硫黄

 

硫黄

ミネラルのうち生命維持に欠くことができないミネラルを必須ミネラルと呼びます。必須ミネラルは16種類あります。

必須ミネラルのうち1日に必要とされる摂取量が100㎎以上のミネラルを主要(多量)ミネラル、100㎎未満のミネラルを微量ミネラルと分類しています。以下その内訳です。

16種類の必須ミネラル

主要ミネラル7種類
ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・硫黄・塩素

微量ミネラル9種類
鉄・亜鉛・銅・マンガン・ヨウ素・セレン・モリブデン・コバルト・クロム

硫黄は必須ミネラルのうち主要ミネラルに分類されます。硫黄は体内でカルシウム、リン、カリウムに次いで4番目に多く含まれるミネラルです。

硫黄は成人の体内におおよそ140g~200g存在しています。特に髪、爪、皮膚、軟骨に多く含まれています。

硫黄は体内では単独では存在しておらず、主に含硫アミノ酸の構成成分として存在しています。

含硫アミノ酸

硫黄を含むアミノ酸を含硫アミノ酸といいます。含硫アミノ酸の代表的なものとしてメチオニン・システインがあげられます。

硫黄は含硫アミノ酸の構成要素として髪、爪、皮膚といったケラチンたんぱく質の生成に関与しています。またビタミンB1やパントテン酸と結合し補酵素として糖質や脂質の代謝にも関わっています。

 

 

硫黄の効果・効能

 含硫アミノ酸 
硫黄(元素記号S)は含硫アミノ酸の構成成分としてたんぱく質の生成に関わっています

というよりは「たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうち硫黄原子を含んだアミノ酸が存在している」という表現のほうがしっくりとくるかもしれません。

そのアミノ酸とはシステインメチオニンです。システインとメチオニンはその構造に硫黄原子を含んでいるため含硫アミノ酸と呼ばれています。

この2つの含硫アミノ酸が多く含まれてるたんぱく質は髪・爪・肌(角質)の主成分となるケラチンたんぱく質です。

ケラチンたんぱく質は18種類のアミノ酸で構成されていますが、この2つの含硫アミノ酸だけで

  • 硬ケラチン【髪・爪】はおよそ2割
    シスチン 約17% メチオニン 約1%
  • 軟ケラチン【肌(角質)】はおよそ1割
    シスチン 約9%  メチオニン 約1.6%

    ※シスチンはシステインが2分子結合したアミノ酸

占めています。
そのためシステイン・メチオニンの存在は髪、爪、肌(角質)を形成するにあたりとても重要といえます。
それには構成成分である硫黄が大きく貢献しているといえます。

なお髪の毛や爪を燃やすと異臭がするのは、硫黄に起因します。

 

硫黄原子(S)を含むアミノ酸はシステインとメチオニンだけではなくタウリンも当てはまります。また他にも多くの硫黄化合物が存在します。

その働きをざっとまとめます。

硫黄原子を含むアミノ酸

  • システイン 
    薄毛予防・美白作用
    など
  • メチオニン 
    肝機能向上・抗酸化作用
    など
  • タウリン  
    解毒作用
    など

 

硫黄原子を含むビタミン

  • ビタミンB1  
    糖質の代謝
    など
  • ビオチン 
    たんぱく質の代謝
    など

 

  • パントテン酸 
    糖質・脂質の代謝など

    ※パントテン酸は硫黄を含みませんが、パントテン酸を構成成分とするコエンザイムAはチーオル基を有します。硫黄はパントテン酸と結合することで補酵素として機能することが知られています。

 

硫黄原子を含むファイトケミカル

  • アリシン  
    抗酸化作用
    など
  • イソチオシアネート 
    抗酸化作用
    など

 

チオール化合物

  • グルタチオン  
    抗酸化作用
    など
  • コエンザイムA 
    糖質・脂質の代謝
    など

 

その他

  • MSM 
    軟骨形成
    など

    MSMとは

    MSMは自然界に広く存在する天然の有機硫黄化合物で、体内への硫黄の供給源となる成分です。MSMの成分の34%は硫黄でできていて、体内に取り入れられるとその硫黄は含硫アミノ酸などに取り込まれるようになります。
    MSM由来の硫黄はコンドロイチン硫酸・ケラタン硫酸・デルタマン硫酸・ヘパラン硫酸といった硫酸基が結合したグリコサミノグリカン(GAG)の生成に使用されることで有名です。GAGは軟骨基質の構成成分です。そのためMSM(の硫黄)は軟骨の健康に大きく貢献します。

    詳しくはこちら→MSM イオウの供給源
    ※なおここでは「硫黄」でMSMのレビュー改では「イオウ」表記にしていますが、深い意味はありません。

 

注意

ツッコミどころ満載のグループ分けをしています。例えば-SH基をもつシステインはチオール化合物にも入ります。一方でグルタチオンは硫黄原子を含むペプチドなので硫黄原子を含むアミノ酸にも入ります。あとパントテン酸とコエンザイムAに関してもなんだかな~といった感じです。

とにかくこちらの都合で上記の分け方をしています。ご了承ください。

またMSMは硫黄の供給源です。MSMの硫黄は主に含硫アミノ酸に取り込まれます。含硫アミノ酸がMSMの硫黄の受け取り先と捉えると、その他の存在がちょっとおかしなことになります。
ここではその他のMSMはコンドロイチン硫酸など軟骨」に含まれる硫黄化合物と捉えてください。

 

硫黄(を含んでいる)サプリメントによくあるキャッチフレーズ集

  • 髪の毛、爪、皮膚の健康にかかわる
  • 若々しい髪をキープしたい人に
  • 丈夫で健康な爪に
  • お酒をよく飲む方に
  • 体の内側からの美を目指す方

 

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硫黄の摂取量、不足、過剰

硫黄の摂取量
「硫黄」の推奨摂取量はありません。
硫黄はたんぱく質(に含まれるアミノ酸システイン、メチオニン)に含まれているので食事などでたんぱく質をとっていれば、硫黄を摂取していることになります。
 
硫黄の不足
硫黄の不足はたんぱく質、特に含硫アミノ酸の不足の症状につながります。
システイン、メチオニンなどの不足による症状です。システイン、メチオニンなどは皮膚、髪、爪などに関わっています。これらが不足していると皮膚炎が生じたり、抜け毛が多くなったり、爪がもろくなるといった症状が現れます。また肝機能の低下にもつながります。
 
硫黄の過剰
普通の食事をしている限り、硫黄の過剰は心配いりません。含硫アミノ酸のサプリ(システイン、メチオニンなど)を度を越えて摂取すると硫黄過剰症になる場合あります。硫黄過剰症により動脈硬化が起きる場合があります。

 

硫黄の豆知識

外用薬
「硫黄」はよく外用薬として軟膏や塗り薬に使用されています。水虫などの皮膚疾患治療に使われています。
またニキビに効くとされていて、ニキビ治療薬には「イオウ」が含まれていることが多いです。

 

硫黄が含まれている成分

・システイン
・メチオニン

 

硫黄の働き解説

各項目にてシステインorメチオニンの働きを説明します。

 髪  by システイン
システインは健康な髪の生育に必須のアミノ酸です。
理由は以下2点です。

①ケラチンに最も多く含まれるアミノ酸

髪の主成分はケラチンと呼ばれるたんぱく質です。髪の90%以上はケラチンでできています。

ケラチンのアミノ酸組成

※%はおおよその値です。

ケラチンに最も多く含まれているシスチンはシステイン2分子が酸化されて結合してできるアミノ酸です。

②ケラチンの構造を安定化させる

髪の構造(髪の強度・弾力性)の安定化に関わるのがケラチン分子間あるいは分子内に多く存在するジスルフィド結合です。
ジスルフィド結合とはたんぱく質分子内、あるいはたんぱく質分子間で2つのシステインに含まれるSH基同士の硫黄原子(S)同士が酸化されることで形成させる架橋のことです。
上記ケラチンを構成しているアミノ酸のうちにシスチンが最も多いのはシスチンが「システイン2分子(=ジスルフィド結合)」により生成されているアミノ酸だからです。

システインはジスルフィド結合を形成しケラチンの構造を安定化させる
役割を担い、髪にハリ・コシ・ツヤといった性質を与えています。

 肌  by システイン
肌の一番外側である角質層は繊維状のたんぱく質ケラチンがたくさん含まれています。


ケラチンは水分と合わさると柔らかくなるという性質をもっています。角質層内にあるケラチンとNMF(天然保湿因子)のおかげで肌の潤いを保つことができています。

スチン(システイン2分子)は皮膚のケラチンにおいて分子間に架橋(S-S結合)をつくりケラチン繊維を強固にする重要な役割を担っています。この架橋(S-S結合)の形成にはシステインの構成要素の硫黄(S)が大きく関わっています。

またシステインは生体内の代謝系に関わっているSH酵素の賦活剤として作用します。この作用は皮膚代謝の正常化につながります。ニキビ・吹き出物・肌荒れといった肌トラブルの改善に効果を発揮します。

 

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 体型  by メチオニン
筋肉はたんぱく質でできています。筋たんぱく質は合成と分解を24時間繰り返していてます。1日を通じて合成量と分解量のバランスがとれていれば筋肉量を保つことができ、合成量が分解量を上回れば増やすことができます。筋肉を増量するためには合成を繰り返し行えるだけの「たんぱく質(20種類のアミノ酸)」を意識して摂取する必要があります。
筋肉を増量するために特に意識して摂取するべきは体内で作ることのできない9種類の必須アミノ酸です。メチオニンは必須アミノ酸に分類されています。

 体力  by システイン・メチオニン
飢餓状態の時は主に筋肉のたんぱく質が分解されてアミノ酸が作り出されます。そして分解されて生じたアミノ酸から糖を作りだし、その糖をエネルギー源として利用します。このことを糖新生といいます。
糖新生に用いられるアミノ酸を糖原性アミノ酸と言います。システイン・メチオニンは糖原性アミノ酸です。

 その他(抗酸化)  by システイン
システインはチオール系抗酸化物質です。自らのチーオル基を用いて(還元剤として)活性酸素種を除去します。システインは一番酸化させる力が強いヒドロキシラジカルを除去する働きをします。
システインは他の抗酸化物質【=グルタチオン】の材料にもなります。

グルタチオン

グルタチオンは体内でシステイン・グルタミン酸・グリシンをもとに作られる抗酸化物質です。体内に存在する抗酸化物質のうち「最強」と称されています。グルタチオンは自らのチオール基を用いて過酸化物や活性酸素種を除去します。
グルタチオン自体が抗酸化物質として働きますが、体内にある抗酸化酵素グルタチオンペルオキシターゼの触媒反応の基質としても機能します。
それにより活性酸素のうち過酸化水素、ヒドロキシラジカルを除去します。また過酸化脂質を還元する働きもします。

 

硫黄雑感

いや~

硫黄をレビューするのは


ちょっと無理難題でした~

イオウは必須ミネラルですごい重要なのですが・・・


硫黄単体として体内で存在していないからです。

 

硫黄は必ず何かしらの化合物の一部となって存在しています。

まあ~有名どころは含硫アミノ酸です。


とくにシステインとメチオニン~

これらは個別にレビューしています(していきます)。

というわけで硫黄のレビューはなしです。

栄養成分レビュー始まっって以来の「評価なし」という結果です。

ということで ここでの話は特にナッシングです。

 

※その後 栄養成分レビュー改にて 硫黄をレビューしてみました。よろしければご覧ください
硫黄 含硫アミノ酸の構成成分

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