モリブデン

モリブデンの評価 A

モリブデン

モリブデンは必須ミネラルです。必須ミネラルのうち微量ミネラル(1日の必要とされる量が100㎎以下)に分類されます。主に腎臓と肝臓に存在する微量ミネラルです。

モリブデンはキサンチンオキシダーゼ、アルデヒドオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼという3つの酵素の補酵素として働いています。他にもいくつかの酵素の補酵素として糖質、脂質の代謝に関わっています。

3つの酵素の主な働き

キサンチンオキシダーゼ
プリン体を分解して、最終老廃物である尿酸がつくられる過程にかかわっています。
 
アルデヒドオキシダーゼ 
たんぱく質を構成するアミノ酸であるシステイン、メチオニンを分解します。
 
亜硫酸オキシダーゼ
たんぱく質を構成するアミノ酸であるシステイン、メチオニンを分解します。

 

これら3つの酵素は尿酸が作られる時に重要な役割を果たしています。この3つの酵素の補酵素として働いているモリブデンは尿酸に生成に関わっているといえます。

尿酸
尿酸は、エネルギー代謝の過程などからでる老廃物です。尿酸のもとなっているのがプリン体です。体内にあるプリン体の8割は新陳代謝、エネルギー代謝の過程で生まれます。残りの2割は食事など外から取り入れたものです。
そのプリン体が分解された時に生まれてくる最終的な老廃物が尿酸です。尿酸は体の中に常に存在しています。尿酸という老廃物は尿、便、汗といったものにより体の外に排泄されます。
体内でつくられる量と体外に出される量のバランスによって、
体内の尿酸がある一定量に保たれています。

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モリブデンの摂取目的

髪「薄毛」「白髪」、体力「普段」とその他「血液」「細胞」です。

 摂取目的
髪「薄毛」「白髪」
体力「普段」
その他「血液」「細胞」

モリブデンの効果・効能

貧血
貧血に関係している鉄と銅と次のような関わりがあります。貧血予防には鉄、銅、モリブデンのバランスが必要です。

鉄とモリブデン
体内の鉄の約70%が血液中の赤血球をつくっているヘモグロビンの成分になって、酸素を運ぶ働きをしています。酸素を運ぶ働きをしている鉄を機能鉄と呼んでいます。
のこりの約25%は肝臓などに貯蔵されています。これは酸素を運ぶ役割をしている鉄が不足した時のためにに蓄えている鉄です。機能鉄が不足した時のために蓄えられている鉄のことを貯蔵鉄と呼んでいます。モリブデンは機能鉄が不足した時、貯蔵鉄から鉄を運び出し、鉄の利用効率を上げ血液を作り出す働きがあります。

銅とモリブデン
銅は腸管での鉄の吸収を助け、ヘモグロビンをつくるために鉄を骨髄に運ぶ役割をしています。鉄、銅、どちらかが不足すると、ヘモグロビン生成に支障が出て、全身に酸素が運ばれず貧血が起こる可能性が高まります。モリブデンと銅は相互作用し、銅が過剰にならないように銅の排泄を促します。バランスが大事でモリブデンを過剰に摂取すると銅の排泄を過度に促してしまい、鉄の利用効率が下がり貧血につながってしまいます、。

尿酸
尿酸が作られる時に重要な役割を果たしている3つの酵素の補酵素として働いています(3つの酵素について上「モリブデン」の段落で説明)。
尿酸は体内でつくられる量と体外に出される量のバランスによって、体内の尿酸がある一定量に保たれていると説明しましたが、モリブデンが不足していると尿酸の排出がうまくいかずこのバランスが崩れて、体内に尿酸が増えると尿酸値が高い状態にある病気「高尿酸血病」になります。高尿酸欠病の状態が長期化すると痛風につながります。高尿酸血症の合併症の一つに「痛風」があります。

モリブデンのサプリメントによくあるキャッチフレーズ集

  • 鉄分の働きを助ける
  • つらい貧血にお悩みの方
  • 糖質、脂質の代謝サポート
  • 重要な働きをしている数多くの酵素に関係している
  • 解毒や酵素反応に重要なミネラル
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モリブデンの摂取量、不足、過剰

モリブデンの摂取量
1日の推奨摂取量は成人男性25μg、成人女性20μgです。上限は成人男性300μg、成人女性250μgです。上限に関しては諸説あり。
 
モリブデンの不足
1日に必要なモリブデンの量は微量で、普段の食事から十分摂取することができます。モリブデンの不足による欠乏症はまず心配しなくてもいいと思います。ただ不足した場合、効果・効能から考えると貧血、尿酸代謝障害などが起こると想定されます。尿酸の排出がうまくいかず、体内に尿酸が増えると尿酸値が高い状態にある病気「高尿酸血病」になります。高尿酸欠病の状態が長期化すると痛風につながります。高尿酸血症の合併症の一つに「痛風」があります。
 
モリブデンの過剰
過剰に摂取したモリブデンは、おしっこで排泄されるため心配はさほどいりません。ただ銅と深くかかわっており、モリブデンを過剰に摂取すると銅の排泄を過度に促してしまい、鉄の利用効率が下がり貧血につながってしまいます。また銅が少ないとモリブデンを過剰摂取していなくても、モリブデン中毒症状があらわれることがあります。

モリブデンの豆知識

食道がん
食道がんの予防にも効果があるのではないかといわれています。モリブデン不足と食道がんの発生の関係性があると研究で報告されています。植物中のモリブデン含有量は、植物が育つ土に含まれているモリブデンの量が関係してきます。中国の土壌でモリブデン濃度が低い場所では、食道がんになる人が多いと研究で報告されています。

モリブデンのイメージ

納豆

鉄、銅、モリブデンのバランスが大事

モリブデンと相性の良い栄養成分

・銅
・鉄
・亜鉛

モリブデンの勝手にランキング

体力(普段)部門 第14位

モリブデンのレーダーチャート解説

評価基準

  • 6 
    このカテゴリーに効果があることで有名。即効性があったり、継続して摂取することで効果を感じる
  • 5 
    このカテゴリーに効果があることで有名。継続して摂取することでなんとなく効果を感じる

  • このカテゴリーに効果があるといわれている。効果が得られることを期待して飲んでいる
  • 3.5 
    このカテゴリーに効果があるといわれているが、個人的に摂取目的としていない

  • このカテゴリーになんらかの効果があるもの

  • このカテゴリーとはあまり関係ないと思われる

  • このカテゴリーとは関係ないと思われる

※4以上が摂取目的となっているカテゴリー 

 

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モリブデン 総合評価 A 13.5

 総合評価について
5つのカテゴリーのうち、評価が高い上位3つのカテゴリーを足したものです。「B~SS」でつけています。
SS  18点
S  16点以上
A+ 14点以上
A  12点以上
B+ 10点以上
B  9点以下

髪(薄毛、白髪)評価4
貧血になると、髪をつくる毛母細胞まで酸素を十分に運べなくなってしまいます。毛母細胞とは、毛乳頭付近の細胞のことです。髪の毛は、毛乳頭から栄養素や酸素を受けとり、細胞分裂することで作られます。毛母細胞に酸素が行き届かないと健康な髪の毛が作られないということになります。鉄、銅ともに酸素を体内の細胞に運ぶ役割に関わっているモリブデンは遠からず髪に関係してくるといえます。

肌 評価3
モリブデンが肌に効果あるかわかりません。銅、鉄は肌に関連しているので、銅と相互作用があったり、鉄のサポート役であると考えればなきにしもあらずですが・・。また酸素を細胞に運ぶと役割の一端を担っていると考えると関連性はあるともいえます。

体型(ダイエット)評価4
モリブデンは糖質、脂質の代謝に関係しています。糖質、脂質の代謝はダイエットや肥満予防につながります。

体力(普段)評価5
糖質、脂質の代謝に関わっているということはエネルギー産生に関わっているといえます。エネルギーが作られないと疲労、倦怠につながり普段の生活に支障がでます。
また貧血になると普段の生活に支障がでます。モリブデンは貧血予防にも役立ちます。

その他 総合評価4.5

血液 評価4.5
モリブデンは「血のミネラル」の異名をもっています。鉄の利用効率を促し、血液をつくるのに重要な役割を果たすからです。

細胞 評価4.5
鉄の栄養成分レビューのその他の欄は「細胞」にしています。その理由は、こんな感じです。

鉄は赤血球の中にあるヘモグロビンの主成分で、ヘモグロビンの役割は全身の細胞や組織に酸素を運ぶことです。細胞の酸素が不足していると、細胞の機能が衰えているという状態につながります。

鉄、銅にすごい関わってくるモリブデンも考えかたは一緒ですので、このカテゴリーでも評価します。ただこの酸素を細胞に運ぶという仕事のメインは鉄なので、若干低めの評価

モリブデン雑感

モリブデンにはプリン体を尿酸にかえる重要なはたらきがあります。プリン体といえば痛風の原因となるいやな奴です。プリン体が多く含まれているビールなどをよく飲む人や尿酸値が高い人は、毎日推奨されている量のモリブデンを摂取することが良いと思います。

ただ普通の食生活ではまず不足することないので、サプリメントで摂取する場合は個人的にはマルチミネラルに含まれている量ぐらいで十分だと思います。

あと貧血ですかね。鉄や銅はしっかりとっているのにそれでも貧血気味とうかたはモリブデンも+αするのもありだと思います。海外では単体サプリとして売っています。

 

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