グルタミン酸 知能を高める効果

グルタミン酸

たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸の1種
11種類ある非必須アミノ酸の1種

糖原性アミノ酸の1種

 

グルタミン酸とは

グルタミン酸について

  • たんぱく質は主に20種類のアミノ酸が数十~数百個以上結合し複雑に組み合わさることで作られます

  • 筋肉・皮膚・臓器など同じ「たんぱく質」なのに形・性質・働きが異なっているのはアミノ酸の組み合わせや配列の順番が違うためです。

  • 20種類のアミノ酸は9種類の必須アミノ酸(体内で合成できない)と11種類の非必須アミノ酸(体内で合成できる)に分けられています。グルタミン酸は非必須アミノ酸に分類されます。
  • 20種類のアミノ酸はたんぱく質を構成する材料となるほか、必要に応じてエネルギー源としても利用されます。グルタミン酸はエネルギー源として最も利用されやすいアミノ酸の1つです。
  • グルタミン酸は生体内ではα-ケトグルタル酸(TCA回路の中間体)から生成されます。α-ケトグルタル酸がグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)よって還元的アミノ化されるとグルタミン酸になります。
  • グルタミン酸は食品中のたんぱく質に一番多く含まれています。動物性のたんぱく質であれば1割~2割、植物性のたんぱく質であればおよそ4割がグルタミン酸で占められています。
    体重70㎏の人で1日の食事(たんぱく質)からおおよそ20g摂取しています。

  • グルタミン酸は体内の中で最も多く存在するアミノ酸の1つです。体重の約2%はグルタミン酸で占められています。つまり体重70Kgであれば体内に約1.4kgのグルタミン酸が存在していることになります。
  • グルタミン酸は中枢神経系における興奮性の神経伝達物質として働き、知能を高める効果などをもたらします。
  • ただし興奮性の神経伝達物質と働くのは食品などから摂取したグルタミン酸からではなく、脳でグルコースをもとに作られたものです。食品などから摂取したグルタミン酸はほとんどは腸管で代謝されます。

 

 

摂取量について

推奨・目安摂取量は定められていません。

 

グルタミン酸の効果・効能

グルタミン酸の効果・効能 5つ厳選

  1. 興奮性神経伝達物質として(知能を高める効果
  2. 腸管のエネルギー源
  3. アンモニアの解毒(疲労回復効果など
  4. NMFの構成成分として(美肌効果)
  5. 非必須アミノ酸&生理活性物質の材料

 

そのうち2つを詳しく

①興奮性神経伝達物質として(知能を高める効果など

グルタミン酸は中枢神経系における興奮性の神経伝達物質として機能しています。
脳におけるグルタミン酸について簡単にまとめます。

グルタミン酸
興奮性の神経伝達物質 

【分布】
脳内に広く分布

約70%の神経細胞がグルタミン酸を神経伝達物質として利用しています。

【どこで合成】
脳内

グルタミン酸は血液脳開門を通過しません。

【どのように合成】
グルコース
から合成

α-ケトグルタル酸から(アミノ基転移反応により=アミノ基転移酵素の作用により他のアミノ酸のアミノ基を使って)

【どこから放出】
シナプス前終末

【どうしたら作用】
シナプス後細胞にあるグルタミン酸受容体と結合すると

イメージ


上 シナプス前終末 
下 シナプス後細胞 後細胞に受容体たんぱく質があります

【グルタミン酸受容体】
グルタミン酸受容体は大きくわけてイオンチャンネル型代謝活性型の2種類があります。イオンチャンネル型はさらにNMDA受容型非NMDA受容型(AMPA受容型・カイニン酸受容型)に別れています。

受容体の種類によりその作用は異なりますが、このレビューではまとめて「グルタミン酸受容体」として説明していきます。

【脳内のグルタミン酸の働き】

  • 記憶力をUPさせる効果
    興奮性の神経伝達物質として働き脳を活性させます。
  • 学習能力を向上させる効果
    興奮性の神経伝達物質として働き脳を活性させます。
  • 認知機能を高める効果
    興奮性の神経伝達物質として働き脳を活性させます。

 

このように脳内のグルタミン酸は興奮性の神経伝達物質として「記憶」「学習」「認知」などの高次脳機能に重要な役割を果たしています

ただしそれはあくまでも脳内のグルタミン酸の量が正常な場合です。

細胞外のグルタミン酸の不足&過剰は脳に悪影響を与えることになります。

注意
ここでのグルタミン酸の【不足・正常・過剰】はグルタミン酸受容体への刺激が【弱い・正常・強い】とイコールと捉えてください。グルタミン酸の摂取量のことではありません。グルタミン酸は外から摂取しても血液脳開門を通過しないため脳内に入れません。

不足すると神経伝達の効率が低下し脳の機能が損なわれます。総合失調症の原因になります。

過剰になると神経細胞の「死」を引き起こします。アルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症など神経変性疾患の原因となります。これはグルタミン酸の興奮毒性と呼ばれています。

 

⑤非必須アミノ酸&生理活性物質の材料

非必須アミノ酸のもと

グルタミン酸は他の非必須アミノ酸のもとになっています。
グルタミン・プロリン・アルギニンがっつりあてはまります。
※グルタミン酸は「グルタミン酸から産生されるα-ケトグルタミン酸(アミノ基転移反応に必要な基質)」等で、この3つ以外の非必須アミノ酸の生成にも関わっています。

グルタミン酸を摂取することでこれらアミノ酸を増やすことにつながります。なのでこの3つのアミノ酸の効果・効能に【材料として間接的に】貢献しているといえます。

過去のレビューではこのパターン【材料として間接的に】をよく該当項目の評価対象としてきました。

例 メチオニン

メチオニンはシステインのもとです。なので美白項目でシステインの「材料」として点数をつけてきました。当然ですがシステインそのものよりは点数を低く設定しています。

 

グルタミン酸のレビューではこのパターン【材料として間接的に】を以下の条件としています。

  • アルギニンは精力項目のみ評価対象
  • プロリンは美肌項目のみ評価対象
  • グルタミンは全項目で評価対象
    全項目で評価対象となりますが、とりわけ関わっている項目のみの記載となります。

 

理由はその材料としてなんでもかんでも評価対象とするとグルタミン酸がスーパーな成分となってしまうからです。
そのうえで

グルタミンはグルタミン酸との関係性が深く
【グルタミンとグルタミン酸は酵素の作用より体内で相互変換されます】

プロリンとアルギニンはグルタミン酸との関係性が浅い
【グルタミンと比べて】
と考えたためです。

 

生理活性物質のもと

グルタミン酸からは次の3つの生理活性物質が生成されます。
これらは全項目の評価対象とします。

  • GABA 
    抑制性の神経伝達物質として働きます。リラックス効果などをもたらします。

    GABAはグルタミン酸のα位のカルボキシル基が脱炭酸されることで生成されます。

  • グルタチオン
    グルタチオンは自らチオール基を用いて抗酸化作用や解毒作用を発揮します。

    グルタチオンはシステイン・グルタミン酸・グリシンの3つのアミノ酸がペプチド結合した「トリペプチド」です。主に肝臓で合成されます。

    グルタチオンの合成

    グルタミン酸+システインγ-グルタミルシステイン

    γ-グルタミルシステイン+グリシングルタチオン

    1の反応はγ-グルタミルシステイン合成酵素により
    2の反応はグルタチオン合成酵素により行われます。
    1、2の反応ともにATP1分子が必要です。

  • ポリグルタミン酸
    肌の細胞を活性化させてNMFを増やす働きをします。保湿効果が期待できます。

    ポリグルタミン酸は30~5000個のグルタミン酸が鎖のように直鎖状に結合してできるポリマーです。グルタミン酸のD体とL体が混在したポリマーです(DL比はだいたい8:2)。ポリグルタミン酸は(納豆を作る際)納豆菌が発酵する過程で作り出される物質です。

 

GABA・グルタチオン・ポリグルタミン酸全項目で評価対象となりますが、とりわけ関わる項目のみに記載となります。

 

まとめますと
今回のレビューで「グルタミン酸」アルギニン・プロリン・グルタミンGABA・グルタチオン・ポリグルタミン酸の「材料として」も評価するということです。
そのうえでアルギニンは精力項目のみ・プロリンは美肌項目のみで残りは全項目(とりわけ関わる項目のみの記載)を評価対象とするルールを設けさせていただます。

なお「それそのもの」よりは低い点数としています。かなり評価を低くしています。

 

かなり評価を低くする理由

食事などから摂取したグルタミン酸はそのほとんどが腸管で代謝されます。そして主に腸管のエネルギー源として利用されます。
グルタミン酸は腸管で吸収されると、その大部分はアミノ基転移反応を受けα-ケトグルタル酸となります。α-ケトグルタル酸は、TCA回路に入りエネルギーとして利用されます。

例えばグルタミン酸の目玉の効果である【脳の神経伝達物質として働く】は脳内でグルコースから生成されるグルタミン酸です。

今までの栄養成分は基本、サプリをとればその効果を【遠まわしにでも】得られるという前提でレビューしてきましたが、それがグルタミン酸にはあまりみられないと個人的に考えております(腸に対する効果は大アリです)。

例えばGABAを増やすためにグルタミン酸のサプリってわけにはいきません。前述したようにグルタミン酸はほとんど腸で代謝されますし、そもそも血液脳開門を通過できません。
例えばポリグルタミン酸を体内に取り入れるためにグルタミン酸のサプリってわけにはいきません。ポリグルタミン酸は納豆菌が発酵する過程で作り出される物質です。つまるところ納豆を取らなければポリグルタミン酸は手に入らないことになります。

とにかく個人的にズバリの「グルタミン酸」をサプリから摂取するという概念がありません。ということでかなり低い点数となります。ただ「材料」として評価する栄養成分が複数あるため総合するとそれなりの点数となっています。

 

ズバリのグルタミン酸とは
例えばグルタミン酸の誘導体&体内でグルタミン酸に分解される「テアニン」のサプリはよく取ります。あと「グルタミン」のサプリも【グルタミンの「効果」だけでなく】グルタミン酸を増やすという目的もあって摂取しています。
ただし「グルタミン酸」と銘打っているサプリを取ることはありません。

 

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グルタミン酸の働き分析【見た目編】

合計 44.5/60点

カテゴリー別 点数

薄毛 7.5点

白髪 7点

美肌 8.5点

美白 7点

筋肉 7点

脂肪 7.5点

 
 

薄毛

7.5点

「薄毛」改善 に関わるグルタミン酸の働きは主に次です。

  1. ケラチンの材料
    髪の90%以上はケラチンというたんぱく質でできています。ケラチンたんぱく質を構成するのは18種類のアミノ酸です。グルタミン酸はケラチンを構成しているアミノ酸のうち2番目に多く含まれています。

    ケラチンのアミノ酸組成

  2. 髪の栄養素の吸収率
    食事からたんぱく質を体内に取り入れると最小単位のアミノ酸に分解されから吸収されます。そして血流により全身の細胞に届けられ、その組織に必要なたんぱく質に再合成されます。髪でいうとケラチンというたんぱく質です。

    栄養素を消化・吸収するのは主に小腸の役割です。なので小腸が健康でなければ消化・吸収がされにくく(=栄養不足になる)なります。髪は生命維持に関係ないため栄養素の分配が一番後回しになります。なので栄養不足になれば真っ先にダメージを受ける場所です。
    グルタミン酸およびグルタミンは小腸の健康をサポートする成分です。健康な髪を生育するための初歩ともいえる「栄養素の吸収率」をあげる効果が期待できます。

 

白髪 

7

「白髪」予防 に関わるグルタミン酸の働きは主に次です。

  1. 過酸化水素の分解
    髪の黒色のもととなるメラニンはメラノサイトでアミノ酸「チロシン」が酸化還元酵素「チロシナーゼ」の作用を受けて生成されます。活性酸素の一種「過酸化水素」にはチロシナーゼを破壊する働きがあります。

    体内には過酸化水素を除去する抗酸化酵素が存在します。この抗酸化酵素はカタラーゼおよびグルタチオンペルオキシダーゼです。
    グルチオンペルオキシダーゼの作用では、「グルタチオン」を基質として利用し過酸化水素を分解しています。
    グルタチオンは体内でグルタミン酸・システイン・グリシンをもとに生成されます。

 

美肌

8.5点

「美肌」作り に関わるグルタミン酸の働きは主に次です。

  1. NMF(天然保湿因子)の構成成分
    NMFは角質細胞内に存在しています。角質層においてケラチンとともに体内の水分を保持する役割(肌の保湿機能)や外的刺激から肌を守る役割(肌のバリア機能)を果たしています。そのため角質層のNMFが減少すると乾燥肌になりやすくなります。

    NMFの主成分はアミノ酸です。NMFはアミノ酸およびアミノ酸誘導体(PCA)で半分以上占められています。

    NMFの組成

    NMF内のアミノ酸組成

    グルタミン酸はNMFの組成において約12%を占めているPCA(ピロリドンカルボン酸)のもととなります。
    PCAはフィラグリンと呼ばれるたんぱく質が角化の過程において分解され、それにより産生されたグルタミン酸が酵素によって代謝されてできる成分です。ようは「PCAはグルタミン酸から作られる代謝産物」ということになります。

    なおグルタミン酸はNMF内のアミノ酸組成においても2%を占めています。グルタミン酸およびその代謝産物PCAは構成成分としてNMFの働きにおいて重要な役割を果たしています。

  2. ポリグルタミン酸
    ポリグルタミン酸とは30~5000個のグルタミン酸が鎖のように直鎖状に結合してできるポリマー(高分子)です。ポリグルタミン酸には肌の細胞を活性化させてNMFを増やす働きがあります。肌内側からの「保水力」を高めます。
    ポリグルタミン酸は納豆菌が発酵する過程で作り出される物質です。なので納豆を取ることで摂取することができます。

    納豆のネバネバした部分がポリグルタミン酸だと思ってください。

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  3. プロリン
    コラーゲンのアミノ酸組成の約1/5を占めるイミノ酸(プロリンおよびヒドロキシプロリン)はコラーゲン構造の形成や安定化に大きく貢献しています。

    ※ヒドロキシプロリンはコラーゲン特有のアミノ酸で、プロリンがコラーゲン分子のポリペプチド鎖に組み込まれた後にプロリンヒドロキシラーゼの作用により水酸化され生成されます。

    コラーゲンのアミノ酸組成
    コラーゲンのアミノ酸構成比

    プロリンは体内でグルタミン酸をもとに生成されます。

  4. D-グルタミン酸
    表皮の角質層を構成する角質細胞の間には、「細胞間脂質」という脂質があります。この脂質は細胞と細胞をつなぎとめ、肌のバリア機能と水分保持機能の役割を果たしています。

    細胞間脂質


    ※ 表皮をクローズアップしたイラストです。 角質層は青みがかった部分です。

    ※角質層の薄いブルーのエリアが細胞間脂質です。肌色の楕円形は角質細胞です。

    D-グルタミン酸は肌にごくわずか存在し、細胞間脂質を整える働きをします。それにより保水機能・バリア機能を高め肌に潤いを与えます。

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    このD-グルタミン酸の働きは化粧品に応用されています。

    L型(L体)・D型(D体)
    アミノ酸は立体構造が左右対称なL型とD型を持つ光合異性体です。たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうちグリシン以外の19種類がL型D型両方持ちます。
    体たんぱく質を構成するアミノ酸はL型です。
    アミノ酸サプリメントの原料はL型です(ですと言い切ってしまうのもなんですが、まあL型です)。
    なのでこのブログの「アミノ酸」は基本「L型のアミノ酸」のこです。そうなると題名等は本来L-〇〇〇〇(例 L-グルタミン、L-グルタミン酸)とすべきですが、面倒なので「L-」はすべて省いております

    D型について
    生体中に存在するアミノ酸のうちD型はほとんど存在しない(あっても生理機能をもっていない)と考えられてきましたが、近年の研究によりD型(&その代謝や合成に関わる酵素)が生体内のさまざまな組織に存在し多様な生理機能をもっていることが判明しつつあります。

 

美白

7

「美白」ケア に関わるグルタミン酸の働きは主に次です。

  1. グルタチオン
    グルタチオンにはメラニンの合成を抑制する作用&(メラニンを作っても)シミの目立たない肌色メラニンに導く作用があります。
    それだけでなくメラニン生成を抑制・遅延させる作用&黒色メラニンを淡色化させる作用をもつビタミンCを還元する作用があります。ようはビタミンCの美白作用を持続させたりパワーアップさせたりする働きもします。

    とにかくグルタチオンは【それ自体&ビタミンCとの相乗効果で】強力な美白効果もたらす成分です。グルタミン酸はグルタチオンの材料の1つです。

 

筋肉

7

「筋肉」増強 に関わるグルタミン酸の働きは主に次です。

  1. 筋肉はたんぱく質
    筋肉はたんぱく質でできています。筋たんぱく質は合成と分解を24時間繰り返していて、1日を通じて合成量と分解量のバランスがとれていれば筋肉量を保つことができます。合成>分解の場合には筋肉は増え、合成<分解の時には筋肉は減っていきます。
    合成=分解、合成>分解の状態を保つにはたんぱく質の摂取が重要となります。グルタミン酸はたんぱく質を構成するアミノ酸の1種です。

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  2. グルタミン
    グルタミンは一言でいうと「筋たんぱく質の合成を促進し、筋たんぱく質の分解を抑制するアミノ酸」です。

    グルタミンの筋肉に対する作用

    ①筋たんぱく質の合成促進
    筋肉中の遊離アミノ酸の60%はグルタミンです。必要なときに筋肉たんぱく質の合成に使用されます。グルタミンの摂取は筋肉のたんぱく質の合成を促進させることになります。

    ②グリコーゲンの合成促進
    筋肉に蓄えられるグリコーゲンは運動中の主要なエネルギー源です。運動後のグルタミン摂取は筋グリコーゲンの合成を促進させます。

    ③成長ホルモンの分泌促進
    成長ホルモンには筋肉細胞にアミノ酸の取り込みを促進させる作用があります。また傷ついた筋肉細胞を修復する作用があります。

    グルタミンは筋肉内で主にグルタミン酸とアンモニアからグルタミンシンテターゼの作用によって生成されます。

 

脂肪

7.5点

「脂肪」減少 に関わるグルタミン酸の働きは主に次です。

  1. 脂肪蓄積抑制
    ラット実験によりグルタミン酸に皮下脂肪および内臓脂肪の蓄積を抑制する働きがあることが判明されています。

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  2. 満腹感
    出汁のうま味成分【グルタミン酸ナトリウム】は食事の満足感に寄与し、食欲を抑える効果があるとされています。実験により「うま味」が食べすぎを防止する(適度な食欲を刺激する一方で、食後の満腹感を長持ちさせる)ことに役立つことが判明しています。
  3. 成長ホルモン
    成長ホルモンは脂肪動員を促すホルモンです。

    脂肪動員ホルモンと脂肪分解酵素

    中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する酵素が脂肪分解酵素です。この酵素を活性させると脂肪の燃焼が促進されます。
    脂肪分解酵素は脂肪からエネルギーを必要とするときに脂肪動員ホルモンが分泌されると活性されます。

    グルタミンとGABAには成長ホルモンの分泌を促す作用があります。
    グルタミンとGABAはグルタミン酸をもとに生成されます。

 

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グルタミン酸の働き分析【中身編】

合計 46.5/60点

カテゴリー別 点数

身体 9点

エネ 9点

病気 6点

体質 7点

精力 6点

健脳 9.5点

 

身体

9

「身体」の構成材料 に関わるグルタミン酸の働きは主に次です。

  1. たんぱく質の構成
    人間の体を構成するたんぱく質は20種類のアミノ酸から生成されます。20種類は体内で合成できないもの【必須アミノ酸】と体内で合成できるもの【非必須アミノ酸】に分けられています。グルタミン酸は11種類ある非必須アミノ酸の1つです。
  2. 他の非必須アミノ酸
    アミノ基転移反応において、グルタミン酸は基質となります。他のアミノ酸のアミノ基はアミノ基転移酵素によりグルタミン酸に集約されます。グルタミン酸は他の非必須アミノ酸の合成に必須です。
  3. GABA
    GABAは成長ホルモンの分泌を促進します。成長ホルモンが分泌されると体たんぱく質の合成が高まります。GABAはグルタミン酸をもとに作られます。

 

エネ

9点

「エネルギー」生成 に関わるグルタミン酸の働きは主に次です。

  1. エネルギー源
    グルタミン酸は20種類のアミノ酸のうち最もエネルギー源として利用されやすいアミノ酸の1つです。他にはアラニンとアスパラギン酸が挙げられます。

    アミノ酸からエネルギー

    余剰となったアミノ酸はアミノ基転移反応や酸化的脱アミノ反応をうけてエネルギー源として利用されます(別のアミノ酸に再合成されたり、脂肪酸・糖新生の材料として利用されたりもします)。

    アミノ基転移反応においてグルタミン酸から産生されるα-ケトグルタル酸はTCA回路の構成成分として必須です。

    TCA回路


    クエン酸(=アセチルCoA+オキサロ酢酸)→イソクエン酸→α-ケトグルタル酸→スクシニルCoA→コハク酸→フマル酸→リンゴ酸→オキサロ酢酸→

  2. 小腸粘膜のエネルギー源
    小腸上皮細胞は体内で最も盛んに分裂・増殖を行う細胞の1つです。3~5日ほどで細胞が入れ替わります。グルタミン酸およびグルタミンは小腸上皮細胞のエネルギー源となります。

 

病気

6点

「病気」予防 に関わるグルタミン酸の働きは主に次です。

  1. 高血圧予防
    最近の研究によりグルタミン酸に血圧を下げる効果があることが判明されています。ただし作用機序はよくわかりません。

    なおグルタミン酸をもとに生成されるGABAには血圧降下作用があります。

    GABAの血圧降下作用

    ①GABAは血圧を上げる働きをするノルアドレナリンの分泌を抑制します。

    ②GABAは腎臓の働き(塩分と水分を尿として体の外に出す)活性させます。

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    GABAの血圧降下作用の優れた点は高血圧者に対して作用し、正常の血圧者に対しては作用しない(=血圧を維持する)というところです。

    どのみちグルタミン酸には高血圧予防効果が期待できそうです。

  2. 大腸がん予防
    グルタミン酸の摂取は大腸がんの予防になります。海外の研究により「グルタミン酸をよく取る人は大腸がんの発症リスクが4割低下する」ことが判明しています。
    ただし下線部には次の()が付け足しされます。グルタミン酸をよく取る人(過体重や肥満の人を除いて)です。

    参考・引用元
    あの「うま味成分」で大腸がんリスク4割減―オランダ調査 yomiDr. 読売新聞HP

    また朝日放送テレビ「名医とつながる!たけしの家庭の医学」の 大腸老化予防栄養素&転倒新原因&冷え症SP(2019年3月5日放送)では大腸がん抑制効果をもつ栄養成分としてグルタミン酸が紹介されていました。
    その放送では「グルタミン酸の摂取量が多い人は大腸がんのリスクが低い」の理由として

    ①グルタミン酸は腸の細胞の栄養になる。

    ②グルタミン酸は腸の内側の壁に働く。腸にある粘液を増やし発がん物質や毒素を排出する。

    が挙げられてました。

    参考・引用元 goo テレビ番組 

 

※興奮性神経伝達物質として働くグルタミン酸は脳の病気予防・改善に大きく貢献する成分です。こちらは「健脳」カテゴリーで評価しています。

 

体質

7点

「体質」改善 に関わるグルタミン酸の働きは主に次です。

  1. アンモニアの解毒
    アンモニアが蓄積されると疲労が溜まります。
    これは逆から言ったほうが正しいかもしれません。アンモニアは疲労時に生成されます。そして解毒されなければ疲労感がいっそう高まります。
    それだけでなく体臭の原因にもなります。アンモニアの血中濃度が高くなると尿からだけでなく汗からも排出されるようになります。俗にいう「疲労臭」です。

    アンモニアの解毒に働くのがグルタミン酸です。
    アンモニアはグルタミン合成酵素の作用によりグルタミン酸と結合してグルタミンに変換されることで無毒化されます。 
    ※アンモニアは肝臓では尿素サイクルにより無毒化されます。

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  2. 胃・十二指腸潰瘍
    グルタミン酸は消化官の受容体に結合することで消化官粘膜を保護する働きをします。胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの抗潰瘍剤としても利用されます。

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    ※以下 材料として

  3. グルタミン関連
    グルタミン酸はグルタミンの前駆体です。

    ・免疫力
    グルタミンは免疫細胞のエネルギー源です。グルタミンの血中濃度が高いほど免疫力が高まります。

    ・傷
    グルタミンは創傷治癒を促進する成分です。グルタミンには傷の治りを早める効果が期待できます。

  4. GABA関連
    グルタミン酸はGABAの前駆体です。

    ・ストレス
    GABAは興奮性の神経伝達物質(ドーパミンなど)の過剰分泌を抑制します。抗ストレス作用が期待できます。また自律神経のバランスを整える働きをしリラックス状態に導きます。

    ・不眠

    GABAは抑制性の神経伝達物質として機能しています。GABAがGABA受容体に結合しGABAの「神経伝達」が亢進すると催眠・鎮静効果がもたらされます。

  5. ポリグルタミン酸関連
    ポリグルタミン酸はグルタミン酸が30~5000個結合してできる化合物です。自然界では納豆菌が発酵する過程で生成されます。
    ・骨
    骨の形成には骨の材料であるカルシウムとその吸収を促進する成分が必要となります。ポリグルタミン酸は小腸でのカルシウムの吸収を高めます。

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    ・口臭
    ポリグルタミン酸は唾液の分泌を促進させます。ドライマウスが原因の口臭を防ぐ効果が期待できます。

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精力

6点

「精力」増強&「性機能」向上 に関わるグルタミン酸の働きは主に次です。

  1. アルギニン
    アルギニンは精力や性機能に深く関わるアミノ酸です。体内ではグルタミン酸から生成されます。

    勃起力
    勃起とは、陰茎内にあるスポンジ状の組織「陰茎海綿体」に血流が充満し、海綿体内圧が上昇することによっておこる現象です。

    勃起を完成させるにはNO(一酸化窒素)の働きが重要となります。というのも海綿体の内皮細胞からNOが大量に放出されることで海綿体の平滑筋が弛緩される=海綿体に血流が流入するからです。
    NOはアルギニンを基質にしてNOS(一酸化窒素合成酵素)の働きによりに産生されます。

    精子の形成
    ポリアミンの一種スペルミンは精子の運動性に重要な役割を果たしています。精液の中に多く含まれており精子の形成に必須の成分とされています。ちなみに精液特有の臭いのもとはスペルミンによるものです。アルギニンはポリアミンの合成に必要な物質です。

    性欲
    成長ホルモンの分泌減少は性欲の低下につながります。成長ホルモンの分泌は加齢とともに減るため性欲を維持させるためには「分泌を促す成分」を取る必要があります。アルギニンは成長ホルモンの分泌を促す成分の一つです。

 

健脳

9.5

「脳」の健康 に関わるグルタミン酸の働きは主に次です。

  1. 興奮性の神経伝達物質として
    グルタミン酸は脳に最も多く存在するアミノ酸です。中枢神経系の主要な興奮性神経伝達物質はグルタミン酸で、約70%の神経細胞が神経伝達物質として利用しています。
    グルタミン酸は興奮性の神経伝達物質として記憶・学習・認知など「考える」脳の働きにかかわります。

    なおグルタミン酸を摂取してもほとんどすべてが腸で代謝されます。 脳で活躍するグルタミン酸は脳にあるグルコースから作られます。

  2. 抑制性の神経伝達物質(のもと)として
    GABAは中枢神経系における抑制性の神経伝達物質として機能しています。脳の興奮を鎮めてリラックス効果をもたらします。GABAは脳内においてグルタミン酸のα位のカルボキシル基がグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)の作用によって取り除かれることによって生成されます。
  3. アンモニアの排出促進
    脳疲労の原因の1つが脳内でのアンモニアの増加です。
    脳に移行したアンモニアはグルタミン酸が処理します。グルタミン酸がグルタミン酸合成酵素の作用でアンモニアを取り込みグルタミンを生成することでアンモニアを無毒化します。

 

マイナスポイント 
細胞外のグルタミン酸の不足&過剰は脳に悪影響を与えることになります。
ここでのグルタミン酸の【不足・過剰】はグルタミン酸受容体への刺激が【弱い・強い】とイコールと捉えてください。
※グルタミン酸の摂取の不足&過剰のことではありません。

不足すると神経伝達の効率が低下し脳の機能が損なわれます。総合失調症の原因になります。
過剰になると神経細胞の「死」を引き起こします。アルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症など神経変性疾患の原因となります。

 

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グルタミン酸のサプリメント分析

合計 8/20点

カテゴリー別 点数

継続(価格は安いか) 3.5点

手軽(購入ルートは多いか)3.5点

選択(品揃えは豊富か)0.5点

貴重(食品から取りづらいor不足しやすいか)0.5

 
  1. 継続
    例えば海外のサプリで500㎎配合60粒入り(目安2粒/日)が約900円で購入可能です。

    グルタミン酸 500mg 60粒[サプリメント/健康サプリ/サプリ/アミノ酸/グルタミン酸/栄養補助/栄養補助食品/アメリカ/ベジタリアンカプセル/サプリンクス]

     

  2. 手軽
    グルタミン酸単体(グルタミン酸がメイン成分)サプリはネットで購入可能です。グルタミン酸が含まれているプロテインやアミノ酸複合サプリであれば店舗・ネットで購入可能です。

  3. 選択
    某ECサイトで「グルタミン酸 サプリメント」検索すると約5.6千件ヒットします。ただしグルタミン酸が含まれているプロテイン・アミノ酸複合サプリで、またはグルタミンで引っかかります。
    ぱっと探したらところズバリの「グルタミン酸」のサプリは先ほどのサプリンクス経由で買えるものしか見当たりませんでした。アイハーブでも見当たりません。
    グルタミン酸のサプリをどうとらえるか(グルタミンでもOKとか)によりますが、ここではズバリそのものとして評価します。となると選択肢はほぼないと言えます。
  4. 貴重
    グルタミン酸は食品中のたんぱく質を構成するアミノ酸のうち一番多く含まれているアミノ酸です。なのでたんぱく質をしっかり取っていれば不足を考える必要はありません。
    また意識せずともうまみ調味料(=グルタミン酸ナトリウム)からも体内に取り入れられています。

    金色に輝く昆布たっぷりのだしパック 函館真昆布の極意8g×5パック入り 賞味期限2019年10月10日★旨味成分のグルタミン酸が従来品の8倍以上♪函館真昆布30%♪★原材料は静岡県焼津産のこだわり鰹節と北海道函館産の真昆布・煮干しのみ♪賞味期限2019年10月10日

     


    グルタミン酸に関しては、心配なのは不足よりも過剰です。
    グルタミン酸を一度に大量摂取すると、頭痛や手足のしびれが起きるとされています。
    グルタミン酸を長期間に渡り多量を摂取し続けると、睡眠障害(不眠症)・神経症・幻覚といった症状を引き起こすとされています。

 

 

おすすめ品

おすすめ理由
とにかくなにがなんでも「グルタミン酸」をサプリから取りたいと考えたらコレだと思います。というか純粋な?「グルタミン酸」のサプリってこれしか発見できませんでした・・・

 

 

 

グルタミン酸との組み合わせ

グルタミン酸と相性の良い成分 7つ厳選

  1. グルタミン
  2. ビタミンB6
  3. グリシン
  4. システイン
  5. アルギニン
  6. イノシン酸
  7. グアニル酸

 

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そのうち2つをPICK UP

①グルタミン

これはグルタミンとグルタミン酸を一緒に取りましょうというわけでありません。
グルタミンとグルタミン酸は一心同体というか、体内ではグルタミン⇄グルタミン酸の関係です。

 
グルタミンとグルタミン酸は体内で相互変換

・グルタミン酸+アンモニア→グルタミン ※ATPが必要 

・グルタミン→グルタミン酸+アンモニア

グルタミン酸+アンモニア→グルタミンの反応を触媒する酵素がグルタミンシンテターゼ

グルタミン→グルタミン酸+アンモニアの反応を触媒する酵素がグルタミナーゼ

 

ということで万万が一、体内のグルタミン酸が不足することでもあったらグルタミンから補うようになります。そうなると「筋肉のグルタミンが減って」=「筋肉量の減少」ということになります。

とにかく体内のグルタミン酸をキープしておきたい from サプリと考えるならば、グルタミンかテアニンのサプリを取ることをお勧めします。

 

⑥イノシン酸 ⑦グアニル酸

グルタミン酸とイノシン酸とグアニル酸といえば三大うま味成分です。うま味成分は単独で取るよりもグルタミン酸を軸として2つ以上を掛け合わせることで【相乗効果により】さらにうまくなります。例えば昆布(グルタミン酸)と鰹だし(イノシン酸)を混ぜたほうが単独よりうま味が増します。

これ「味」に関しての相乗効果です。

大事なことなのでもう一回言っておきます「味」に関しての相乗効果です。
※栄養成分的な相乗効果もあるかもしれませんが、調べていません。

 

グルタミン酸のまとめ

グルタミン酸 評価

総合評価 A 99点 

分析【見た目編】44.5

分析【中身編】46.5

分析【サプリ】8

 

グルタミン酸 履歴書

  1. サプリ服用歴 
  2. 1カ月にかけるサプリ代 
  3. マイサプリ軍の位置づけ 
  4. よく購入するメーカー

 

 

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