5-HTP
アミノ酸の1種
トリプトファンの代謝産物
セロトニンの前駆体
トリプトファンとセロトニンの中間体
5-HTPとは
5-HTPについて
- 5-HTPは5-ヒドロキシトリプトファンの略です。
- 5-HTPはトリプトファンの代謝産物です。
- 5-HTPはトリプトファンの代謝経路の1つセロトニン経路にて以下の流れで生成されます。
トリプトファン→5-HTP→セロトニン→5-HIAA (5-ヒドロキシインドール酢酸)
一連の酵素反応
トリプトファン→5-HTP トリプトファン水酸化酵素
5-HTP→セロトニン 芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素
セロトニン→5-HIAA モノアミン酸化酵素(MAO) 他
- ご覧の通りセロトニンの前駆体であるため、5-HTPの摂取はセロトニンを増やす(=精神を安定させる)効果が期待できます。
- なお睡眠ホルモン「メラトニン」はセロトニンを原料に脳の松果体で生成されます。
なので5-HTPの摂取はメラトニンを増やす(=快眠に導く)効果も期待できます。
- 5-HTPは海外ではサプリメントとして販売されていますが、日本国内では医薬品扱いとなっています。そのため購入は個人的な使用に供することを前提として個人輸入代行会社を利用する形となります。
- 海外の5-HTPのサプリメントの原料となっているのがアフリカ原産の植物「グリフォニア・シンプリシフォリア」の種です。この種子から5-HTPが抽出されます。
どのメーカーのも原料は基本グリフォニア・シンプリシフォリア種子抽出物だと思います。
※すべてを確認したわけではありませんので断言はできません。
摂取量について
日本では医薬品扱いのため、サプリメントとして販売されていません。
5-HTPの効果・効能
5-HTPの効果・効能 2つ厳選
- セロトニンの前駆体(精神安定効果など)
- メラトニンの前駆体(不眠改善効果など)
そのうち1つを詳しく
セロトニンの前駆体(精神安定効果など)
体内においてトリプトファンは【精神を安定させる働きをする】セロトニンや【不眠を改善する効果&アンチエイジング効果をもたらす】メラトニンといったホルモンに代謝されます。
5-HTPはトリプトファンがセロトニンへ変換される際の中間体にあたります。
※セロトニンおよびメラトニンの働きの詳細はこの段落の最後にまとめています。
トリプトファン代謝のセロトニン経路(セロトニン・メラトニンの合成に向かう経路)は以下の流れになります。
トリプトファン→5-HTP→セロトニン→5-HIAA(5-ヒドロキシインドール酢酸)
- トリプトファン→5-HTP トリプトファン水酸化酵素
- 5-HTP→セロトニン 芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素
- セロトニン→5-ヒドロキシインドール酢酸(5-HIAA) モノアミン酸化酵素(MAO) 他
※セロトニンまでの流れは上記と同じ
→セロトニン→N-アセチルセロトニン→メラトニン
- セロトニン→N-アセチルセロトニン セロトニンN-アセチル基転移酵素(NAT)
- N-アセチルセロトニン→メラトニン ヒドロキシインドール-O-メチル基転移酵素(HIOMT)
ここでセロトニンに焦点を当てます。
体内で トリプトファン→5-HTP→ といった代謝を経て作られる「セロトニン」を食品およびサプリからで「増やす」と考えた場合は
- ずばりの「セロトニン」を取る
- セロトニンの前駆体の「トリプトファン」を取る
- セロトニンの直接の前駆体の「5-HTP」を取る
の3つが考えられます。
ここで「脳内の」セロトニンと脳内に限定した場合は①は外れます。というのもセロトニンは血液脳関門を通過することができない物質だからです。
血液脳関門とは、脳毛細血管の内皮細胞同士の密着結合により形成されているバリア機能のことです。
血液脳関門は脳に有害な物質を通さないために、その物質が脳に必要なものかを判別している「関所」とよく例えられます。
②のトリプトファンと③の5-HTPは通過できます。
なので「脳内のセロトニン」を「増やす」と考えた場合は②or③のどちらかからでということになります。
以下の理由【トリプトファンの悪口】よりベターな選択肢は③の5-HTPからといえます。
①トリプトファンはいろんな物質に代謝される
摂取したトリプトファンは様々な物質に代謝されます。
トリプトファンの代謝経路は先にあげたセロトニン経路(セロトニン・メラトニンの合成に向かう経路)以外にキヌレニン経路(キヌレニンをはじめとする代謝産物が合成される経路)があります。
例えばトリプトファンはナイアシンの原料としても有名ですが、このナイアシンはキヌレニン経路にてキヌレニン、キノリン酸を経て生合成されます(この経路は別途、NAD経路と呼ばれます)。
またトリプトファンはご存知の通り必須アミノ酸です。摂取したトリプトファンは当然ですがたんぱく質の合成にも利用されます。
②ほとんどはキヌレニン経路に
トリプトファンの代謝経路は大別するとセロトニン経路とキヌレニン経路です。それでは摂取したトリプトファンが均等にこの2つの経路にわかれるのかといえば、そうではありません。その大部分はキヌレニン経路に向かいます。そしてナイアシンに代謝あるいは完全分解(エネルギー源として)されます。
セロトニン経路に向かうトリプトファンの量は非常に少ないです。率でいうと1%や5%以下などといわれています(数値は諸説あり。とりあえずかなり低い数値ということだけは間違いありません)。つまるところトリプトファンを摂取したところでセロトニンに変換される量は少ないと考えられます。
③変換工程が1つ多めに必要
セロトニンの合成経路はトリプトファン→5-HTP→セロトニンです。
当たり前のことをいいますが、このトリプトファン→5-HTP→セロトニンの変換には酵素および補酵素の働きが必要となります。
なのでそれに関与するビタミン・ミネラルの存在も当然ですが「重要」となります。特に重要とされている成分がビタミンB6です。ビタミンB6が不足していると元がいくらあってもセロトニンが合成されないと考えてください。
トリプトファンは5-HTP経てからセロトニンになります。5-HTPは直接セロトニンになります。
トリプトファンからだとトリプトファン→5-HTPの「→」に関わる成分&エネルギーがその分多めに必要となると考えられます。
④アミノ酸同士のトランスポーターの競合
脳内にセロトニンを増やすことを目的としてトリプトファンを摂取する場合にはBCAAやフェニルアラニン、チロシンなど他のアミノ酸の存在に気をつける必要があります。
というのもアミノ酸は血液脳関門の通過するにあたりアミノ酸トランスポーターを使うのですが、今あげたアミノ酸とトリプトファンは共通のトランスポーターを利用するからです。
つまりこれらとトリプトファンを同時に摂取するとトランスポーターの競合が起こってしまい、血液脳関門を通過できるトリプトファンの量が減ってしまう=脳内に作られるセロトニンの量が減ることになります。
トリプトファンと5-HTPはともに血液脳開門を通過できるセロトニンのもとです。
ですが、トリプトファンからだとさまざまな障害(上記①~④)をクリアしていく必要があります。
一方で5-HTPからだとその障害を迂回することができます。
なので「脳内のセロトニン」を増やすことのみを目的とするのであればトリプトファンからではなく5-HTPのサプリからの摂取がベターな選択肢といえます。
と書きましたが、なんがかんだでやはりトリプトファン(のサプリ)からを勧めます。
理由としては3つ挙げれます。
①日本では食品として販売が認められていない
②副作用の心配がある
①②コンボで厚生労働省と千葉県が注意喚起している記事がこちら
医薬品成分を含有する健康食品の発見について
③脳内のセロトニンは多ければよいというわけではない。
脳内のセロトニン濃度が高いとセロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、錯乱、せん妄、体の震え、手の震え、発汗、発熱etc)を発症するおそれがあります。
脳内にセロトニンが過剰に増えることは中枢性疲労の原因にもなります。
セロトニンおよびメラトニンの生体内の役割のまとめ
約90%が小腸粘膜に存在、残り約8%が血小板、約2%が脳内
全身のセロトニンのうち脳に存在するのはわずか2%ですが、この2%が精神面に大きな影響を与えています。
小腸に存在するセロトニンは消化を助ける働きをします。血小板に存在するものは止血を助ける働きをします。
【いつ分泌】
覚醒している間に分泌される≒睡眠中は分泌が抑制される
【分泌を促進させるには】
前提 材料であるトリプトファンを体内に取り入れる
そのうえで
・太陽の光を浴びる
・規則正しいリズムを繰り返す運動(ダンス・ウォーキング・ジョギングなど)をする
・ものをよく噛む
【脳内のセロトニンの働き】
セロトニンはうれしい時にでるドーパミン(=快)とストレスを感じるとでるノルアドレナリン(=不快)のバランスを調整する(=安定)働きをします。
セロトニンが精神に与える影響を簡単にまとめると以下になります。
- 精神の安定・感情のコントロールに関わる
- 幸福感・満足感に関わる
- 心地よさ・爽快さに関わる
- 痛みの抑制に関わる
【いつ分泌】
夕方~夜に分泌される(光を感知すると分泌が抑制される)
朝 光の刺激を受けると松果体でトリプトファン→セロトニン→メラトニンと変換されていく
朝 光の刺激を受けてから約14~16時間後にメラトニンに変わる
つまり覚醒するとセロトニンが分泌され、
夜暗くなると今度はメラトニンが分泌される
これにより「眠くなる」というメカニズムが生まれる
【分泌を促進させるには】
前提 材料であるセロトニンを増やす=トリプトファンを体内に取り入れる
そのうえで
・午前中に日光を浴びる
・夜、部屋を暗くする
・規則正しい生活を送る
【メラトニンの作用】
睡眠作用
- 覚醒と睡眠のリズムを調整する
- 概日リズムを調整する
抗酸化作用
- 老化を防ぐ
- ガンを予防する
性成熟を抑制する作用
- 成長段階の子どもの性の成熟を抑える
勝手ながら5-HTPサプリメントはトリプトファンサプリメントの強化版と捉えてレビューを作成しております。なので働き分析に関しては内容はトリプトファンのレビューと似た感じにしています。
ただしトリプトファンサプリメントの強化版と考えるのは「セロトニン・メラトニンの合成を促す」部分のみです。
トリプトファンには「たんぱく質の材料」や「ナイアシンの原料」など5-HTPにない働きがたくさんあります。総合すると5-HTPより上と考えることができる項目があります。とくに「たんぱく質」が関連してくる項目がこれに当てはまります。
基本的に、今までレビューしてきた強化版(例 NAC)はもと(例 システイン)より働き分析の点数が上回るように評価してきたのですが、今回は項目により下回っているものがあります。けっこうあります。
5-HTPの働き分析【見た目編】
合計 38.5/60点
薄毛
5.5点
「薄毛」改善 に関わる5-HTPの働きは主に次です。
- セロトニン
髪に必要な栄養素や酸素は血液によって運ばれます。血流を悪化させる要因の1つはストレスです。
セロトニンには心や身体をリラックスさせる働きがあります。5-HTPは脳内でセロトニンに変換されます。 - メラトニン
成長ホルモンは髪にある細胞(毛母細胞、毛乳頭細胞)の細胞分裂を促進させる働きをします。なので成長ホルモンの分泌を増やすことは薄毛対策につながります。睡眠中はホルモンの最も分泌が高まる時です。
特に成長ホルモンは1日に分泌される量の6割~7割は睡眠中に分泌されます。
メラトニンには睡眠と覚醒のリズムを調整し自然な眠りに促す働きがあります。なのでメラトニンの分泌を高めることは間接的に成長ホルモンの分泌を高めることにつながります。
メラトニンは脳の松果体にてセロトニンを材料を作られます。5-HTPには脳内のセロトニンレベルを上昇させメラトニンの産生を促す効果が期待できます。
白髪
6点
「白髪」予防 に関わる5-HTPの働きは主に次です。
- メラトニン
メラトニンはホルモンとして働くのみならず「抗酸化物質」としても機能します。その抗酸化力は非常に強いことで有名です。
白髪の原因となる過酸化水素に対してメラトニンは間接的に除去する力を有します。ここでの「間接的」は過酸化水素を除去する抗酸化酵素グルタチオンペルオキシターゼを活性させることを意味します。過酸化水素が白髪の原因となる理由黒髪のもととなるメラニンは毛包内のメラノサイトで「チロシン」と「チロシナーゼ」が結合することで作られます。過酸化水素は後者のチロシナーゼを破壊する働きをします。
メラトニンは脳の松果体でトリプトファンをもとに4段階の酵素反応を経て生成されます。
トリプトファン→5-HTP→セロトニン→N-アセチルセロトニン→メラトニン
美肌
6.5点
「美肌」作り に関わる5-HTPの働きは主に次です。
- メラトニン
睡眠促進作用&抗酸化作用を有するメラトニンは美肌作りに大きく貢献する物質です。①睡眠促進作用睡眠は美肌づくりに欠かせない「要素」です。
というのも睡眠中に肌にいいホルモンがたくさん分泌されるからです。
例
・成長ホルモン
肌の新陳代謝を促進させる・甲状腺刺激ホルモン
肌の細胞のエネルギー代謝を活発にさせる甲状腺ホルモンの分泌を刺激するメラトニンは脈拍、体温、血圧などを低下させることで体をリラックス状態に導き、眠気を誘います。なのでメラトニンを増やすことは上記した肌にいいホルモンの分泌量増加につながるといえます。
②抗酸化作用肌の細胞にダメージを与えるのが紫外線などにより発生する活性酸素です。なので活性酸素の攻撃から体を守ることは肌の若さを保つために大切となります。
メラトニンは抗酸化物質としても活躍します。その抗酸化作用は目を見張るものがあり、一部ではその作用は最強と称されてます。メラトニンは脳にある松果体にてセロトニンを原料に産生されます。
脳内のセロトニンに変換される5-HTPにはメラトニンの産生を促す効果も期待できます。
美白
6.5点
「美白」ケア に関わる5-HTPの働きは主に次です。
- メラトニン
シミができる主たる原因は紫外線などにより肌に大量に発生する活性酸素です。なので、メラトニンのもつ抗酸化作用は美白ケアにも大きく貢献するといえます。
※活性酵素→活性酸素に訂正メラトニンは「抗酸化作用」面以外においても美白ケアに向いている成分といえるかもしれません。
というのもメラトニンは抗メラニン細胞刺激ホルモンの作用もち、皮膚の色を薄くさせる働きがあるからです。この作用は魚類や両生類に対してで人間には認められていないようですが、いずれにしても「抗酸化作用」面以外でも「美白」効果の可能性を秘めている成分と考えられます。
実際メラトニンとシミの関係に着目した美白ケア化粧品が販売されています。
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メラトニンは脳にある松果体にて以下の代謝を経て産生されます。トリプトファン→5-HTP→セロトニン→N-アセチルセロトニン→メラトニン
5-HTPはトリプトファン代謝のメラトニン合成経路の中間代謝物です。
筋肉
5点
「筋肉」増強 に関わる5-HTPの働きは主に次です。
-
成長ホルモン(by メラトニン)
筋肉は「筋繊維を破壊する→修復する」を繰り返すことで大きくなります。破壊のプロセスにおいて筋トレが必要となり、修復のプロセスで栄養と休養が必要となります。
修復のプロセスの「休養」において特に重要なのが睡眠です。睡眠中に成長ホルモンがたくさん分泌されることで破壊された筋繊維が修復され筋肉が肥大するからです。
修復により筋肉が肥大する理由は筋繊維が以前よりも少し太くなって修復されるからです。メラトニンは睡眠の質を高めるホルモンです。なので間接的に成長ホルモンの分泌を促進させる働きがあるといえるかもしれません。
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メラトニンは脳の松果体で以下の代謝を経て生成されます。トリプトファン→5-HTP→セロトニン→N-アセチルセロトニン→メラトニン
- 抗重力筋(by セロトニン)
抗重力とは文字通り地球の重力に抗うことで、抗重力筋とは重力に負けないために体を支えている筋肉のことをいいます。
ようは姿勢を維持する筋肉です。セロトニンには運動神経を興奮させ抗重力筋に働きかける(抗重力筋の緊張を保つ)作用があります。
5-HTPはセロトニンの前駆体です。
脂肪
9点
「脂肪」減少 に関わる5-HTPの働きは主に次です。
- セロトニン
脳の視床下部には、空腹を感じる「摂食中枢」と満腹を感じる「満腹中枢」が存在します。食べることを命令するのが摂取中枢で
食べることをストップするように命令するのが満腹中枢です。摂食中枢が刺激されれば空腹感を、満腹中枢が刺激されれば満腹感を感じるようになります。一方を刺激すると他方の活動は抑制されます。
セロトニンは脳の満腹中枢を刺激し満腹感を与える働きをします。なのでセロトニンの分泌を増やすことで食欲を抑制する効果を得ることができます。5-HTPにはセロトニンを増加させる働きがあります。
実際、実験により5-HTPのセロトニンを増加させる働きにより食欲を抑制する=体重の減少につながることが証明されています。参照
5-HTPサプリメント 効果や効能は?副作用は?摂取量は?
マイプロテイン公式サイトブログ
THE HUT GROUP HPより - メラトニン
メラトニンの分泌を増やすことは以下の理由からダイエットにつながります。①糖代謝&脂質代謝
メラトニンは糖代謝、脂質代謝に関わっています。そのため分泌を促進させることは肥満の予防になります。これは逆からのほうが分かりやすいかもしれません。つまりメラトニンの分泌低下は肥満リスクを高めます。②成長ホルモン分泌に関与
脂肪動員ホルモンは脂肪細胞内にある脂肪分解酵素リパーゼ(HSL)を活性させます。活性されたHSLは脂肪を遊離脂肪酸とグリセリンに分解します。うち遊離脂肪酸がミトコンドリアに取り込まれると「脂肪燃焼」です。メラトニンは睡眠を促進するホルモンです。脂肪動員ホルモンの1つ成長ホルモンは睡眠中にたくさん分泌されます(1日に分泌される成長ホルモンの量の6割~7割は睡眠中といわれています)。
メラトニンは睡眠を促進することで成長ホルモンの分泌を増やします。
成長ホルモンが分泌されると脂肪の分解が開始されます。なので【メラトニンの分泌を促進する】ことは【→成長ホルモンの分泌→脂肪分解】の流れをつくるといえます。
睡眠不足は肥満につながるとよく言われますが、これはメラトニンが大いに関係してきます。
セロトニンの前駆体である5-HTPにはメラトニンの分泌を増やすことも期待できます。
トリプトファン→5-HTP→セロトニン→N-アセチルセロトニン→メラトニン
5-HTPの働き分析【中身編】
合計 39.5/60点
身体
4点
「身体」の構成材料 に関わる5-HTPの働きは主に次です。
- たんぱく質の合成
セロトニンはメラトニンの前駆体です。メラトニンは睡眠の質を高めることで間接的に成長ホルモンの分泌に関わります(成長ホルモンが最も分泌される時間帯が睡眠中です)。
成長ホルモンにはたんぱく質の合成を促す働きがあります。上記した話の流れを略すると以下になります。
セロトニン→メラトニン→【睡眠の質UP】→成長ホルモンの分泌→たんぱく質の合成が高まる
セロトニンの前駆体である5-HTPはこの流れの先頭に位置することになります。5-HTPも遠まわしですがたんぱく質の合成に関わっているといえそうです。
エネ
4点
「エネルギー」生成 に関わる5-HTPの働きは主に次です。
- 成長ホルモン
さてこちらの項目も「身体」項目どうように5-HTPが成長ホルモンの分泌に間接的に関わることで遠まわしに関与してきます。先ほどの流れをもう1度だします。
セロトニン→メラトニン→【睡眠の質UP】→成長ホルモンの分泌→糖質・脂質の代謝を促進
流れの最後に注目しください。さきほどは「たんぱく質の合成が高まる」でしたが、ここでは「糖質・脂質の代謝促進」にしました。
成長ホルモンの作用は「たんぱく質の合成」だけでなく「糖質・脂質の代謝を促進」もあります。
※他にもたくさんあります。糖質・脂質の代謝を促進は糖質・脂質をエネルギーに変換させることを促すに言い換えることができます。
以上から、セロトニンの前駆体である5-HTPはエネルギー生成にも「関与」はしていると考えられます。
病気
4.5点
「病気」予防 に関わる5-HTPの働きは主に次です。
- メラトニン
メラトニンには以下の病気を予防する効果があります。メラトニンは体内でトリプトファンから5-HTPを経てセロトニンを原料に生成されます。・がん
メラトニンには抗酸化作用・抗炎症作用があります。抗腫瘍効果が期待できがん予防(再発の予防も)やがん治療の副作用軽減に有効とされています。がんの種類でいうと特に乳がんとの関連性が高く、研究により「メラトニンの分泌量が少ないと乳がんの発生リスクを高める可能性がある」ことが示唆されています。・糖尿病
最近の研究により睡眠不足はインスリン抵抗性を高めるため糖尿病の発症や悪化に関係していることが判明されています。睡眠を促進するメラトニンはその「逆」をもたらすため、分泌を増やすことは糖尿病の予防になるといえます。実際、夜間のメラトニンの分泌量低下が糖尿病の発症リスクを高めることが報告されています。・骨粗鬆症
睡眠の質と骨の健康は深く関わるととされています。というのも骨の新陳代謝には成長ホルモンを始めとするホルモンが関係しているからです。1日のうち睡眠中がホルモンの分泌が1番高まる時間であることは言わずもがなです。その質を高めるメラトニンは骨粗鬆症予防に有効と考えられます。
なお眠りの質が落ちると骨を壊す破骨細胞が活発になると言われていますが、研究(魚の鱗を使った実験)でメラトニンに破骨細胞を抑制する働きがあることが報告されています。 - 線維筋痛症
線維筋痛症とは筋肉、関節など身体のさまざまな部位に慢性の「痛み」と「こわばり」の症状が生じる疾患をいいます。原因は不明ですが、体内においてセロトニンなどの痛みを抑える物質が十分に機能していないから生じるものと考えられています。なので治療法の1つとして5-HTPの経口投与=アミノ酸療法が用いられます。参照
痛みだけではない慢性疲労や感覚異常・不眠も伴う、女性に多い線維筋痛症と治療最前線 世界的に注目を集める栄養療法学会の国際大会が2018年春開催
(株)産経デジタル HP 産経ニュース線維筋痛症がよくわかる本 全身を激しい痛みが襲う (健康ライブラリーイラスト版) [ 岡 寛 ]
※セロトニンのもとである5-HTP は脳の病気予防・改善に大きく貢献する成分ですが、こちらは「健脳」カテゴリーで評価しています。
5-HTPの摂取は注意が必要です。持病・服用している薬(鎮静剤や抗うつ剤など)との併用により副作用を招くことがあります。摂取を検討されているかたは使用前に医師にご相談ください。
※そもそも5-HTPは日本では医薬品扱いです。
体質
10点
「体質」改善 に関わる5-HTPの働きは主に次です。
- ストレス
精神を安定させる働きをするセロトニンにはリラックス効果があります。分泌が増えるとストレスを軽減することができます。5-HTPはセロトニンの前駆体です。
- 頭痛
中枢神経には痛みを伝導する「上行性疼痛伝導系」とその痛みを抑制する「下行性疼痛抑制系」が存在します。セロトニンには下行性疼痛抑制系を活性化させ痛みを鎮める働きがあります。例えば片頭痛。片頭痛発作時はセロトニンが減少しています。
そのためセロトニン受容体に作用するトリプタン薬の投与は片頭痛を緩和する効果が期待できます。
5-HTPはセロトニンの前駆体です - 印象UP
セロトニンは抗重力筋に働きかけます。それにより姿勢や顔つきが引き締まります。5-HTPはセロトニンの前駆体です
- 不眠改善
覚醒・睡眠のリズム、概日リズムの調整に関わるメラトニンには不眠を改善する働きがあります。5-HTPはメラトニンの前駆体です。 - アンチエイジング
強い抗酸化作用を有するメラトニンは「若返りのホルモン」「奇跡のホルモン」「究極のアンチエイジングホルモン」などの異名を持ちます。【中古】 驚異のメラトニン /ウォルターピエルパオリ(著者),ウィリアムリーゲルソン(著者),キャロルコールマン(著者) 【中古】afb
5-HTPはメラトニンの前駆体です。 - 免疫力
メラトニンには免疫細胞を活性化させ免疫力を高める効果があります。風邪やインフルエンザの予防になります。風邪を引いたときに良く寝ることが大切となりますが、それは寝ることでメラトニンの分泌が高まり免疫力が上がるからとも捉えることができます。5-HTPはメラトニンの前駆体です。
精力
7点
「精力」増強&「性機能」向上 に関わる5-HTPの働きは主に次です。
- PMS
月経前症候群(PMS)とは月経開始前の3~10日の間におこる精神的または肉体的に不快な症状が現れることをいいます。セロトニンには精神安定作用や鎮痛作用があります。その前駆体である5-HTPの摂取はPMSの緩和効果が期待できます。
トリプトファンのPMSの緩和効果は有名です。【セロトニンを高めることを比較した場合】5-HTPはトリプトファンに勝ると考えられます。そのため5-HTPのPMSの緩和効果はトリプトファンを上回るとよくいわれています。
- 早漏
セロトニンには射精時間をコントロールする作用があるとされています。そのためセロトニン不足が早漏の原因になると言われています。
- 睡眠
繰り返しになりますが睡眠中にさまざまなホルモンが分泌されます。なので睡眠不足はホルモンの分泌低下につながります。精力・性欲を司る男性ホルモン「テストステロン」も睡眠不足によりその分泌は低下します。となると睡眠と精力は深く関係してくるといえます。睡眠促進効果のあるメラトニンは間接的にテストステロンの低下を防ぐ働きがあるといえそうです。メラトニンはセロトニンをもとに作られます。セロトニンの前駆体は5-HTPです。
健脳
10点
「脳」の健康 に関わる5-HTPの働きは主に次です。
- うつ病予防
セロトニンはドーパミンとノルアドレナリンのバランスを調整する働きをし精神の安定をもたらします。
うつ病に深く関わってくる神経伝達物質で、うつ病の患者さんは 脳内の「セロトニンの量が少ない」or「セロトニンの働きが低下している」ことが判明しています。つまるところうつ病予防には「脳のセロトニンを減少させない」ことが大切となります。
セロトニンはトリプトファンを経て5-HTPから作られます。トリプトファンあるいは5-HTPをしっかりと摂取することがうつ病の予防になります。
ただどちらがよりセロトニンを増やす=うつ病の予防になるかといえば5-HTPといえそうです。理由は効果・効能に記載しています。 - 記憶力・集中力
大脳皮質とは脳の表面にある灰白色をした層の部分をいいます。長期「記憶」の「保存」をしているのはこの部分です。セロトニンは大脳皮質に働きかけ覚醒状態を作り出す&維持します。覚醒状態はようは脳が活発な状態&体が活動的な状態です。つまりセロトニンの分泌が増えると【脳が活発な状態&体が活動的な状態になる】→【記憶力や集中力が向上する】ことになります。
セロトニンの前駆体は5-HTPです。 - 脳の活性酸素
神経細胞は加齢とともに減っていきます。神経細胞の減少 イコール 脳が萎縮していく です。
活性酸素の攻撃を受けるとさらに神経細胞の減少速度=脳の萎縮の速度は加速していきます。
このことから脳内に発生する活性酸素がアルツハイマー型認知症やパーキンソン病の発症原因の1つとされています。脳の活性酸素を除去するには脳内で抗酸化作用を発揮できる抗酸化物質を増やすことが重要となります。そのうちの1つがメラトニンです。
脳内で抗酸化作用を発揮するメラトニンは(神経細胞を活性酸素の攻撃から守る働きがあるので)アルツハイマー型認知症やパーキンソン病の予防効果が期待できます。メラトニンは脳の松果体にてセロトニンを材料を作られます。5-HTPには脳内のセロトニンレベルを上昇させメラトニンの産生を促す効果が期待できます。
5-HTPのサプリメント分析
合計 10/20点
継続(価格は安いか) 4点
手軽(購入ルートは多いか)0.5点
選択(品揃えは豊富か)0.5点
貴重(食品から取りづらいor不足しやすいか)5点
- 継続
60日分(100㎎配合60粒入り 海外のサプリ)が約1300円~で購入可能です。 - 手軽
5-HTP単体(5-HTPがメイン成分)サプリは主にネットで購入可能です。ですが、楽天やアマゾンなどECサイト経由では不可です。
個人輸入会社の直サイトのみです。さらにいうと個人輸入会社の直サイトでも購入先が絞られます。
例えばサプリンクスではだいぶ前から取り扱っていません。→メラトニン含有製品の取り扱い停止についてということで簡単には購入できません。
- 選択
某ECサイトで「5-HTP サプリメント」検索すると7件ヒットします。7件のうち1件だけ含有しているサプリで、それ以外はトリプトファンのサプリと本で引っかかります。【送料無料】SUGARBEARHAIR VITAMINS シュガーベアヘア サプリ 60錠入り Sleeping
日本では食品として認可されていないため当然と言えば当然です。
なおアイハーブでは海外のさまざまなメーカーのものを取り扱っています。 - 貴重
まずズバリの「5-HTP」は食品からとることはできません。5-HTPはグリフォニア・シンプリシフォリアと呼ばれる植物の種からしか取れないと考えてください。5-HTPサプリの原料はこの種の抽出物です(絶対とはいえないのですが、すべてのメーカーに当てはまると思います)。
ということでサプリ以外からとることは不可能です。
必須成分ではないので賛否両論あると思いますが、ここでは「貴重」度合を判定しているため満点となります。なお5-HTPの前駆体であるトリプトファンは動物性たんぱく質に含まれています。とくにレバーなどの肉、牛乳とやチーズなどの乳製品、バナナに多く含まれています。一方、植物性たんぱく質には少ないです。トリプトファンはよく「不足しやすいアミノ酸」の1つとして挙げられます。
5-HTPとの組み合わせ
5-HTPと相性の良い成分 7つ厳選
- ビタミンB6
- ナイアシン
- マグネシウム
- グリシン
- タウリン
- イノシトール
- バレリアン
そのうち1つをPICK UP
①ビタミンB6
トリプトファンは以下の代謝を経てセロトニンになります。
トリプトファン→5-HTP→セロトニン
うち5-HTP→セロトニンの変換を触媒する酵素【芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素】の補因子としてビタミンB6の活性型ピリドキサール5’-リン酸(PLP)が必要です。
なのでトリプトファンおよび5-HTPの不足のみならずビタミンB6の不足も セロトニンの分泌低下≒うつ病発症リスクが高くなる につながります。
5-HTPのまとめ
5-HTP 評価
総合評価 B 88点
分析【見た目編】38.5点
分析【中身編】39.5点
分析【サプリ】10点
5-HTP 履歴書
- サプリ服用歴
- 1カ月にかけるサプリ代
- マイサプリ軍の位置づけ
- よく購入するメーカー
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以上をもとに→5-HTPについて勝手に語る