マグネシウム
16種類ある必須ミネラルの1種
そのうち7種類ある主要ミネラルの1種
マグネシウムとは
マグネシウムについて
- ミネラルは100種類以上存在するとされています。
-
そのうち生命維持のために不可欠なミネラルを必須ミネラルといいます。必須ミネラルは16種類あります。
-
必須ミネラルのうち1日に必要とされる摂取量が100㎎以上のミネラルを主要ミネラル、100㎎未満のミネラルを微量ミネラルと分類しています。主要ミネラルは7種類、微量ミネラルは9種類です。
- マグネシウムは必須ミネラルの主要ミネラルに分類されます。
- 成人の体内には約25gのマグネシウムが存在しています。マグネシウムは体内で4番目に多く存在するミネラルです。
- そのうち50~60%は骨に、25%は筋肉に、残りは他の軟部組織に存在します。血清中に1%未満存在しています。
- マグネシウムは生体内において300種類以上の酵素の補酵素として働いています。
- マグネシウムはエネルギー代謝・たんぱく質の合成・神経伝達・筋弛緩など極めて多様な生理的役割を担っています。
マグネシウムの補足
- マグネシウムは腸管から吸収されます。余剰となったものは腎臓から尿中・糞便中に排泄されます。
- ビタミンDは腸管でのマグネシウムの吸収を促進させます。
- 食事由来のマグネシウムの吸収率は30~50%です(平均摂取量が300~350㎎/日の場合)。
- 摂取量が少ないと吸収率が上がります。
- 正常な血清中マグネシウム濃度は1.8~2.6mg/dLに保たれています。
- 体内のマグネシウム濃度は、腎臓(尿細管)における再吸収機構によって厳密に調節されています。
尿細管での再吸収糸球体でろ過された原尿には、老廃物以外に必要な物質(水分・ブドウ糖・アミノ酸・電解質など)も含まれています。必要な成分を尿中から血液中に取り込む(再吸収する)ことにより、体内の水分量や電解質のバランスを一定に維持します。
- マグネシウムが欠乏すると腎臓からのマグネシウムの再吸収が亢進すると共に骨に貯蔵されていたマグネシウムが遊離し利用されます。
摂取量について
◆推奨量
340~370㎎/日(成人男性)
270~290㎎/日(成人女性)
※年代により異なります。
◆耐用上限量
350㎎/日(成人)
サプリメントなど通常の食品以外からの耐用上限量です。通常の食品での耐用上限量は設定されていません(食事による過剰障害が報告されていない)。
by 日本人の食事摂取基準(2015年版) 厚生労働省
◆不足や欠乏症
- 骨や歯が弱くなる
- 低カルシウム血症
- 高血圧
- 不整脈
- 神経疾患
- 骨粗鬆症
- 糖尿病
- 筋肉の痙攣
- 食欲不振
- 便秘
など
厚生労働省が推奨するマグネシウムの摂取量は成人男性で約350㎎/日、成人女性で約300㎎/日です。が、実際の摂取量はともに約100㎎ほど足りていないとされています(by 平成27年国民健康・栄養調査)。なのでサプリメントに頼るのも一つの手です。
ただしサプリからの摂取は350㎎以下としてください。厚生労働省により通常の食品以外からの耐用上限量は350㎎/日と定められています。
◆取り過ぎや過剰症
過剰分は腎臓から尿とともに排泄されるので基本心配はいりません。
ただし腎機能が低下している場合は、高マグネシウム症を引き起こす可能性があります。
サプリメントからの過剰摂取は下痢を引き起こすことがあります。
マグネシウムの効果・効能
マグネシウムの効果・効能 5つ厳選
- 細胞内のエネルギー代謝
- 骨や歯の形成
- 筋肉の弛緩
- たんぱく質の合成
- グルタチオンの合成
そのうち3つを詳しく
①細胞内のエネルギー代謝
マグネシウムは体内のさまざまな酵素反応に補酵素として関わっています。マグネシウムが関わっている反応は300を超えると言われています。
そのいくつかはエネルギー代謝反応に関与しています。単に「関わる」ではなくマグネシウムがなければ細胞はエネルギーを作れないといえるほど「深く関わる」です。以下理由を説明します。
人間が【生命を維持する&身体活動を行う】うえでエネルギーが必要となります。
そのエネルギーはATPと呼ばれるエネルギー媒介物質により生み出されます。より詳しくいうとエネルギーはATPがADP+リン酸に分解される過程で生まれ(放出され)ます。
このATP→ADP+リン酸の反応の際に働く酵素はATP分解酵素【ATPase(ATPアーゼ)】です。
ATPaseがATPを加水分解することでエネルギーが放出されます。
マグネシウムはATPaseの補酵素として働きます。
エネルギーを貯蔵したり使用したりする際の媒体となる物質「ATP」は食事より摂取した糖質・脂質・たんぱく質が代謝を受けることで生成されます。
グルコース→解糖系→TCA回路→電子伝達系
脂質の場合は
脂肪酸→β酸化→TCA回路→電子伝達系
といった代謝経路を経て生成されます。
それによりグルコース1分子より38分子のATPが、脂肪酸1分子より数多くのATPが生成されます。
※脂肪酸は種類により異なります。例えばパルチミン酸だと108(106)分子生成されます。
さてこの糖質・脂質の代謝過程において数多くの酵素が働いています。その中でマグネシウムは解糖系、β酸化、TCA回路で働く数種類の酵素の補酵素として働きます。そのためマグネシウムが不足すると糖質・脂質のエネルギー代謝がスムーズにいかなくなります。
このようにマグネシウムはエネルギーの放出&エネルギー媒介物質の産生に深く関わってます。なのでマグネシウム不足はエネルギー不足に直結します。イコール疲労や倦怠感を感じやすくなります。不足状態が続くと全身の臓器が正常に働かなくなり体に様々な問題が生じます。
②骨や歯の形成
骨は有機成分と無機成分で構成されています。有機成分はコラーゲンが主成分です。無機成分はリン酸カルシウムが主成分です。
無機成分にはマグネシウムも含まれています。体内に存在する50~60%のマグネシウムは骨の中にあり、そのマグネシウムはリン酸と結びつき「リン酸マグネシウム」として存在しています。
リン酸マグネシウムは骨の柔軟性や弾力性を高める役割を果たしています。マグネシウムはカルシウム、リンとともに骨の形成に欠くことのできない成分です。
⑤グルタチオンの合成
マグネシウムは生体内において300種類以上の酵素の補酵素として働いています。ここではそのうちの1つを紹介したいと思います。
γ-グルタミルシステイン合成酵素の補酵素として活躍です。
まずグルタチオンについて簡単にまとめます。
グルタチオン
グルタチオンはグルタミン酸・システイン・グリシンからなるトリペプチドです。体内において強力な抗酸化作用を発揮します。
①グルタミン酸+システイン→γ-グルタミルシステイン
②γ-グルタミルシステイン+グリシン→グルタチオン
①の反応はγ-グルタミルシステイン合成酵素により
②の反応はグルタチオン合成酵素により行われます。
1、2の反応ともにATP1分子が必要です。
グルタチオンの合成の最初のステップ【グルタミン酸+システイン→γ-グルタミルシステイン】を触媒する酵素はγ-グルタミルシステイン合成酵素です。この酵素はマグネシウム存在下で、L-グルタミン酸とL-システインから、γ−グルタミルシステインを合成させる反応を触媒しています。
この反応はグルタチオン合成の律速段階となっているので、マグネシウムの存在がグルタチオン合成においてとても重要といえます。
グルタチオンといえば3つのアミノ酸の存在に注目がいきがちですが、3つをもとにグルタチオンを合成するにはマグネシウムのサポートも必要であることを忘れてはいけません。
SOD 抗酸化
DNAポリメラーゼ DNAの複製・修復
RNAポリメラーゼ RNAの合成
マグネシウムの働き分析【見た目編】
合計 48.5/60点薄毛
7点
「薄毛」改善 に関わるマグネシウムの働きは主に次です。
- 髪の発育
髪に必要な栄養素は毛細血管を通じて毛乳頭に運ばれます。
毛乳頭はその栄養素を毛母細胞に受け渡します。それにより毛母細胞が分裂し、そこから生じた細胞が毛髪を形成します。毛髪はヘアサイクルと呼ばれる周期により成長していきます。
ヘアサイクルは成長期(約2年~6年)→退行期(約2週間)→休止期(約3カ月)→【脱毛】→再び成長期を繰り返していきます。
このヘアサイクルを調整しているは毛乳頭細胞です。毛乳頭細胞は細胞増殖因子の産生と放出を通じて、ヘアサイクルを調整しています。さてマグネシウムは細胞内のエネルギー代謝、細胞内外のミネラル調整、細胞分裂に関与など細胞が正常に働くために必須の物質です。なので毛母細胞・毛乳頭細胞に関わり毛髪の発育のメカニズムに大きく寄与すると考えられます。
- 血流改善
①の冒頭で「髪に必要な栄養素は毛細血管を通じて毛乳頭に運ばれます」と記述しました。栄養素をスムーズに運搬するには「血液の流れ」が正常であることがマストです。
マグネシウムは細胞内外のカルシウム・ナトリウム・カリウムイオンの量を調節します。またカルシウムの働きをコントロールし血流を司る心臓の筋肉の収縮性を正常にさせます。これら作用により血液の流れを正常にさせます。マグネシウムは血液循環を正常に保つための必須のミネラルとして知られています。
白髪
7.5点
「白髪」予防 に関わるマグネシウムの働きは主に次です。
- カルシウム
細胞の分化・増殖に関与するカルシウムはメラノサイトを活性化させる作用があります。そのため白髪予防に有効な成分の1つにあげられます。マグネシウムはカルシウムの働きを助ける成分です。 - グルタチオン
過酸化水素は白髪の原因となります。黒髪のもととなるメラニン色素の生成を阻害するからです。
体内には過酸化水素を除去する抗酸化酵素グルタチオンペルオキシダーゼが存在します。グルタチオンペルオキシダーゼは還元剤としてグルタチオン【のチオール基(-SH)】を用いて過酸化水素を分解します。マグネシウムはグルタチオンの合成に必要です。
美肌
8点
「美肌」作り に関わるマグネシウムの働きは主に次です。
- 保湿
マグネシウムに保湿効果があることは有名です。
細胞の新陳代謝に関与するマグネシウムを摂取すると肌内部の水分量があがり、肌を潤す効果が期待できます。この効果は経口摂取のみならず例えばマグネシウム入りの入浴剤をいれたお風呂に入ることでも現れます。
入浴剤 バスソルト AQUA GIFT 国産 マグネシウム 保湿 浴用化粧品 30回分 計量スプーン付最近メディアで「マグネシウム」がよく取り上げられています。
下記は今年(2019年)放送されたマグネシウム関連の番組HPです。どちらも「マグネシウムが肌に良い」という話をしています。美を作るミネラル!マグネシウムの実力 マグネシウム入浴で潤い肌に NHKBSプレミアム 美と若さの新常識 HPより
「今回はこの夏知りたい特別講座3本立てSP』」夏によくある症状は意外と危ない大病のサイン!?知っていれば早期発見になるから覚えておこうSP おさらい講座 林修の今でしょ!講座 HPより
- バリア機能
セラミドは表皮におけるバリア機能と水分保持機能に深く関わる成分です。セラミドはスフィンゴシンと脂肪酸がアミド結合した化合物の総称をいいます。セラミドはスフィンゴイド塩基と脂肪酸の組み合わせにより細かくわけると300種類以上あるとされます。
細かなセラミドを大別すると12種類にわけることできます。その中でも肌のバリア機能や水分保持にとって重要な働きをするセラミドをアシルセラミドと呼びます。
マグネシウムにはアシルセラミドの合成を高める作用があります。
美白
8点
「美白」ケア に関わるマグネシウムの働きは主に次です。
- グルタチオン
3つのアミノ酸から成る抗酸化物質グルタチオンには「メラニンの合成を抑制する作用」と「メラニンを作ってもシミの目立たない肌色メラニンに導く作用」があります。
それだけでなくビタミンCを還元する作用があります。ビタミンCは自身が酸化されることで抗酸化作用を発揮しますが、グルタチオンはその力を再生させます。
マグネシウムはグルタチオンの合成に必要です。 - SOD
SOD(スーパーオキシドディスムターゼ )は、エネルギー代謝により生じた活性酸素【スーパーオキシド】を酸素と過酸化水素に分解する抗酸化酵素です。いうなれば活性酸素に対する第一の防御機構ともいえる物質です。マグネシウムはSODの補酵素です。なお分解して生じた過酸化水素を除去するのはグルタチオンペルオキシダーゼやカタラーゼといった酵素です。うちグルタチオンペルオキシダーゼは還元剤としてグルタチオンを用いて過酸化水素を分解します。
筋肉
8.5点
「筋肉」増強 に関わるマグネシウムの働きは主に次です。
- 筋肉を動かす
筋原線維の筋小胞体から カルシウムが筋細胞中に放出されると筋肉は収縮します。
筋細胞中に放出されたカルシウムがカルシウムポンプを介して筋小胞体中に汲み戻されることによって弛緩します。さてカルシウムポンプは、ATPの化学エネルギーを使って筋小胞体に取り込むポンプです。
ATP産生に& ATPが作用する際に マグネシウムが必須です。なのでマグネシウムがカルシウムポンプに必要なエネルギーを実質支配しています。ゆえにマグネシウムは弛緩のために必須の成分といえます。以上を一言でまとめると筋肉の収縮にはカルシウムが、弛緩にはマグネシウムが必要ということになります。
- テストステロン
テストステロンは筋肥大を誘発するホルモンです。分泌されると筋肉の量と強度の維持に大きく貢献します。マグネシウムはテストステロンを増やす成分の1つです。
亜鉛・マグネシウム・ビタミンB6が一定の割合で組み合わさった成分「ZMA」はテストステロンブースターとしてアスリートに大変人気があります。 - たんぱく質の合成
筋肉はたんぱく質でできています。なので筋肉を増やすためには筋トレ後に、筋肉のもととなる「たんぱく質」と筋細胞にたんぱく質の取り込みを促す「糖質」とたんぱく質の代謝や合成に関わる「ビタミン(ビタミンB6など)やミネラル(マグネシウムなど)」を摂取することが大切となります。
脂肪
9.5点
「脂肪」減少 に関わるマグネシウムの働きは主に次です。
- 糖質・脂質の代謝
食事から摂取した糖質・脂質はエネルギーに代謝されなければ中性脂肪として体に蓄えられます。マグネシウムは糖質・脂質のエネルギー代謝に関わっています。参照
美を作るミネラル!マグネシウムの実力 マグネシウムはぽっこりお腹の救世主 NHKBSプレミアム 美と若さの新常識 HPより - アディポネクチン
脂肪細胞からさまざまな生理活性物質が分泌されています。脂肪細胞から分泌される生理活性物質を総称してアディポサイトカインといいます。
アディポサイトカインには善玉と悪玉があります。アディポネクチンは善玉アディポサイトカインの1つで動脈硬化を防ぐ働きをします。
超善玉ホルモン「アディポネクチン」で健康長寿になる (らくらく健康シリーズ)さて昨今メディアでアディポネクチンが痩せホルモンとして話題になることが多くなっています。理由はアディポネクチンに脂肪を燃焼させる&脂肪の蓄積を防ぐ働きがあるからです。
もう少し掘り下げるとアディポネクチンにAMPキナーゼを活性させる作用があるからです。AMPキナーゼ
AMPキナーゼは、細胞のエネルギーセンサーのような役割を果たしている酵素です。運動などをしエネルギーが不足するとこの酵素が活性され、【糖の筋肉細胞へ取り込み・脂肪酸のβ酸化・糖新生の抑制】が促進されます。糖に関してはインスリンを要せずにです。
簡単にいうとAMPキナーゼが活性化されると脂肪の蓄積をやめ脂肪の燃焼を促進する【=痩せる】です。
AMPキナーゼは基本 運動などをし栄養飢餓状態にもっていくことで活性化されるものですが、アディポネクチンには飢餓状態にもっていかなくとも活性化させる作用があります。
なので分泌を促進させれば運動しているのと同じ効果を得られる=痩せることができるので「痩せホルモン」といわれています。マグネシウムにはアディポネクチンの分泌を促進させる働きがあるとされています。
参照
「やせホルモン」と呼ばれる「アディポネクチン」って何? はじめよう!ヘルシーライフ オムロン ヘルスケア(株)HP
マグネシウムの働き分析【中身編】
合計 53/60点
身体
9点
「身体」の構成材料 に関わるマグネシウムの働きは主に次です。
- 骨や歯の形成
マグネシウムはカルシウムやリンとともに骨の歯の形成に欠かせない成分です。体内にあるマグネシウムの50~60%は骨の中に存在しています。 - たんぱく質の合成
たんぱく質の合成の流れは以下です。
たんぱく質合成の流れ
①核内のDNAが持つ設計図(塩基配列=アミノ酸の組み合わせ)が遺伝子の伝令役であるmRNAに転写されます。
※DNA鎖は二本一組となって二重らせん構造を取っています。転写ではそのうちの一本だけが写し取られます。転写は核内で行われます。②設計図をコピーしたmRNAは核外にでて細胞質にあるリボゾーム(rRNA)へ移動します。tRNAはその設計図に応じてたんぱく質の合成に必要なアミノ酸をリボソームに運搬します。
Nucleus=核 Ribosome=リボソーム ※ドイツ語③リボゾームで設計図通りのアミノ酸がつなぎ合わされたんぱく質が合成されます。
①の転写の過程に関わる酵素がRNAポリメラーゼです。RNAポリメラーゼは、DNA上を移動しながらその塩基配列をコピーしてmRNAを合成します。RNAポリメラーゼによる触媒反応にはマグネシウムが必要です。
下線部についてRNAポリメラーゼは、“はさみ”の間に形成された溝にDNAを結合し、はさみの根元にある活性部位で1残基ずつ、DNAの塩基と対になる塩基を取り込み、RNAを伸長合成していきます。活性部位には、RNA合成反応に必要なマグネシウムイオンのほかに、トリガーループやブリッジヘリックスといった重要なタンパク質のパーツが存在します。
引用元
RNAポリメラーゼの働きを切り替えるメカニズムを解明 -転写制御の基本原理解明へ重要な一歩-
理化学研究所 HPなおDNAを合成する酵素DNAポリメラーゼにもマグネシウムは必要です。
エネ
10点
「エネルギー」生成 に関わるマグネシウムの働きは主に次です。
- 細胞内のエネルギー代謝
マグネシウムは細胞内のエネルギー代謝に深く関わります。マグネシウムの存在がないと細胞はエネルギーを作ることができないといっても決して大げさではありません。詳しくは効果・効能欄をご覧ください
病気
8.5点
「病気」予防 に関わるマグネシウムの働きは主に次です。
- 骨粗鬆症
骨粗鬆症は原因は骨密度の低下です。骨はコラーゲンからなる骨基質に、カルシウムとリン酸による結晶が沈着して形成されています。結晶の中にマグネシウムも存在しています。体内のマグネシウムが不足すると骨の中にあるマグネシウムが血液中に動員されます。この際、カルシウムも流出してしまいます。マグネシウム不足は(カルシウムに悪影響を与えるので)骨粗鬆症を招きます。
- 糖尿病
インスリンが細胞内に糖を取り込むのに必要な化学反応にマグネシウムは必須です。マグネシウムが不足するとインスリンの分泌が低下します&インスリン抵抗性が発現します。ゆえにマグネシウムの摂取は糖尿病の予防に有効です。 - 高血圧
カルシウムは血管を収縮させる作用があります。必要以上に収縮しないようにマグネシウムはこの作用を調整します。
ストレスなどにより交感神経が刺激されると血圧上昇作用をもつ物質カテコールアミンが放出されます。マグネシウムは交感神経を抑制する働きがあります。
以上よりマグネシウムには血圧を安定させる作用があるといえます。 - 心筋梗塞
研究により「マグネシウムを多く含む食品をよく食べる人は心筋梗塞などの虚血性心疾患を発症しにくい」ことが判明されています。参照
マグネシウムを多く含む食品をよく食べる人は心筋梗塞などの虚血性心疾患を発症しにくい
(株)日本経済新聞社 HP
体質
10点
「体質」改善 に関わるマグネシウムの働きは主に次です。
- 疲労
エネルギー代謝に関与するマグネシウムは疲労回復に有効です。 - 骨
骨の健康維持にカルシウムを摂取することは必須です。マグネシウムは骨芽細胞に働きかけ、骨の中に入るカルシウム量を調節します。なのでマグネシウムの摂取も重要となります。カルシウム2に対してマグネシウム1の割合で取ることが推奨されています。
- こむら返り
自分の意志とは関係なく、足の筋肉が突然痙攣をおこすことを「足がつる」または「こむら返り」といいます。ふくろはぎなどの筋肉には過剰な伸長や収縮による損傷を防ぐ2つのセンサーがあります。
筋紡錘と腱紡錘筋紡錘(きんぼうすい)
伸びすぎを調整する腱紡錘(けんぼうすい)
縮みすぎを調整する
うち腱紡錘の働きが悪くなると、筋肉が異常に収縮し、痙攣を起こしてしまいます。
腱紡錘の働きが悪くなる原因はさまざまですが、そのうち最も大きいとされるのは電解質バランスの崩れです。
カルシウムとカリウムは、筋肉の収縮や神経の伝達をスムーズにする働きし、マグネシウムは2つの働きを調整します。この3つのミネラルの不足が「腱紡錘の働きが悪くなる」に結びつきますが、特にマグネシウムの影響が大きいとされています。
参照
足に走る激痛 こむら返り、冬場は特に注意 ヘルスUP NIKKEI STYLE HP - 体温
マグネシウムには体温を調節する働きがあります。 - アトピー
アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が低下しているため乾燥しやすくなっています。なので保湿を含むスキンケアが大切となります。マグネシウムには水分を引き込む作用があります。アトピー性皮膚炎の改善・予防になります。 - むくみ
むくむ原因の一つは塩分(ナトリウム)の取り過ぎです。ナトリウムが多くなると、体は体内の塩分濃度を調節するために水分を溜め込んでむくみやすくなります。
カリウムにはナトリウムを尿として体外に排出する働きがあります。なのでカリウムを摂取することでむくみが解消されます。
カリウムの力 サプリ カリウム 1,125mg 栄養機能食品 (ビタミンB) 270粒体の中では、ナトリウムとカリウムがバランスを取り合って血圧や水分を調節しています。ようは、この2つのバランスが保たれていればむくむことはありません。
カリウムとナトリウムの量を調節する酵素にマグネシウムが必要です。なのでマグネシウムにもむくみを予防する作用があるといえます。 - 便秘
マグネシウムは腸内にとどまって水分を集める作用があります。その水分が周りの硬くなった便をやわらかくし排便を促します。マグネシウムは便秘の市販薬によく利用されています。 - 不眠
マグネシウムは神経の興奮を鎮める作用があります。マグネシウムは体内時計の調整にも関与しています。不眠改善効果が期待できます。 - 片頭痛
マグネシウムには神経の働きを安定化させる作用があります。片頭痛の予防効果が期待できる成分の1つに挙げられます。 - ストレス
マグネシウムには興奮を鎮めて精神を安定させる働きがあります。ストレス緩和にも効果があります。
精力
7.5点
「精力」増進&「性機能」向上 に関わるマグネシウムの働きは主に次です。
- 妊娠
マグネシウムはよく妊娠中に積極的に取りたい栄養素の1つにピックアップされます。胎児の骨や体の形成に関与します。 - PMSの症状緩和
マグネシウムには神経の興奮を抑える作用があります。そのため月経前症候群(PMS)の症状の1つ「イライラ」の予防に効果を発揮します。 - テストステロン
マグネシウムは性欲や男性らしさを司るホルモン「テストステロン」の分泌を増やすとされます。実際マグネシウムの摂取実験によりテストステロン値の向上が認められています。
健脳
8点
「脳」の健康 に関わるマグネシウムの働きは主に次です。
- セロトニン
セロトニンはうれしい時にでるドーパミン(=快)とストレスを感じるとでるノルアドレナリン(=不快)のバランスを調整する(=安定)働きをします。
ようは精神の安定や安らぎをもたらす神経伝達物質です。
うつ病に大きく関係しており、うつ病の患者さんは 脳内の「セロトニンの量が少ない」or「セロトニンの働きが低下している」ことが判明しています。脳内でのセロトニンの合成にビタミンB6とマグネシウムが関わります。 - 神経伝達
マグネシウムには神経伝達を正常に保つ効果があります。「大事な決断の前はアーモンドを食べなさい」はカリスマ栄養士が発した名言です。アーモンドにはカルシウム、マグネシウムといった神経伝達に欠くことのできない栄養成分が豊富に含まれています。参照
カリスマ栄養士が明かす「一流の食事」の秘密 「大事な決断の前はアーモンドを食べなさい」
東洋経済オンライン HP
マグネシウムのサプリメント紹介
成分表示中のマグネシウムに着目
2粒=400mg 120粒入り
使用目安 1日=1~2粒 60日分(2粒の場合)
%DV 100%(2粒の場合)
価格 1187円
30日分の価格 約591円(2粒の場合)
1日あたりの価格 約19.7円(2粒の場合)
※価格は記事作成時のものです。価格が変動する可能性があります。
Ultra-Magは、高いバイオアベイラビリティと吸収を発揮する成分をバランスよく配合しています。マグネシウムは、エネルギー(ATP)の合成と保持に必要な必須ミネラルで、筋肉をリラックスさせ、300以上の主要代謝酵素の活性、骨と歯のカルシウムレベルのコントロール、そして神経細胞の電気的活動も調整しています。
Source Naturals, Ultra-Mag、120粒
iHerb.com
成分表示中のマグネシウムに着目
(タウリン酸マグネシウムとして)
2粒=400mg 90粒入り
使用目安 1日=2粒 45日分
%DV 100%
価格 1274円
30日分の価格 約849円
1日あたりの価格 約28.3円
※価格は記事作成時のものです。価格が変動する可能性があります。
KAL Magnesium Taurate+はマグネシウム鉱物を遊離アミノ酸であるタウリンと組み合わせたものです。マグネシウムは正常で健康な神経や筋肉機能のための栄養的なサポートを提供し、心臓、血管、組織の酸化ストレスから保護するのに役立つ細胞膜を通るイオンの健康な流れを調節する作用があります。ビタミンB-6の補酵素形態であるピリドキサール5リン酸は、赤血球合成および神経組織機能に生体利用可能な栄養を提供します。研究により、マグネシウムとビタミンB6には相乗的関係があると言われています。
KAL, マグネシウムタウレート+, 400 mg, 90錠
iHerb.com
成分表示中のマグネシウムに着目
(酸化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、アクアミン海藻由来ミネラル)
2粒=250mg 240粒入り
使用目安 1日=2粒 120日分
%DV 60%
価格 1920円
30日分の価格 約480円
1日あたりの価格 約16円
※価格は記事作成時のものです。価格が変動する可能性があります。
Nowフルスペクトラムミネラルカプセルは、体によって使われる最も重要な摂取ミネラルを包括的に含んでいます。強い骨と歯のためのカルシウム、免疫機能をサポートする亜鉛など、推奨される必須ミネラルの効能をこのフォーミュラは含んでいます。さらに、フルスペクトラムミネラルカプセルは、鉄分ゼロのサプリメントで、カルシウムとマグネシウムの割合は1:1です。
Now Foods, 全領域ミネラル・カプセル、240カプセル
iHerb.com
- サプリの形態(錠剤、カプセル、タブレット、ソフトジェルなど)は粒で統一しています。
- %DVとはDaily Value(DV)に占める割合(%)のことです。DVは海外の基準です。基準はメーカによりけりです。
- 価格は記事作成時のものです。価格が変動する可能性があります。
- 価格に送料は含まれていません。
マグネシウムのまとめ
分析【見た目編】48.5点
分析【中身編】53点
マグネシウム 細胞内のエネルギー代謝 参照一覧
マグネシウム 「統合医療」情報発信サイト HP
マグネシウムの働きと1日の摂取量 健康長寿ネット 公益財団法人長寿科学振興財団 HP
老化を進める活性酸素と抗酸化物質であるマグネシウムのはたらき Medical Note (株)メディカルノートHP
心疾患と深い関わりを持つ、マグネシウムの効果とはたらきとは Medical Note (株)メディカルノートHP
マグネシウム対談 (株)宮本製作所HP
カルシウム, マグネシウムの生体中での挙動 J-STAGE