プロリンの評価 A+
プロリン
体の組織を構成しているたんぱく質は主に20種類のアミノ酸が複雑に組み合わさることで作られます。アミノ酸の組み合わせが違うため、たんぱく質の形・性質・働きが異なっています。
20種類のアミノ酸は9種類の必須アミノ酸(体内で合成できない)と11種類の非必須アミノ酸(体内で合成できる)に分けられています。
プロリンは非必須アミノ酸に分類されます。
小腸や肝臓においてグルタミン酸あるいはオルニチンから生合成されます。
20種類のアミノ酸はたんぱく質を構成する材料となるほか、必要に応じてエネルギー源としても利用されます。プロリンはエネルギー源として利用されやすいアミノ酸です。
このことを糖新生といいます。糖新生に用いられるアミノ酸は糖原性アミノ酸と言います。体を構成する20種類のアミノ酸うちリジン、ロイシン以外の18種類が当てはまります。
プロリンは糖原性アミノ酸のなかで特にエネルギーとして利用されやすいと言われています。
プロリンの効果・効能
美肌
プロリンはコラーゲンの構造を安定化させる重要な役割を果たしています。
まず初めにコラーゲンの構造について簡単にまとめたのでご覧ください。
コラーゲンの構造
- コラーゲン分子は3本のα鎖(ポリペプチド鎖)が螺旋状に絡まったものです。左巻きの螺旋構造(ヘリックス構造)をとるα鎖がお互い周りに巻き付いて右巻きの3重螺旋構造(トリプルヘリックス構造)をとっています。
引用元
体のなかのコラーゲンの役割 コラーゲンの構造
コラーゲンマニアのつぶやき
(株)ニッピ - 1本のα鎖は1000残基ほどのアミノ酸で構成されています。その配列の特徴として3残基ごとにグリシン(Gly)が存在していることです。つまり【Gly-X-Y】の配列が繰り返されていることになります。
引用元
コラーゲンとは?
1月26日はコラーゲンの日
(株)ニッピコラーゲン化粧品X-Yには違うアミノ酸が配置されていますが、X位にプロリン、Y位にヒドロキシプロリンが存在していることが多くなっています。
- 生体内ではコラーゲン分子が集まって、酵素の働きによりコラーゲン分子が橋を架けあうように結合します。
引用元
コラーゲンとは何? カラダの中のコラーゲン
コラーゲンナビ
(株)ニッタバイオラボコラーゲン分子間に架橋(コラーゲン架橋)が入ることでコラーゲン繊維が形成されます。
ここで②にクローズアップします。
α鎖のアミノ酸配列は【Gly-X-Y】【Gly-X-Y】【Gly-X-Y】・・・といったように【Gly-X-Y】が繰り返されています。
このうちX-Yに配列されるアミノ酸がコラーゲンを特徴づけるトリプルヘリックス構造の安定性に影響を与えています。
X-Yに配列されるアミノ酸はプロリン(X位)とヒドロキシプロリン(Y位)であることが多くなっています。
グリシン-プロリン-他アミノ酸 の出現頻度 約34%
グリシン-他アミノ酸-ヒドロキシプロリン の出現頻度 約32%
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そのためプロリンおよびヒドロキシプロリンがトリプルヘリックス構造の安定化に大きく寄与しているといえます。
ヒドロキシプロリンはα鎖にプロリンとして組み込まれた後に、プロリンヒドロキシラーゼにより水酸化され生成されます。
以上のことから、プロリンはコラーゲンの構造を安定化させる=コラーゲンを生成するうえで必須の成分といえます。
関節
関節は骨と骨の間のつなぎ目の部分のことです。その間に軟骨があり関節におけるクッションのような役割しています。
軟骨組織は70%が水分で残り30%はコラーゲン(Ⅱ型コラーゲン)やプロテオグリカンなどで構成されています。
軟骨は
- 水分 ~75%
- 軟骨基質 ~25%
- 軟骨細胞 わずか数%
うち軟骨基質(~25%)は
- コラーゲン(コラーゲンⅡ) 15~20%
- プロテオグリカン(アグリカン)3~5%
- その他 ~ %
コラーゲンは総称のことでその構造の違いにより体内には19種類の型があるとされています。コラーゲンの中で軟骨に多く含まれているのがⅡ型です。
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コラーゲンは軟骨に弾力を与えて衝撃を吸収する役割を果たしています。なので加齢とともにコラーゲンの合成する力が衰えると軟骨がすり減ったり、変形しやすくなり関節の痛みを誘発します。
コラーゲンの合成を促進させるプロリンには関節痛を和らげる効果があります。
脂肪
脂肪燃焼のメカニズムを簡単にまとめると以下になります。
- 分解 体内に蓄積された中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する
- 運搬 分解されてできた脂肪酸を細胞のミトコンドリアに運搬する
- 燃焼 ミトコンドリアで脂肪酸がエネルギー貯蔵物質ATPに変わる
ATPがエネルギーとして消費される→脂肪燃焼
①の分解過程をもう少し掘り下げていきます。
脂肪の分解は【空腹状態・激しい運動・寒冷刺激など エネルギーを確保しなければいけない状況】に陥ったときに、脳の視床下部から「脂肪分解酵素の分泌」の指令が下ることでスタートします。
すると脂肪細胞内にあるホルモン感受性リパーゼ(HSL)が活性化され、脂肪が遊離脂肪酸とグリセリンに分解されます。
脂肪が分解されて「生じた遊離脂肪酸がATPと呼ばれるエネルギー貯蔵物質に変換され、エネルギーとして消費される」ことが脂肪の燃焼です。
このように脂肪燃焼は脂肪が分解されなければ始まらないので脂肪分解酵素を活性化させることがとても大切となります。
プロリンは体内に入ると脂肪細胞に作用し、脂肪分解酵素の活性を高める働きします。なのでプロリンを摂取すると脂肪が分解され遊離脂肪酸が血中に放出されるようになります(放出されやすくなります)。
この状態で有酸素運動を行うと筋肉への遊離脂肪酸の取り込みが促進され「脂肪」が「燃焼」されていきます。
プロリンのサプリメントでよくあるキャッチフレーズ集
- うるおい成分たっぷりで、ぷるるん肌へ
- プルップルのうるおい肌に
- 1歩先のキレイを追求する
- コラーゲンを超える?超美容
- 余分な脂肪のメラメラの手助けをする
プロリンの摂取量、不足、過剰
不足すると体内でのコラーゲン生成に影響がでます。肌にハリ・潤いがなくなったり、傷の治りが遅くなったりします。
サプリ摂取の場合は、1日の摂取目安量を守ってください。
プロリン 豆知識
ヒドロキシプロリンはα鎖にプロリンとして組み込まれた後に、プロリンヒドロキシラーゼにより水酸化され生成されます。
プロリンと相性の良い栄養成分
・リジン
・ビタミンC
ただし、リジンはコラーゲン組成の率としては3~4%と決して多くありません。
なぜ重要であるかは次です。
またヒドロキシプロリンのほかコラーゲンに特徴的なアミノ酸として,ヒドロキシリジンが存在している。 ヒドロキシリジンはリジルオキシダーゼで酸化されたのち,Schiff塩基を形成しポリペプチド間の架橋を形成して,線 維(コ ラーゲ ン分子の会 合体)の安定化にかかわる.
引用元
コラーゲン 分子集合とその応用
J-STAGE
ヒドロキシリジンの前駆体がリジンです。ヒドロキシリジンはα鎖にリジンとして組み込まれた後に酵素リシルヒドロキシラーゼにより水酸化されて生成されます。
コラーゲンの合成にはビタミンCの存在が必要不可欠です。
L-プロリンとL-リジンは、共にコラーゲンの働きに欠かせないアミノ酸で、これに加えて ビタミンCとプロアントシアニジンも豊富なホーソーンベリーやブドウ種子エキスをプラス配合。 美容のベースになる重要なコンビネーションです★
引用元
プロリン&リジン 120粒
米国サプリ直販のNatural Harmony 楽天市場店
プロリンのレーダーチャート解説
- 6
このカテゴリーに効果があることで有名。即効性があったり、継続して摂取することで効果を感じる - 5
このカテゴリーに効果があることで有名。継続して摂取することでなんとなく効果を感じる - 4
このカテゴリーに効果があるといわれている。効果が得られることを期待して飲んでいる - 3.5
このカテゴリーに効果があるといわれているが、個人的に摂取目的としていない - 3
このカテゴリーになんらかの効果があるもの - 2
このカテゴリーとはあまり関係ないと思われる - 1
このカテゴリーとは関係ないと思われる
※4以上が摂取目的となっているカテゴリー
プロリン総合評価 A+ 15.5
5つのカテゴリーのうち、評価が高い上位3つのカテゴリーを足したものです。「B~SS」でつけています。
SS 18点
S 16点以上
A+ 14点以上
A 12点以上
B+ 10点以上
B 9点以下
髪(薄毛) 評価3
体を構成するたんぱく質のうち3割はコラーゲンです。皮膚においては7割はコラーゲンです。
コラーゲンは頭皮にハリ・潤いを与え、健康な頭皮環境を作り出す役割を果たします。なので薄毛予防に貢献している成分といえます。
肌(美肌) 評価6
真皮の主成分となっているのがコラーゲン繊維です。コラーゲンは真皮の乾燥重量のうち70%を占め肌のハリや弾力を生みだしています。若々しい肌を保つためになくてはならない成分です。
※真皮層を拡大したイラストです。ひし形の線部分がコラーゲン。
コラーゲンのアミノ酸組成の2/9を占めるイミノ酸(プロリンおよびヒドロキシプロリン)がコラーゲン構造の安定化に大きく寄与しています。
コラーゲンのアミノ酸組成
ヒドロキシプロリン(Hyp)はコラーゲン特有のアミノ酸で、プロリンがコラーゲン分子のポリペプチド鎖に組み込まれた後にプロリンヒドロキシラーゼの作用により水酸化され生成されます。なのでプロリンの摂取はコラーゲンを増やすために必須です。
プロリンは非必須アミノ酸に分類されていますが、体内で合成できる量だけでは十分とはいえません。若々しい肌を保つために外から積極的に取るべき成分といえます。
体型(ダイエット)評価5
プロリンは体内に入ると脂肪細胞に作用し脂肪分解酵素を活性化させる働きをします(効果・効能欄参照)。プロリンは美肌効果のみならず脂肪燃焼効果があるアミノ酸で有名です。
体力(普段)評価4.5
飢餓状態の時は体たんぱく質(主に筋肉)が分解されてアミノ酸が作り出されます。そして分解されて生じたアミノ酸から糖を作りだし、その糖をエネルギー源として利用します。
このことを糖新生といいます。
糖新生に用いられるアミノ酸は糖原性アミノ酸と呼ばれます。
プロリンは糖原性アミノ酸のなかで特にエネルギーとして利用されやすい(糖を作り出すことができる)と言われています。
次に紹介する味の素の栄養補助ゼリーに「独自配合のアミノ酸素材」として配合されています。
その他(関節)評価4.5
関節は骨と骨の間のつなぎ目の部分のことです。その間に軟骨があり関節におけるクッションのような役割しています。
軟骨組織は70%が水分で残り30%はコラーゲン(Ⅱ型コラーゲン)やプロテオグリカンなどで構成されています。コラーゲンは軟骨に弾力を与え衝撃を吸収する役割を果たしています。なので加齢とともにコラーゲンの合成する力が衰えると軟骨がすり減ったり、変形しやすくなり関節の痛みを誘発します。
コラーゲンの合成を促進させるプロリンには関節痛を和らげる効果があります。
プロリン 参照一覧
コラーゲンペプチドの食品機能性 J-STAGE
天然素材コラーゲンの機能性 一般財団法人 日本皮革研究所