」から合成されます。
※グルタミン酸→オルニチンの「→」の流れは簡略しています。
といった流れで体内で合成されます。
オルニチン→シトルリン→アルギニンの流れは尿素回路の一部です。アルギニンは「尿素回路の代謝物として合成される」でよく知られています。
尿素回路については効果・効能欄で説明します。
アルギニンは合成できる のですが、
「成長期では、成長に必要な量が合成できる量では十分ではない」ため子供にとっては必須アミノ酸とされています。
なので準必須アミノ酸や条件付き必須アミノ酸と呼ばれています。
アルギニンの生理機能
アルギニンには、(体たんぱく質の材料となる以外に)さまざまな生理機能があります。有名なところをざっとあげると以下です。
- アンモニアの解毒と尿素の合成促進→尿素回路の活性
- NO(一酸化窒素)の産生
- 成長ホルモンの分泌促進
- コラーゲンの合成促進
- ポリアミンの産生に関与
次の効果・効能欄で上3つを説明します。
アルギニンの効果・効能
尿素回路の活性
アルギニンは尿素回路にて、オルニチンおよびシトルリンから作られます。
ここで尿素回路について簡単に説明します。
尿素回路
アミノ酸は主に体たんぱく質の合成に使われます。
たんぱく質(アミノ酸)の供給が過剰となった時や糖質が枯渇している状態(激しい運動時や絶食時)にアミノ酸は異化によってエネルギー源として利用されます。
糖質が枯渇している状態では体を構成しているたんぱく質(主に筋肉)が分解され、生じたアミノ酸がエネルギー源となります。
アミノ酸が分解される際に、有害なアンモニアが生じます。
生じたアンモニアは、尿素回路に組み込まれ無害な尿素に変えられ排出されます。
尿素回路の流れは次です。
出典元
アミノ酸の効果:肝機能改善
協和発酵バイオの健康成分研究所
協和発酵バイオ(株)
出典元の色【アンモニア オルニチン シルトリン アルギニン 尿素】にリンクさせて尿素回路(オルニチン回路)の流れを説明します。
※尿素回路は肝細胞のミトコンドリアと細胞質にまたがって存在しています。オルニチンとシトルリンはミトコンドリア内膜にある特異的な輸送担体を介してミトコンドリアと細胞質を移動できます。
肝細胞 ミトコンドリアのマトリックス内で
- ①アンモニア+二酸化炭素(+ATP)→カルバモイルリン酸
アンモニアと二酸化炭素が反応し、カルバモイルリン酸が生成される。
この反応を触媒する酵素はカルバモイルリン酸シンテターゼⅠ。 - ②カルバモイルリン酸+オルニチン→シルトリン
カルバモイルリン酸とオルニチンが反応し、シトルリンが生成される。
この反応を触媒する酵素はオルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ。
肝細胞 細胞質に移動
- ③シトルリン+アスパラギン酸(+ATP)→アルギニノコハク酸
シトルリンがアスパラギン酸と反応し、アルギノコハク酸が生成される。
この反応を触媒する酵素はアルギ二ノコハク酸シンテターゼ。 - ④アルギニノコハク酸→アルギニン(+フマル酸)
アルギノコハク酸が切断され、アルギニンとフマル酸が生成される。
この反応を触媒する酵素はアルギニノコハク酸リアーゼ。なおフマル酸はリンゴ酸になって糖新生に利用される。 - ⑤アルギニン→オルニチン+尿素
アルギニンが加水分解され、オルニチンと尿素が生成される。オルニチンはミトコンドリアに入り尿素回路で再利用される。尿素は肝臓から腎臓に運ばれ尿として排出される。この反応を触媒する酵素はアルギナーゼ。
.
簡略すると尿素回路は →オルニチン→シトルリン→アルギニン→ という順に回転しているサイクルです。
さてご存知の通り、アンモニアはエネルギー産生を阻害する疲労物質です。
尿素回路が円滑に回らなければ、アンモニアは体内で増え、疲労が蓄積します。
特に中枢性疲労(脳が中心となって感じる疲労)の原因となります。
逆に言うと 尿素回路が円滑に回れば、疲労の蓄積を防ぐことができるといえます。
尿素回路を活性化させる成分は、構成成分である3つのアミノ酸です。
ゆえにアルギニンには【尿素回路を活性化させることで】疲労回復効果が期待できます。
NO(一酸化窒素)の産生
血管内皮細胞より産生されるNO(一酸化窒素)は血管拡張作用や血小板凝縮抑制作用を有する生理活性物質です。
丸全体を血管・一番外側の赤ラインを血管壁・中央の白部分を血液とイメージしてください。
肌色部分が血管外膜、ピンク部分が中膜、緑のラインが内膜です。血管内皮細胞は内膜にあります。
NOサイクルとは【→アルギニン→シトルリン→アルギノコハク酸→】の順に代謝されるサイクルです。
出典元
動脈硬化とアルギニン,シトルリン
公益社団法人日本生化学会
NOサイクルのアルギニン→シトルリンの代謝において、アルギニンがNOS(一酸化窒素合成酵素)と結びつくことでNOが産生されます。
出典元のアルギニン→シトルリンは アルギニン【とNADPHと酸素】を基質にしてNOSの働きにより シトルリンとNOを産生しているといった流れです。
NOS(一酸化窒素合成酵素)には内皮型(eNOS)、誘導型(iNOS)、 神経型(nNOS)の3種類が存在しています。
3つは存在している場所が異なります。
- 内皮型(eNOS)・・・血管内皮細胞
- 誘導型(iNOS)・・・単球・マクロファージ・好中球など
- 神経型(nNOS)・・・中枢神経系
血管内皮細胞から放出されたNOは、血管平滑筋細胞に移動します。そして血管平滑筋細胞内に存在するsGC(可溶性グアニル酸シクラーゼ)を活性させます。
sGCはGTP(グアノシン三リン酸)をcGMP(環状グアノシン一リン酸)に変換させます=細胞内のcGMPを増加させます。
cGMPを増加はカルシウムイオン濃度を減少させます。その結果、血管平滑筋は弛緩して、血管は拡張します。
血管平滑筋細胞に到達したNOはグアニル酸シクラーゼ guanylate cyclase を活性化してcGMPの産生を促進し、血管弛緩を引き起こします。
引用元
内皮細胞由来の血管調節因子 一酸化窒素
生理活性物質および治療薬構造式
東邦大学メディアネットセンター
以上を一言でまとめると
.
です。
血流が悪化すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞・脳梗塞などのリスクが高まります。それだけでなく髪や肌の細胞に必要な栄養素や酸素をスムーズに届けることができなくなり、抜け毛の増加や肌のターンオーバーの乱れにつながってしまいます。
なので血管内皮細胞でNOを増やせば 病気や老化を予防することができるといえます。
NOを増やす方法は 運動する or 構成成分である2つのアミノ酸を取る のどちらかです。
ゆえにアルギニンには【NOの産生を促すことで】血流改善効果が期待できます。
アルギニンよりシトルリン
NOの直接の前駆体はアルギニンです。アルギニンからシトルリンとNOが産生されます。
なのでシトルリンよりアルギニンを摂取すればNOをより増やせると普通は考えます(と思います)。
ですが、逆です。
逆という表現もおかしいのですが、シトルリンのほうがNOを増やすと言われています。
というのもアルギニンよりシトルリンを取ったほうが、アルギニンの有効性が発揮されるからです。
どちらも腸管で吸収されるのですが、
- 約40% 腸管でシトルリンに代謝される
- 約60% アルギニンとして吸収されるものの、その大部分は肝臓での尿素合成や他の物質の合成などに利用される
その後、血流にのってアルギニンとして全身に供給される
.
といった感じに代謝経路が異なります。
赤ワク参照 シトルリンの代謝と薬効 J-STAGE
つまるところ、【体内でアルギニンを増やす、アルギニンのNO産生作用を得る】と考えた時に、【同量であるならば】アルギニンを取るよりもシトルリンで取ったほうが良いということになります。
アルギニンを直接摂取すればよいのでは?と思うかもしれませんが、アルギニンを直接摂取するよりも、シトルリンをサプリメントで摂取したほうがより効果的に体内のアルギニンを増やすことが期待されています。
引用元
シトルリンの効果について。筋トレに役立つって本当?
POWER PRODUCTION
江崎グリコ(株)
ただ、ここで言いたいことは、NOをより産生させるのはシトルリンということだけです。
これは、NO産生のケースのみでよく聞く話で、それ以外のアルギニンの生理作用を得たいのであれば、やはり直でアルギニンだと思います。
というか、ややっこしいことをいうとアルギニンを取ると約40%は腸管でシトルリンに変換され、そのシトルリンが腎臓でアルギニンになって結局のところアルギニンとして機能するわけで・・・
ということでここでの結論は、(2者択一するではなく)両方を取ることでNO産生の相乗効果が大いに期待できる です。
これまでの研究から、L-シトルリン及び L-アルギニンの併用摂取が、単独摂取と比べて血中の L-アルギニン濃度や窒素酸化物(NOx)濃度を即効的、相乗的に上昇させることを見出しています。
引用元
第71回日本・栄養食糧学会大会においてL-シトルリン及びL-アルギニンの併用摂取効果に関する研究を発表
ニュース
協和発酵バイオ(株)
個人的な意見として、両方ともサプリでとる or 両方が配合されているサプリを取る です。
成長ホルモンの分泌促進
「成長」と「代謝」をコントロールしているホルモンが成長ホルモンです。
子供の成長期において、骨の軟骨細胞に作用し身長を伸ばす働きや各組織の細胞に作用し成長を促す働きをします。
成長期を過ぎても、各組織の細胞の分裂や修復に欠かせないホルモンとして重要な役割を果たしています。
成長ホルモンの主な作用を簡単にまとめると次になります。
成長ホルモンの主な作用
- 細胞分裂を促進
→ 新陳代謝促進(骨形成・発毛・美肌など) - 細胞の修復
→ ケガの回復・肌のターンオーバー正常化 - たんぱく質の合成を促進
→ 筋肉量の増加 - 糖質、脂質の代謝促進
→ エネルギー産生・脂肪の蓄積を防ぐ・脂肪の分解を促す - 血糖値が低い時に血糖値をあげる
→ 低血糖を防ぐ
成長ホルモンの作用はその標的組織に直接働きかける場合と、IGF-1と呼ばれる成長因子を介して働きかける場合があります。
.
アルギニンは内分泌系を刺激し、成長ホルモンの分泌を促す働きがあることで知られています。
順番が一番最後になりましたが、アルギニンといえば個人的にこれ【成長ホルモン分泌促進効果】です。
アルギニンのサプリメントでよくあるキャッチフレーズ集
- 若々しいカラダ作りを目指す方
- 元気不足で悩みがちな中高年男性のバイタリティ
- 自信を持ちたい男性におすすめ
- いつまでも若い頃のように頑張りたい方
- コラーゲンにかかわるアミノ酸
アルギニンの摂取量、不足、過剰
アルギニンは非必須アミノ酸です。厚生労働省(食事摂取基準)により推奨・目安摂取量が定められていません。
なお食品会社やサプリメーカーが設定している目安摂取量は 2000~8000㎎/日 となっていることが多いです。数値のふり幅が大きいのは目的によるからです。
2000~4000㎎/日
創傷治癒を目的
5000~7000㎎/日
筋肉増加を目的
8000㎎/日
が、子供にとって【成長に必要な量が合成できる量で賄えないため】必須アミノ酸に分類されています。
大人でも病気やケガなどで体力の消耗が激しい時に合成量が減ります。
なので、積極的に取りたいアミノ酸といえます。
子供が不足すると、発育や成長に影響がでます。
大人が不足すると、成長ホルモンの分泌量やNOの産生量に影響がでます。
成長期の子供が サプリでアルギニンを摂り過ぎた場合、巨人症になる可能性があるといわれています。
子供がサプリから摂取する(させる)場合は、親がよく考えてください。
もし摂取する(させる)としたら、信頼のおけるサプリメーカーを選定し、そのうえで用量・用法をしっかり守ってください。
アルギニンの豆知識
◆アルギニンは成長ホルモンの分泌を促進する
→たんぱく質の合成を促進します。
◆アルギニンはプロリンの合成に関与する
→プロリンおよびヒドロキシプロリンはコラーゲンの構造を安定化・コラーゲンの合成を促進させる作用があります。
オルニチンがプロリンの前駆体です。アルギニンは体内でアルギナーゼの作用により、オルニチンになります。
アルギニンは褥瘡の治療に用いられます。
アルギニンと相性の良い栄養成分
・オルニチン
この組み合わせは特に尿素回路活性に効果を発揮します。
・シトルリン
この組み合わせは特にNO産生促進に効果を発揮します。
・リジン
この組み合わせは特に成長ホルモン分泌促進に効果を発揮します。
アルギニンのレーダーチャート解説
- 6
このカテゴリーに効果があることで有名。即効性があったり、継続して摂取することで効果を感じる - 5
このカテゴリーに効果があることで有名。継続して摂取することでなんとなく効果を感じる - 4
このカテゴリーに効果があるといわれている。効果が得られることを期待して飲んでいる - 3.5
このカテゴリーに効果があるといわれているが、個人的に摂取目的としていない - 3
このカテゴリーになんらかの効果があるもの - 2
このカテゴリーとはあまり関係ないと思われる - 1
このカテゴリーとは関係ないと思われる
※4以上が摂取目的となっているカテゴリー
アルギニン総合評価 SS 18
5つのカテゴリーのうち、評価が高い上位3つのカテゴリーを足したものです。「B~SS」でつけています。
SS 18点
S 16点以上
A+ 14点以上
A 12点以上
B+ 10点以上
B 9点以下
髪(薄毛)評価5.5
髪は毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで生まれ成長していきます。
アルギニンは次の働きにより毛母細胞を活性させます。
①成長ホルモンの分泌を促進する
成長ホルモンは細胞分裂を促進するホルモンです。
②ポリアミンの量を増やす
細胞内のポリアミンはDNAとRNAと結合して存在しています。主にRNAと結合してその立体構造を変化させることで、たんぱく質の合成を翻訳レベルで促進しています。
ポリアミンは一言でいうと「細胞の新陳代謝を正常に行うための必須の成分」です。
ポリアミンについて
ポリアミンについてもう少し詳しく説明します。
体内には20種類以上のポリアミンが存在しています。代表的なポリアミンはプトレスシン・スペルミジン・スペルミンです。
ポリアミンは体内でアルギニンを原料に、いくつかの酵素の働きにより合成されます。
ポリアミンの生成経路は次です。
アルギニン→オルニチン→プトレスシン→スペルミジン→スペルミン
図 2. ポリアミンの合成経路出典元
オリザポリアミン
製品案内 オリザ油化(株)
ただし、ポリアミンの合成量は 加齢とともに減少します。
というのも、ポリアミンを合成する酵素の活性が低下するからです。
ポリアミンの特徴として分子量が非常に小さい(200程度)というのが挙げられます。なので食物中のポリアミンは摂取すると、分解されることなく腸へ届きそのままの形で吸収され、体内の各組織へ行き届きポリアミンとしての効果を発揮します。
つまるところ、加齢(酵素の不活性)により不足した場合でも、食べ物から補うことができます。
ポリアミンを多く含んでいる食物は納豆をはじめとする発酵食品です。
ポリアミンを合成する酵素の活性が低下するならば、ポリアミンのもとであるアルギニンを取ったところでポリアミンが増えないことになります。
が、そうではなく 研究により アルギニン+α を摂取したらポリアミンが増えることがわかっています。
腸内細菌によるポリアミンの生成
ポリアミンは大腸腸管内で腸内細菌からも作られており、アルギニンを投与したところ腸管内でのポリアミン濃度が高まることが判明しています。
腸内細菌ではアルギニン→アグマチン→プトレスシン→といった代謝経路で、「アグマチン(アルギニンの脱炭酸化生成物)」を介してポリアミンが生成されます。
生成メカニズムは少し複雑なのですが、
簡略すると【アルギニンからアグマチンを経由してプトレスシンを生合成】する代謝経路となります。
この代謝経路はビフィズス菌などの酸生成菌が生成する「酢酸」や「乳酸」などにより作動されます。
アルギニンにビフィズス菌などの善玉菌を投与すると腸内のポリアミン濃度が高まるとのことです。
出典元
ビフィズス菌LKM512とアルギニンでおなかで増えるポリアミン
メイトー協同乳業(株)
「ビフィズス菌LKM512」が腸内で作る酸(酢酸・乳酸)が刺激となり、大腸菌などの一部の腸内常在菌が身を守るため、腸に届いた「アルギニン」を利用して耐酸性システムを発動します。その際に副産物として「アグマチン」が菌体外に放出されます。
アグマチンは主要な腸内常在菌であるフェカリス菌にとっては有用な物質で、取り込まれてエネルギー産生に利用されます。その結果、副産物としてポリアミンの一種である「プトレッシン」が放出されるのです。引用元
ビフィズス菌LKM512とアルギニンでおなかで増えるポリアミン
メイトー協同乳業(株)
ポリアミンの供給源
ということで、加齢とともに減るポリアミンは
腸内で合成できるもの【アルギニン+腸内環境を整えるもの】
.
で増やすことができます。
なお腸内細菌の話は、大腸腸管に棲息している腸内細菌のことです。
通常のアルギニンサプリのそのほとんどは大腸に到着する前に小腸で吸収されます。
ポリアミンを増やす目的でアルギニンサプリを取るのならば大腸まで送達するタイプがベストです。
※大腸まで届くタイプのアルギニンサプリが2020年5月20日にBABY&MEより販売されています。
1)腸まで届くアルギニン
4層構造の特殊コーティング(特許第6435179号)で腸まで届くアルギニンタブレットです。アルギニンを腸まで届けることでポリアミンがつくられることが、協同乳業と理化学研究所の研究グループによって見出されています(特許第5881801号)。アルギニンCDTはこれらの特許を使用し、サプリメントとしてお届けできるようになりました。新製品「アルギニンCDT」販売開始しました
BABY&ME
株式会社パートナーズ
肌(美白)評価5
アルギニンはコラーゲンの合成を促進させるので肌にいいです。
これ以外にも肌に良い作用があります。コラーゲンの合成に関しては豆知識に言及しました。ここでは「以外」のほうで評価したいと思います。
◆抗糖化作用
糖化とは体内に余った糖質がたんぱく質とくっつき、たんぱく質を劣化させる現象のことをいいます。糖化によって作られるのがAGEs(終末糖化産物)です。AGEsが体内に蓄積されるといわゆる老化が進みます。たとえばAGEsが肌の内側に蓄積すると肌に透明感がなくなり黄色くくすみます。
アルギニンは糖質とたんぱく質がくっつく前に糖質とくっつき(=アルギニン自らが糖化され)体外に排出される働きをします。
これはアーモンドに含まれているアルギニンという成分が、糖が肌のタンパク質とくっつくより先に、糖と結びつく。これで、肌のタンパク質が糖化するのを抑えてくれるのです。
引用元
知識の宝庫!目がテン!ライブラリー 老化防止食材の科学 第1277回
所さんの目がテン! バックナンバー
日本テレビ
◆抗カルボニル化作用
カルボニル化も糖化どうように肌の黄くずみの原因となるものです。カルボニル化は糖化と違い、たんぱく質と脂肪の分解物の結合により起こります。
活性酸素が肌に過剰に発生すると肌の脂質が過酸化脂質に変性します。過酸化脂質が酸化分解されるとアルデヒド(カルボニル化合物)と呼ばれる物質が発生してしまいます。このアルデヒドがたんぱく質と結合することをカルボニル化といいます。カルボニル化により生まれる物質はALEs(終末脂質過酸化産物)と呼ばれます。
肌の真皮にカルボニル化したたんぱく質が増えるとより強い黄ぐずみを作ることになります。糖化による黄ぐすみよりもずっと濃い黄色になるとされています。
アルギニンは上記 抗糖化作用と同様にたんぱく質の身代わりとなり 脂肪の分解物とくっつきカルボニル化を防ぎます。
体型(筋肉)評価6
アルギニンは筋たんぱく質の構成成分です。
単に構成成分としてだけでなくアルギニン自体が筋肥大に深く関わる(以下1~5)ので、たんぱく質と別途で補給することを勧めます。
- 成長ホルモンの分泌促進
成長ホルモンは筋たんぱく質の合成を促進します。アルギニンは成長ホルモンの分泌を促進します。 - NO(一酸化窒素)産生
NOには血管を拡張させる作用があります。なので体内にNOが多くある状態(NOが生成されやすい状態)で筋トレをすると、負荷を与えた筋肉への血流が増え、筋肉細胞に水分が集まりパンプアップ状態になりやすいといわれています。
パンプアップを起こすことで、間接的に筋肥大の効果があるといわれています。アルギニンはNOの前駆体です。 - クレアチンの合成
クレアチンは「強度の高い運動(無酸素運動)の筋収縮時」のエネルギー源として利用されます。クレアチンが筋肉内に満たされていれば、瞬発力がアップし、トレーニング時のパフォーマンス向上につながります。
アルギニンはクレアチンの原料となるアミノ酸の一つです。 - インスリンの分泌促進
筋肉を修復するために必要な栄養素は言うまでもなくたんぱく質ですが、それと一緒に糖質も取ることがよく勧められています。糖質をプラスするとたんぱく質だけを摂取するよりも筋肉の合成率が高まるからです。糖質だけでなく一部のアミノ酸もインスリンの分泌を促進する作用があります。アルギニンはその1つです。
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筋肉疲労の軽減
運動時の疲労を引き起こす原因の1つはアンモニアです。アルギニンは尿素サイクルの構成成分で、アンモニアを無害な尿素に変換させる働きをします。
体力(夜のほう)評価6
アルギニンは精力増強や性機能向上や不妊改善につながるアミノ酸です。以下、アルギニンが関与する働きです。
◆EDの予防
勃起が起こるメカニズムを簡単に説明します。
①性的な刺激により脳が興奮するとその信号(興奮)が脊髄を伝わり勃起神経に到達する。
②すると陰茎の動脈は拡張し陰茎海綿体へ流入する血液が増える。
③同時に陰茎海綿体の平滑筋が弛緩され、海綿体は流れ込んだ血液を吸収し大きく膨らむ。
このメカニズムにおいて陰茎海綿体の平滑筋を弛緩させる働きをするのはサイクリックGMP(cGMP)という物質です。cGMPを生成するのがNOです。
性的な刺激により信号(興奮)が勃起神経に伝わると神経終末と血管内皮細胞からNOが放出されてcGMPが生成される流れとなっています。
NOの産生に関与するアルギニンは勃起力向上に貢献します。
◆男性不妊の改善効果
ポリアミンの一種スペルミンは精子の運動性に重要な役割を果たしています。精液の中に多く含まれており精子の形成に必須の成分とされています。
アルギニンはポリアミンの合成に必要な物質です。実際、研究によりアルギニンを摂取することでポリアミンが増え、精子の運動性が高まることが確認されています。
ちなみに精液特有の臭いのもとはスペルミンによるものです。
◆女性不妊の改善効果
受精卵は細胞分裂を繰り返しながら子宮に到着します。
アルギニンは子宮動脈の血流を促進し、子宮内膜を厚くさせ受精卵が着床しやすくする働きをします。
その他(成長ホルモン)評価6
成長ホルモンの分泌を促す成分はいくつかありますが、アルギニンは群を抜いていると思っています。いろんな文献を見てそう感じます。
例えば、アミノ酸の比較実験でもその強さが証明されています。
対象 健常な成人
条件 早朝の空腹時
実験内容
各種のアミノ酸をそれぞれ30gずつ静脈内に投与する。その30分後の血しょう中の成長ホルモンの濃度を測定する。
出典元
スポーツ栄養科学研究データ
アミノ酸大百科
味の素(株)
成長ホルモンを増やす方法は、睡眠、食事、運動です。
食事の中でも「アルギニンの摂取」は特に重要です。
アルギニン 参照一覧
シトルリンの代謝と薬効 J-STAGE
腸管不全とシトルリン投与 J-STAGE
アルギニンの給与が黒毛和種肥育去勢牛の血液生化学検査成績に及ぼす影響 J-STAGE
L-アルギニン添加が離乳子豚の飼養成績,窒素出納,血漿中尿素態窒素·遊離アミノ酸濃度に及ぼす影響 J-STAGE
必須アミノ酸, 非必須アミノ酸 その二つを分けるもの J-STAGE
褥瘡 J-STAGE
運動中のセカンドウインド促進のための骨格筋代謝産物の除去に対するアミノ酸摂取効果 KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
アルギニンの機能特性とエナジー系食品の利用効果 味の素ヘルシーサプライ(株)
協和発酵バイオの健康成分研究所 協和発酵バイオ(株)
シトルリン研究会 協和発酵バイオ(株)
オルニチン研究会 協和発酵バイオ(株)