コリン アセチルコリンの前駆体

コリン

 

水溶性のビタミン様物質
アセチルコリンの前駆体

 

コリンとは

コリンについて

  • コリンは水溶性のビタミン様物質に分類されます。

    ビタミン様物質

    ビタミンと似た生理作用をもっている有機化合物のことをいいます。ビタミン同様に代謝において重要な役割を果たします。が、ビタミンの定義から外れているためこのように呼ばれます。
    ビタミンの定義は簡単にいうと
    「必要量は微量であるが、体内で合成できない」
    「合成できたとしてもその量が十分でなく外から取り入れなければならない」
    です。

    ※コリンの定義は一筋縄ではいかない(書籍・サイトによりけり)ためここでは水溶性のビタミン様物質でいかせていただきます。

  • コリンは生体内ではセリンとメチオニンから合成されます。

  • 体内で作ることはできます。ですが、これに「ある程度」という枕詞がつけられます。
    コリンは体内で生成される量だけでは足りないので、積極的に外から取り入れる必要があります。

  • アメリカではコリンの食事摂取基準=適正摂取量が定められており、「必須栄養素」として認知されています。

  • コリンは生体内において主に3つの経路にて代謝されます。

    ①リン酸化→レシチンを合成

    ②アセチル化→アセチルコリンに変換

    ③不可逆的に酸化→ベタインに変換

  • それゆえに生体内でコリンは3つの重要な役割を果たします。
    レシチンの前駆体として→リン脂質の構成成分として機能

    アセチルコリンの前駆体として→神経伝達物質として働く

    ベタインの前駆体として→メチル基供与体として働く

  • なのでコリンの補給は
    細胞膜の安定化&脂肪の代謝促進
    (by レシチン

    集中力&記憶力UP
    (by アセチルコリン

    正常なホモシステインの代謝に寄与
    (by ベタイン

    といった効果をもたらします。

コリンの補足 その1

  • 体内のコリンの代表的な供給源となるのは食物由来のリン脂質の中のコリンです。

  • より具体的にいうとレシチン(ホスファチジルコリン)由来のコリンです。

    グリセロリン脂質

    リン脂質は大きくグリセロリン脂質スフィンゴリン脂質にわけられます。

    レシチンとは

    引用元
    卵黄レシチンとは レシチンとは
    キューピー(株)

    生体膜に一番多く含まれるリン脂質はグリセロリン脂質です。リン脂質のうち70%以上はグリセロリン脂質で占められています。なのでリン脂質といったら基本 グリセロリン脂質のことを指していると考えてください。グリセロリン脂質にはさらに種類があります。

    • PC ホスファチジルコリン
    • PE ホスファチジルエタノールアミン
    • PI ホスファチジルイノシトール
    • PS ホスファチジルセリン
    • PA ホスファチジン酸

    ここでのレシチン

    グリセロリン脂質のうちの「ホスファチジルコリン」のことを「レシチン」といいます。
    また、現在では「リン脂質を含む脂質製品群の総称」を「レシチン」とも呼びます。

    つまりレシチンは広義ではリン脂質狭義ではホスファチジルコリンのことを指します。

    ここでは、「レシチン」といったら狭義のホスファチジルコリンを指しているものと捉えてください。
    なのでホスファチジルコリンのことは「レシチン」として記載していきます。

    ※どうしてもホスファチジルコリンを強調したい場合ホスファチジルコリンまたはレシチン(ホスファチジルコリン)と記載しています。

  • 食事から摂取したレシチンが酵素ホスホリパーゼA2により加水分解されることでリゾレシチン脂肪酸が生成されます。
    うちリゾレシチンが酵素リゾホスホリパーゼにより加水分解されグリセロホスホリルコリン(GPC)に代謝されます。そのグリセロホスホリルコリン(GPC)が酵素ホスホジエステラーゼの作用によりコリンが生成されます。

    摂取したレシチンすべて→コリンではなく、レシチンの一部→コリンを生成です。レシチンはコリンの供給源の1つです。
  • コリンは外からの供給以外にも、生体内の細胞膜のレシチン(ホスファチジルコリン)を分解して動員される代謝経路もあると想定されています。

コリンの補足 その2

  • コリンは体内で合成できます。
    .
    が、その量はわずかです。
    基本、合成できなものと考えていいかもしれません。

    Choは体内で合成されないので,食事からの摂取が必要である。Choは生命に必須であることは明確であり,十分な摂取量が与えられない健常人に生じる効果を検討して発表された唯一の成分である。

    引用元
    脱アシルリン脂質 : グリセロホスフォコリンの調製と中枢賦活機能剤の開発 
    3/13 PDF
    J-STAGE

    ※Cho=コリン

  • となると食事からの補給が重要となります。
    コリンを含む「リン脂質」が多い食品として有名なものは

    卵(卵黄)

    大豆

    レバー

    の3つです。

  • このなかで一番のおすすめは卵(卵黄)です。卵黄に含まれているリン脂質中の約8割はレシチン(ホスファチジルコリン)=PCです。
    卵黄レシチンの組成例

    ・水分 50%
    ・たんぱく質 17%
    ・脂質 33%

    上記 脂質の内訳

    • トリアシルグリセロール 65%
    • リン脂質 30%
    • コレストロール 5%

     

    上記 リン脂質の内訳


    • PC  80%
    • PE 16%
    • SPM  2%
    • LPC 2%

     

    参照
    卵黄レシチンとは 卵黄の組成 
    キューピー(株)

  • 一方で、大豆のレシチンは約3割にとどまります。

    大豆レシチンの組成例

    ・リン脂質 47%
    ・他成分 53%
    ※脂肪酸や炭水化物・糖脂質など

    47%のリン脂質の内訳

    • PC  15%
    • PE 11%
    • PI  10%
    • PA 4%
    • その他 7% 

    ※円グラフは比率計算したものです。

     

    参照
    (案)添加物評価書 ひまわり レシチン P9 6-表3  2013年6月 食品安全委員会添加物専門調査会PDF

  • 卵2つ分でアメリカの成人男性向け推奨摂取量の半分ぐらいとれます。

 

摂取量について

550/日 成人男性
425/日 成人女性

1998年にアメリカのThe Federation of American Societies for Experimental Biology (FASEB)は、「コリン」を必須栄養素として認識し、適正摂取量を定めています。

  男性 女性
「コリン」適正摂取量(成人) 550mg/日 425mg/日


引用元

大事な栄養素「コリン」
健康専科 日油(株)食品事業部

※アメリカにおける推奨摂取量です。日本では推奨摂取量は定義されていません。

 

コリンの効果・効能

コリンの効果・効能 3つ激選

  1. 集中力・記憶力の向上(アセチルコリンの前駆体として)
  2. 細胞膜の安定化(ホスファチジルコリンの前駆体として)
  3. ホモシステインの代謝(ベタインの前駆体として)

 

そのうち1つを詳しく

②細胞膜の安定化(ホスファチジルコリンの前駆体として)

コリンは「ホスファチジルコリンの前駆体として細胞膜の安定性を保つ」ことに寄与しています。
「」を説明するためにまずは前提知識として脂質、リン脂質について簡単に説明したいと思います。

 

【脂質】

脂質の「定義」は水に溶けず、有機溶媒に溶ける性質をもつ化合物の総称です。

脂質は大きく単純脂質複合脂質誘導脂質の3つに分類されます。

  • 単純脂質
    脂肪酸と各種アルコールのエステル
  • 複合脂質
    単純脂質にリン酸、糖などが結合したもの
  • 誘導脂質
    単純脂質、複合脂質の加水分解で生じるもの

リン脂質は複合脂質です。

 

【リン脂質】

リン脂質の特徴は両親媒性【親水性と疎水性を併せもっている】であることです。

両親媒性

水との親和性が高く、水に溶けやすい性質のことを親水性といいます。
水との親和性が低く、水に溶けにくい性質のことを疎水性といいます。


出典元
水と油が仲良く同居 ―乳化と可溶化―
化粧品の基礎知識
日本化粧品工業連合会

分子内に親水基と疎水基を併せもっている分子を両親媒性分子といます。両親媒性物質は界面活性剤とも呼ばれます。
※ここでは疎水基=新油基と捉えてください

そのため水と油をなじませミセルを形成する性質があります。


出典元
水と油が仲良く同居 ―乳化と可溶化―
化粧品の基礎知識
日本化粧品工業連合会

この性質が「血中脂肪の運搬」【細胞膜の構成】に大きく役立ちます。

 

 

【リン脂質の種類】

リン脂質はグリセリンを骨格とするグリセロリン脂質スフィンゴシンを骨格とするスフィンゴリン脂質の2種類に分類されます。

  • グリセロリン脂質
    ホスファチジン酸【グリセリンと脂肪酸2分子、リン酸1分子がエステル結合】リン酸に塩基が結合
  • スフィンゴリン脂質
    セラミド【スフィンゴシンのアミノ基に脂肪酸1分子がアミノ結合】リン酸と塩基が結合

    ※基本構造です。例外あり。

【グリセロリン脂質】

グリセロリン脂質についてもう少し踏み込みます。

上でグリセロリン脂質を
「ホスファチジン酸【グリセリンと脂肪酸2分子、リン酸1分子がエステル結合】リン酸に塩基が結合」
と説明しました。

これをより詳しく言うと
「グリセリンの1位、2位の炭素に脂肪酸が3位の炭素にリン酸を介してさまざまな水酸基をもった化合物が結合」
となります。
結合している化合物の違いによりさまざまな種類に分けることが出来ます。
以下、代表的なグリセロリン脂質です。

PA  ホスファチジン酸

PC  ホスファチジルコリン【コリン】

PE  ホスファチジルエタノールアミン【エタノールアミン】 

PI  ホスファチジルイノシトール【myo-イノシトール】

PS  ホスファチジルセリン【セリン】

【】結合している化合物

先ほどリン脂質の性質が【血中脂肪の運搬】【細胞膜の構成】に大きく役立ちます。
と述べました。

ここで後者について説明したいと思います。

 

スフィンゴミエリン

ここではスフィンゴリン脂質を完全スルーしていますが、スフィンゴリン脂質も当然ですがリン脂質として生体内で活躍します。その代表ともいえるのがスフィゴミエリンです。スフィンゴミエリンはセラミドとリン酸とコリンが結合したものです。

スフィンゴミエリンはのちの働き分析においてたびたび登場します。コリンは「スフィンゴミエリンの構成成分である」ことも頭の片隅に入れておいてください。

 

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【細胞膜の構成成分 リン脂質】

こちらは細胞のイラストです。

外側の囲いが細胞膜です。
細胞膜にクローズアップします。


これが細胞膜です。
膜が2層になっているのがお分かりでしょうか。

細胞膜はこの【丸〇とその下に2つついているヒラヒラ】の列を一層として、2層が重なっている構造をしています。これを脂質二重層といいます。
この列は主に脂質で構成されているのですが、その大部分がリン脂質です。


【丸〇とその下に2つついているヒラヒラ】はリン脂質で、隙間にコレストロールが存在します。
なお〇の部分がリン脂質の頭部2本のヒラヒラが尾部です。

頭部は水になじみやすく=親水性、尾部は水になじみにくく=疎水性 なっています。


このイラストの白いスペースが細胞の内外だとイメージしてください。
頭部=親水性が細胞内外つまり水の部分に接する部分に位置しています。
そして尾部=疎水性は内側に入っていき、水から遠ざかるような場所で接しています。

細胞膜がこのような

【親水性部分が外側に向いている】
→膜全体は水の部分(細胞内外)の環境になじむ

【疎水性部分が内側に向いている】

→水との接触をさける

.
リン脂質の二重層になっているため

【溶媒・小さな分子は通す】 
 but 
【溶質・大きな分子は通さない】

溶媒 他の物質を溶かす働きがある液体 
溶質 溶媒に溶けた物質
溶液 溶質が溶媒にとけた液全体

.
ようなメカニズムになっています。
なので細胞の内側、外側をしっかりと区切ることができます。

「細胞の内側、外側と異なる環境を作りだす」
これが細胞膜の役割です。

この役割を果たす細胞膜には

  • 栄養素や酸素の取り込み
  • 不要な老廃物や有害物質の排出
  • 浸透圧の調整
  • 刺激に対する応答
    細胞膜上の受容体があります。細胞外のシグナル分子と結合すると情報が伝達されます。

.
などの働きがあります。

 

コリンは「ホスファチジルコリンの前駆体として細胞膜の安定性を保つ」ことに寄与しています。
これを説明するために長々と説明してきました。

そろそろ結論に移りたいと思います。

細胞膜のリン脂質の組成は細胞が属する組織により異なりますが、生体膜リン脂質トータルのうち大部分がグリセロリン脂質で、そのなかでもホスファチジルコリンが一番多く含まれています。

 

引用元
もっと知りたい!!PSについて 
健康専科 日油(株)食品事業部

 

なので細胞膜を形成するうえでもっとも大事な成分がホスファチジルコリンといっていいかもしれません。

このことをざっくりまとめると

  • 細胞膜の主成分は
    →リン脂質
  • リン脂質のうちどっちが多い
    →グロセロリン脂質
  • グリセロリン脂質のうち何が多い
    →ホスファチジルコリン

です。

これをもとに極論をいうと
細胞膜の主成分はホスファチジルコリン
ということになります。

さてこのホスファチジルコリンはホスファチジン酸【グリセリンと脂肪酸2分子、リン酸1分子がエステル結合】のリン酸にコリンが結合することで生成されます。

なのでコリンは、「細胞膜を構成しているリン脂質の成分として不可欠な存在であって、生体にとって必須の栄養成分である」と言えます。

ということでコリンはホスファチジルコリンの前駆体として細胞膜の安定性を保つ」ことに寄与しています。

 

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コリンの働き分析【見た目編】

合計 42/60点

カテゴリー別 点数

薄毛 8点

白髪 7点

美肌 7点

美白 6.5点

筋肉 6.5点

脂肪 7点

 
 

薄毛

8点

「薄毛」改善 に関わるコリンの働きは主に次です。

  1. 細胞膜の安定性
    細胞膜は細胞内に必要なものを取り入れ、細胞外に不要なものを排出する役割を果たしています。

    髪でいうと栄養素や酸素は毛乳頭細胞の「細胞膜」を通して細胞内に取り入れられます。

    そして栄養素などを受け取った毛乳頭が発毛の「シグナル」をだし、そのシグナルを受け取った毛母細胞が細胞分裂をすることで髪は生まれ育っていきます。
    細胞膜の主成分はリン脂質です。リン脂質のうちレシチン(ホスファチジルコリン)が最も多く含まれます。
    コリンはレシチンの前駆体です。コリンの摂取は細胞膜の安定性を保つことにつながります。
    髪であれば、髪(頭皮)にある毛乳頭細胞や毛母細胞の健康維持につながることになります。

  2. アセチルコリン
    アセチルコリンには末梢血管を弛緩し、血流を良くする作用があります。
    この作用は髪に関していえば頭皮の血管を拡張し、毛根への血行を促すことにつながります。
    なのでよくアセチルコリン作用に類似した作用を示す あるいは アセチルコリン作用を増強させる成分が育毛剤(発毛剤)に配合されています。

    発毛促進剤「カロヤン」に含まれる成分カルプロニウム塩化物はまさにそれです。


    もちろん外用(塗布)と内用(経口摂取)の違い作用する力の違い(カルプロ二ウム塩化物はアセチルコリンの約10倍)、作用の持続性の違い(アセチルコリンはコリンエステラーゼによる分解を受けます)などがありますが、血管を拡張させる作用を有するアセチルコリンが体内に増えることは髪にはプラスに働くと考えられます。コリンはアセチルコリンの前駆体です。

  3. ホモシステインの代謝
    髪に必要な栄養素や酸素は毛細血管により髪(頭皮)の細胞に運ばれます
    ホモシステインは血管を傷つけ血管の老化を促します。このことは栄養素や酸素の運搬が滞ることになります。

    ホモシステイン

    ホモシステインはメチオニン代謝における中間代謝物の1つです。ホモシステインは通常であればメチオニンに再生あるいはシステインへと変換されていきます。「代謝異常」が起こると、ホモシステインが細胞内から血液中に移動し蓄積してしまいます。

    ベタインはホモシステインの再メチル化を促進し、血液中の蓄積を防ぎます。ベタインの前駆体がコリンです。

 

白髪 

7

「白髪」予防 に関わるコリンの働きは主に次です。

  1. 細胞膜の原料
    黒髪のもととなるメラニンは毛包内の毛母細胞に隣に存在する色素細胞(メラノサイト)でチロシンとチロシナーゼ酵素が結びつくことで生まれます。
    この色素細胞はバルジ領域に存在している色素幹細胞で生成されています。


    バルジ領域は皮脂腺の下あたりにあります

    これら細胞の「機能が衰える」または「数が減る」ことは白髪につながります。
    細胞の機能の衰えは細胞膜の機能の低下によりもたらされます。その原因となるのは細胞膜の酸化細胞膜の原料の不足です。コリンは細胞膜の原料です。

美肌

7点

「美肌」作り に関わるコリンの働きは主に次です。

  1. 肌の表皮
    表皮の角質層を構成する角質細胞の間には、「細胞間脂質」という脂質があります。

    細胞間脂質は細胞と細胞をつなぎとめており、肌のバリア機能と水分保持機能の役割を果たしています。細胞間脂質の半分以上はセラミドで占められています。

    角質層のセラミド顆粒層にあるグルコシルセラミドとスフィンゴミエリンが、各々酵素の働きにより加水分解されることで生成されます。
    スフィンゴミエリンはコリン含有リン脂質です。スフィンゴミエリンはセラミドにリン酸コリンが結合したものです。

  2. 肌の新陳代謝
    コリンは細胞膜の構成に必須の成分で、その摂取は細胞の活性化につながります。細胞の活性化は肌においては肌の新陳代謝=肌細胞の生まれ変わり=肌のターンオーバーを促進させます。

 

美白

6.5

「美白」ケア に関わるコリンの働きは主に次です。

  1. 肌のターンオーバー
    シミができるメカニズムは以下です。
    ①メラニンが過剰に作られる

    ②メラニンが肌のターンオーバーとともに排出されない

    ③メラニンが肌の細胞に色素沈着する

    シミを減らすには紫外線対策などをして過剰に作らせないのが前提ですが、なにより肌のターンオーバーを促進させることが大切です。ターンオーバーが正常に行われていれば、シミになりにくくなります。

    肌のターンオーバーを正常化させるには細胞の材料となる栄養素をしっかりとることが大切です。コリンは細胞を覆っている細胞膜の材料の1つです。

筋肉

6.5

「筋肉」増強 に関わるコリンの働きは主に次です。

  1. 骨格筋収縮
    筋肉の収縮のメカニズムを簡単に説明すると以下になります。

    興奮が運動神経に到達

    ①神経筋接合部に到達

    運動神経終末からアセチルコリンが放出

    筋細胞膜にあるアセチルコリン受容体に結合

    興奮が伝達

    ④筋小胞体からカルシウムイオンが放出される

    ⑤カルシウムイオンがトロポニンと結合する

    ⑥トロポミオシンの構造が変化する

    ⑦アクチンとミオシン頭部が結合する

    ⑧【ATPのエネルギーを使って】アクチンがミオシン側に滑り込む

    筋収縮


    図1:筋肉の構造。ミオシンフィラメントとアクチンフィラメントの相互作用により筋肉は収縮する。

    引用元
    筋肉のタンパク質、ミオシンの協同的な力発生を発見 〜時には綱引きチームのように〜
    東京大学 大学院理学系研究科・理学部 広報委員会

    ここで注目してほしいのは神経筋接合部の興奮性伝達物質であるアセチルコリンです。
    アセチルコリンは筋肉を「増やす」成分ではないのですが、前提である筋肉を「動かす」に深く関わる成分です。

    アセチルコリンはコリンとアセチルCoAを基質にしてChATの作用により生成されます。

 

脂肪

7点

「脂肪」減少 に関わるコリンの働きは主に次です。

  1. 脂肪の代謝
    コリンは生体内においてレシチンの前駆体として脂肪の代謝に関与します。

    脂肪をエネルギーとしてあるいは貯蔵物質として利用するために血中を移動させるにはアポたんぱく質(水になじみやすいたんぱく質)と結びつく【=リポたんぱく質を形成】必要があります。
    中性脂肪とコレステロールを中心にしてリン脂質を主成分とする膜で覆い、その膜がアポたんぱく質と結合するとリポたんぱく質が形成されます。

    出典元
    総コレステロール
    おもな検体検査:血液生化学検査
    日経Gooday

    この脂肪とたんぱく質の結合にリン脂質の構成成分であるレシチンおよびその前駆体であるコリンが必要です。
    なのでレシチンおよびその前駆体であるコリンが不足すると、肝臓におけるリポたんぱく質の合成がスムーズにいかなくなります

    取り込んだ脂肪を肝臓外へ移送することができなくなり、肝臓に蓄えられてしまいます。俗にいう脂肪肝を招きます。
    コリンは抗脂肪肝因子として有名で、その摂取は脂肪の代謝改善につながります。

 

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コリンの働き分析【中身編】

合計 41.5/60点

カテゴリー別 点数

身体 7.5点

エネ 6.5点

病気 7.5点

体質 5点

精力 5.5点

健脳 9.5点

 

身体

7.5

「身体」の構成材料 に関わるコリンの働きは主に次です。

  1. 細胞膜の構成
    リン脂質は細胞膜の主成分です。リン脂質には種類があり、組織によりその組成は大きく異なっています。

    リン脂質の種類の一例

    ・グリセロリン脂質
    PA  ホスファチジン酸
    PC  ホスファチジルコリン
     
    PE  ホスファチジルエタノールアミン
    PI  ホスファチジルイノシトール 
    PS  ホスファチジルセリン など

    ・スフィンゴリン脂質
    SPM スフィンゴミエリン など

    生体内に最も多く存在するリン脂質はホスファチジルコリンです。

    引用元
    もっと知りたい!!PSについて 
    健康専科 日油(株)食品事業部

    ホスファチジルコリンは極性基にホスホコリン(リン酸化したコリン)をもつリン脂質です。
    なおスフィンゴミエリンはセラミドにホスホコリンがエステル結合したリン脂質です。

 

エネ

6.5点

「エネルギー」生成 に関わるコリンの働きは主に次です。

  1. 脂肪からエネルギー
    コリンは脂質の代謝を改善させる成分です。これは脂肪から効率よくエネルギーを産生することに関わることです。

病気

7.5点

「病気」予防 に関わるコリンの働きは主に次です。

  1. 高血圧予防
    アセチルコリンは血管を拡張して血圧を下げる神経伝達物質として働きます。

    コリンはアセチルコリンの前駆体です。

  2. 動脈硬化予防 その1
    コリンはレシチンの構成成分です。レシチンには血管壁内コレストロールの沈着を防ぐ作用があります。なので動脈硬化予防になります。
    レシチンは血液中の脂質の運搬を促し【脂質代謝を改善することで】血液中のコレステロール値を低下させる働きをします。

  3. 動脈硬化予防 その2
    ホモシステインとはたんぱく質の代謝過程でできるアミノ酸の一種で、必須アミノ酸のメチオニンの代謝における中間代謝物です。
    ホモシステインは血中のホモシステインは心血管疾患の危険因子とされ、その蓄積は動脈硬化のリスクを高めると言われています。

    ベタインはホモシステイン→メチオニンの代謝を促進しホモシステインの蓄積を防ぎます。ゆえに動脈硬化の予防に有効な成分といえます。コリンはベタインの前駆体です。

 

  • 重症筋無力症
    重症筋無力症とは、筋肉の力が低下する病気です。手足を動かすと筋肉がすぐに疲れてしまうのが特徴です。
    この病気には脳の命令を筋肉へ伝達する物質「アセチルコリン」が関係してきます。重症筋無力症はアセチルコリンの伝達を受け取る筋肉のアセチルコリン受容体に結合を妨げる抗体が出現することにより起きる病気です。

    ※コリンを摂取したところでどうこうということではありませんが、アセチルコリンが関わることなので記載しております。

 

マイナスポイント

経口摂取したコリンの一部は腸内細菌によりトリメチルアミン(TMA)に変換され、門脈を介して肝臓に運ばれ、酵素の作用によりトリメチルアミンオキサイド(TMAO)に変換されます。このTMAOは動脈硬化の危険因子とされています。

食品からの主なコリンの補給源はレシチンです。なので今述べたことは主にレシチン(に含まれるコリン)を摂取したケースととらえてください。
レシチンを摂取したら腸管内でコリンに加水分解され、そのコリンの一部が腸内細菌によりTMAに代謝され、そのTMAがTMAOに変換といった流れとなります。

TMAOが動脈硬化の危険因子であるのは結構有名な話です。TMAOの由来である「コリン」を含むレシチンの摂取制限をすべきと考えられているほどです。
考えられているほどといったヘンテコな表現になっているのはコリンが生体内に重要な役割をたくさん果たしているため、そう考えても実際は実行できないからです。

で、これややっこしいのがレシチンは動脈硬化予防に効く成分(上②で説明)という点です。

つまりレシチンをとったら動脈硬化のリスクを高める可能性予防になる可能性もあるということになります。

結局のところどっちなのよ??・・・と感じですが、
適当なことを言ってしまうと「過剰摂取しなければ問題ない」です。

参照
動脈硬化と腸内細菌叢をつなげる物質TMAOとは?
Mykinsoラボ 

 

体質

5点

「体質」改善 に関わるコリンの働きは主に次です。

  1. 肝機能
    コリンは「肝臓から脂肪を運搬する」にリン脂質の構成成分と関与します。そのため不足は肝臓での脂肪の蓄積=脂肪肝のリスクを高めてしまいます。
    つまるところコリンは肝機能を向上をさせる成分です。

 

  • 消化
    胃もたれ、胸やけなどの症状は消化管の運動機能低下が原因で生じます。
    消化管の働きにはアセチルコリンが関与します。
    (副交感神経が興奮すると)末端からアセチルコリンが放出され、消化管の働きを活発にさせます。

    なのでアセチルコリンの減少は【消化管の運動機能が低下することにより】胃もたれなどが起こりやすくなります。
    消化管運動調整薬はアセチルコリンの放出を増加させたり、アセチルコリンを分解する酵素の働きを阻害することなどを目的としています。
    コリンはアセチルコリンの前駆体です。

  • 発汗
    人間は暑い時、運動をした時に【体温調整をするために】発汗します。
    ※緊張した時、辛いものを食べた時にでる汗は一旦置いといてください。

    視床下部が体温上昇を感知すると交感神経の末端よりアセチルコリンが放出され、それが汗腺の受容体に結合すると汗がでます。
    アセチルコリンの前駆体はコリンです。

 

 

マイナスポイント

魚臭症とは文字通り魚が腐ったような臭いが身体(口臭や体臭)から臭う病気のことです。病気といっても臭いがする以外は健康面においては全く問題がありません。
臭いの原因となるのがトリメチルアミン(TMA)です。TMAは見覚えのある物質だと思います。先の病気項目「マイナスポイント」にて説明したTMAOの前駆体です。つまりコリンの代謝産物です。

コリンから生じたTMAは通常であれば肝臓で分解されます。肝臓に分解する酵素があるからです。
魚臭症はTMAを分解する酵素が生まれつきないときに起こる病気です。なので基本「先天性」の病気なのですが、肝機能が低下することにより「後天性」で発症するケースもございます。

魚臭症の根本的な治療法はなく、TMAの前駆体であるコリン含有食品の摂取制限が臭いを軽減するベストな方法とされています。

さて病気までとはいかなくともコリンの大量摂取&肝機能の低下のWパンチで魚臭くなる確率が高まります。
これ個人的に感じる節があります。

自分はレシチン中心にコリン含有およびコリン供給剤となるサプリをよく取ります。

さらにレシチンが多く含まれる卵(卵黄)をよく取ります。
プラスして加齢ともに肝機能は低下しているはずです。肝機能UPサプリをたくさん取っていますが、自然の流れに逆らえないので若い頃と比べて低下はしているはずです。

その結果(かどうかわかりませんが)、汗かいたときの体臭が臭いんです。

若干魚チックな臭いを醸し出すのです。魚が腐ったまではいかないんですけどギョギョギョ的な臭いがほんわりとするんです。

なんか加齢臭とも疲労臭(アンモニア臭)とも違う臭いがぷーんとするんです。これは明らかに若い時の汗の臭いと一線を画します。

ということで実体験としてコリン含有およびコリン供給剤を多く取ると臭くなるといえます。まあコリンが臭いのもととは断言はできませんが・・・

精力

5.5点

「精力」増強&「性機能」向上 に関わるコリンの働きは主に次です。

  1. 妊活サポート
    コリンは葉酸などとともに妊活に貢献する成分に挙げられます。
    ただ コリンは妊娠率を上げるというよりは、新生児が健康に育つために母親が摂取する必要がある成分としてピックアップされています。
    妊婦のコリンの十分な量の摂取が新生児の脳の発達を促すとの研究報告もあります。

    実際、その逆(コリンの不足)は

    コリンは妊娠初期において正常な神経管閉鎖のために必要である、食事性コリン摂取量の最低(下位 25%)の妊婦は、神経管欠損を伴う新生児を持つリスクが 4 倍であった(最高上位 25%の妊婦に比較して)。

    引用元 
    脂質系栄養素:コリンの普及に際し、アメリカの現状から
    15/18 PDF
    J-STAGE

    とのことです。

 

健脳

9.5

「脳」の健康 に関わるコリンの働きは主に次です。

  1. 脳組織
    脳は臓器の中で最も脂質を多く含んだ組織といわれています。成人の脳の乾燥重量の約6割は脂質で構成されています。総脂質の半分はリン脂質で構成されます。

    脳のリン脂質のうちホスファチジルコリンが約30%、スフィンゴミエリンが約17%含まれています。

    つまるところ脳組織のリン脂質の約半分はコリン含有リン脂質ということになります。
    脳の健康維持にコリンは必須の成分です。

  2. 脳内の神経伝達物質として
    アセチルコリンは脳内の神経伝達物質として記憶・認知・学習に関与します。アセチルコリンは神経細胞内でコリンとアセチルCoAを基質にしてChATの作用により生成されます。
    なので脳内のアセチルコリンの増加は脳内にいかにコリンを供給するかが鍵となります。

    アセチルコリンおよびコリン分子は血液脳関門を通過できません。なので血液脳関門を通過できるコリンの前駆体またはコリンの補給剤となる成分の摂取が重要となります。

    コリンの前駆体あるいはコリンの供給剤

    コリンの前駆体あるいはコリンの供給剤として有名なものは、レシチン(ホスファチジルコリン)、α-GPC、CDPコリン(シチコリン)、重酒石酸コリン、DMAEなどがあげられます。これらは血液脳関門を通過することができます。

    海外で販売されている「コリン」サプリの原料は重酒石酸コリンはあるいはCDPコリン(シチコリン)だと思います。

    コリンの前駆体あるいはコリンの供給剤の摂取は脳内のアセチルコリンを増やすことにつながり集中力や記憶力を向上させます。

  3. アルツハイマー型認知症
    アルツハイマー病の患者の脳ではアセチルコリンの減少が確認できています。そのため認知症の治療薬としてアセチルコリンエステラーゼ阻害薬が用いられます。
    この阻害薬はアセチルコリンを分解する酵素の働きを抑えることで、脳の中でアセチルコリンが減るのを防ぎます。

    先にあげたコリンの前駆体あるいはコリンの供給剤の摂取は脳内のアセチルコリンの合成と放出を促進させます。

 

 

コリンのサプリメント紹介

 
コリンがメイン成分のサプリメントを紹介します。
 
Now Foods

シチコリン [安定化したCDPシチコリン (シチジン5’ジフォスフォコリン)] は自然に発生する媒介物で、脳組織の灰白質の主要構成要素 (30%)、ホスファチジルコリンの合成に関与します。シチコリンの摂取は、アセチルコリンの合成を高め、脳内のリン脂質含有量を回復させて、記憶力とその他の脳の活動にポジティブな影響を与えることにより、脳の代謝を促進します。

引用元
Jarrow Formulas, シチコリン, CDPコリン, 250 mg, カプセル120粒
iHerb.com

 
 
Now Foods

コリン & イノシトールはBビタミン群の一員です。コリンは通常のシナプス伝達、脳の健康と肝臓の脂肪酸代謝のために必要です。イノシトールも脳と神経システムの健康のために欠かせません。コリンとイノシトールは双方とも全ての細胞膜に欠かせない構成成分です。

引用元
Now Foods, コリン & イノシトール、500 mg、100粒
iHerb.com

 

コリンが含まれているサプリメントを紹介します。

Now Foods

NOWブレインエレベートは健康な大脳機能をサポートするように科学的に調合されています。ブレインエレベートには、フリーラジカルスカベンジャーとして知られている2種の植物抽出物であるGinkgo bilobaとRoseOxを特徴としています。この製品はさらに最適な結果を促進する重要な脳栄養素として、ホスファチジルセリン、L-グルタミン、およびコリンが配合されています。

引用元
Now Foods, ブレーン・エレベート™, 120 ベジカプセル
iHerb.com

 
 
商品説明文の引用元 iHerb.comでも購入可能です。その際 iHerb紹介コード=ALH5806 ご利用いただけたら幸いです。 リンクから飛んでいただくと、自動的にコード適応になります。

 

 

コリンのまとめ

分析【見た目編】42

分析【中身編】41.5

 

コリン アセチルコリンの前駆体 参照一覧

コリン 食品安全委員会肥料・飼料等専門調査会 食品安全委員会農薬専門調査会

レシチン・コリンの効果と摂取量 健康長寿ネット 公益財団法人長寿科学振興財団

脂質系栄養素:コリンの普及に際し、アメリカの現状から J-STAGE

脱アシルリン脂質 : グリセロホスフォコリンの調製と中枢賦活機能剤の開発 J-STAGE

バクテリア由来新規ホスホリパーゼ J-STAGE

大事な栄養素「コリン」 健康専科 日油(株)食品事業部

α-GPCについて  健康専科 日油(株)食品事業部

もっと知りたい!!α-GPCについて 健康専科 日油(株)食品事業部

 

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